化け猫にツンデレ

化け猫にツンデレ

　僕は化け猫。とは言え、化け猫としての生はまだ短い。そして、今は人間に飼われている身だ。

　僕は人間が嫌い。ご飯がないって必死に訴えても、後回しにされるときがある。

　僕は人間が嫌い。トイレが汚れているのに、これも後回しにされるときがある。

　僕は人間が嫌い。僕が甘えに行ってるのに、人間はいつも忙しそうだ。

　僕は人間が嫌い。たまにお家に知らない人を入れて、僕を怖がらせる。

　僕は人間が嫌い。僕に食べられないものを美味しそうに食べる。

　僕は人間が嫌い。たまに寝相が悪くて起こされちゃう。

　僕は人間が嫌い。柱に爪とぎしたら叱られちゃう。

　でも、結局ご飯をくれるし、トイレを掃除してくれるし、忙しそうにしながらもなでてくれるし、お家に来た知らない人も僕を甘やかしてくれるし、僕に食べられないものは、僕には美味しくないものだろうし、寝相が悪くても、起こされた僕を寝ぼけながらも受け入れてくれるし、柱の代わりの爪とぎを用意してくれる。

　「猫はツンデレだよ」って言われたりもするけど、人間のほうがよっぽどツンデレだと思う。

　結局、僕は人間が好き。