大好きな彼女をチャラ男にNTRれた話

◾︎あらすじ

冴えない「普通の男」の僕。ひょんなことから彼女が出来、

付き合った当初はラブラブだったのに

「家族みたい」と言われてしまい、いつしか返信が来なくなった頃

彼女のインスタのストーリーを見てしまった…



僕が世界と出逢ったのはそう、所謂深層webとして有名なあるアングラ掲示板だ。

世界ちゃんが貼ったグロ画像に僕がコメントしたことがきっかけだ。

当時荒らしとして有名だった世界ちゃんは人生終了した40くらいのおっさんだと予想していた。


それからなんやかんやで会うことになり、いよいよエンカの日…

「やっほー☆」甲高い声。そこに現れたのは小柄でスタイル抜群の美少女じゃないか。

「えぇっ?本当に世界さんですか?」「そーだよ。さぁ早く行こ!」

ニッコリ笑う世界ちゃん。独特の黒づくめのファッションがとてもよく似合っていた。

カフェにて僕達は好きな連続殺○鬼の話題で盛り上がり意気投合。

気づけば恋人同士になっていた。


「おはよ🖤おねぼうさん♪チュ」「う〜んなんだよ朝からうるさいなぁ」

「えーかまってくれたっていいじゃない!」「やれやれ、さすがメンヘラ!w

世界は本当にかまちょだなあ」

「ひどーい。そんなこと言う子は一生世界から離れられないよう檻の中に閉じ込めてあげる♪ね🖤

…大好き。大好き大好き大好き。エヘヘ」

僕は照れていた。冴えない僕にこんなに可愛い彼女が出来たのは始めてで、

本当は自信のない僕だけど、男として余裕がないのを悟られたくなかった。

幻滅されたくなかった。強がっていたんだ…

勿論金は惜しまなかった。世界の為になんでも買ってあげたし、

引きこもりがちな彼女の為に旅行にも連れて行った。

精一杯尽くしたつもりだった…


「なんかつまんないんだぁ、最近。」窓辺に腰掛けた世界が言う。「どうしたの?」

「君は、世界のことすき?」「うん、好きだよ。世界は?」

「うん。好き…かな。」「へへへ。世界は本当に僕のことが大好きなんだなぁ」

「まぁ…ね…」世界が逸らした目線の意味を当時の僕は知る由もなかったんだ…

「おーい世界!おはよう♪」世界の胸に飛び込む。

「あのさぁ…」「どうしたの?世界。」

「君と一緒にいるのは楽しいし、こう…なんていうか温かい気持ちになって…家族みたいなの。」

「家族、かぁ…良い響きだな。僕もそろそろ世界と結婚してやってもいいかなって思ってたんだ」

「結婚…結婚とかっていうよりもう熟年夫婦みたいな?w」

「熟年夫婦wwなんだそれはw相変わらず僕にベタ惚れで可愛いな♪」

世界を抱き締めると、無言で俯いていた。


世界は好奇心旺盛だ。深夜の学校に忍び込みプールで遊んでみたり、

未成年喫煙をしてみたり、人と違うことをするのが好きだ。

常に刺激を求める性格で…だからこそアングラ掲示板なんかに入り浸っていた。

「普通」を好まない彼女がどこにでもいる平凡で「普通」な男である僕で

物足りなくならないわけがなかった…


そう、この日辺りだったかな?突然、世界から連絡が来なくなったのは。

世界はよく言っていた。「私を手に入れたいのなら命を犠牲にする覚悟で血まみれになりながら必死に私を探して🖤」

メンヘラ特有の大袈裟な愛情表現。

彼女はいつも必要とされたがっていた。

「メンヘラ怖w」なんて言いながら本当に必要とされたかったのは

僕自身だったのかもしれないと今なら思うのだが、

当時の僕は何を血迷ってか世界に連絡するのをやめたんだ。

「きっといつものようにメンブレを起こしたんだろう。そっとしておいてあげよう」と。

きっと僕は世界の理解者である自分に自己陶酔していただけなんだ。

あの時必死に連絡すれば今頃…。


世界と話さなくなって一ヶ月後、

インスタを開くとアイドルのような顔立ちの金髪の男と世界のツーショットのストーリーが上がっていた。

派手なTシャツにアクセサリー、僕とは全く違う、

刺激を与えてくれそうな男だった。

男が世界の肩を抱き抱えるという、

カップルじゃないと到底あり得ない距離感。

手の震え。急いで世界にLINEを送る。

「ストーリー見たけどあれは誰!?僕と付き合ってるんじゃないの?

世界ねぇどういうことか説明して!」

しかし何時間経っても既読がつかない。ブロックされたのだ。


世界はチャンスをくれていた。

連絡が来なくなった日、Twitterで「私は私のことを必要としてくれる人が好き」

その後「私が連絡を返さなくても何度も何度も連絡してくれる人がいいなぁ」とツイートしていた。

これは僕への挑戦状だった。試されていたのだ。

あんなに僕に好き好き言ってくれていた世界は、

僕にベタ惚れだと信じて疑わなかった。

しかし実際に世界が好きなのは「自分を愛してくれる人」であり「僕自身」ではなかった。

僕は世界と何年も一緒にいた。

でもあの男はどうせ出会って一ヶ月も経っていない。

それなのにあの密着度は確実に既に○ッた関係性としか思えない。


「今日はお泊まり〜♪」世界のツイート。

時刻はもう19時。今頃アイツの家にいるのだろう。

食事でもしているのかな。この後どんなあられもない姿を見せるのだろう…

風呂上がり、濡れた黒髪、

男から借りたブカブカのパジャマを着た世界…

僕の…僕の世界。僕だけの世界一かわいい天使。

胸がギュッと痛くなる。待て、ちょっと待てよ…?

他の男のチ○ポでガンガンイかされる世界ちゃんとか超絶エッチじゃねぇか!


犯される世界の顔を想像する。興奮が収まらない。

僕のように社会から見向きもされない劣等下劣生物なんかより、

イケメンでオシャレで積極的な男の方が魅力的だし、

そんな男に股を濡らすのは本能として正しい。

あぁ、真っ当だ。真っ当な、普通の女の子なんだな。

今まで無理して僕に合わせてくれていたんだよ。


ハァハァ…ハァハァ…僕以外のチ○ポは気持ちいいかい?

世界…悲しいよ…辛いよ…

それでも君でシ○ることを僕は辞められないんだ!

脱げ脱げ、もっと汚れてしまえ。

世界一大嫌いだよ!ははは!ただのヤ○マンの癖に。このビッチが。

肉便器のように利用されションベン臭ぇマ○コから

精○垂れ流しにして捨てられちまえ、このゴミ!

はは、でもそんなお前のことをオ○ズにしてやるよ。

ゴミでも性的消費する価値はあるからな。

糞女を罵倒しながらのオ○ニーは今までで一番気持ちいいぜ!

ハァハァ…ハァハァ…あれ?

笑っているはずの頬になぜか一筋の涙が流れた。

あぁ。僕、平気なフリをしていながら傷ついているんだな。

悲しいんだな…悲しいなぁ。悲しいなぁ…

いくら麻痺させたって君が大好きなことに変わりないよ。

世界、ほんとはね…ほんとは君がいないと生きてけないんだ。

依存していたのは僕の方なんだ。

もっともっと一緒にいたかった。これからの人生を君と歩みたかった…

醜い僕を嘲笑ってくれ…世界…ウッ…ドピュッ……

快楽の波と共に何もかもが吹き飛んだ。

ティッシュで体を拭きながら僕は静かに泣いた。



~END~

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