優しい世界教

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【悲報】処女だと思っていた世界ちゃんが経験済みだった件

◾︎あらすじ

パニック障害持ちで引きこもり非モテ童貞の俺。

片想いするコンカフェ嬢の世界ちゃんが処女だと知り歓喜するが、

ある日世界ちゃんのTwitterに載せられた自撮りに

写りこんだアダルトグッズを見つけてしまい…



…孤独だ。

学校は辞めたし、社会人になってからも

引きこもりで金なし。

彼女なんていないし、友達もいない。

毎日することと言えば最低賃金で働き、

生きる為に稼ぐ。それだけ。


そろそろ彼女くらい欲しい。

人生で彼女がいたことは一度もない。

だが最近の女は選り好みばかりしているせいで

優しい俺ではなく、顔だけのチャラい男ばかり選ぶ。

女が選り好みさえ辞めれば俺のような弱者は救済されるのに…


マッチングアプリを始めた。

ブスかデブかババアしかいない。

こんなブス、金を貰ってでもヤリたくねぇ!

スマホをぶん投げた。

「どうしたら彼女ができる?」スマホを触る姉に聞く。

「あんたが選り好みをするのを辞めればいい。

いい女と付き合いたいなら、いい男になる努力をするしかないね…

いい?あんたの周りにいる人間はあんたのレベルの平均値なんだから。」


俺は選り好みなんてしない。

ただ顔が可愛くて若くてスタイルがいい女を求めているだけだ。

生物として最低限当然の欲求だろう?

それすらも否定するのか…?


「風俗行け」なぜ俺が金を払わないといけない?

無料セックスしてる連中が大量にいるのに?

女を手に入れるのは男にとって当然の権利なのに。

追い詰められた弱者による殺人やテロ、自殺、性犯罪を抑止する為にも

国は無料で女を宛てがうべきだ。


誰かから必要とされたい。

肯定されたい。

…でも努力はしたくない。

だって何もせずとも認められたいし

ありのままの俺を受け入れてほしいから。


あくる日。アキバを彷徨いていた。

休日のアキバは活気がある。

オタク達みな影の存在のはずなのに

友達同士で趣味を楽しみ、活き活きしているように見える。

ぼうっと歩いていると突然甲高い声が聞こえた。

「お兄さん♪今日からOPENしたコンカフェ、よかったら遊びに来ませんか♪」

「えっ!?あっ……ハイィッ…」

メイド服を着た可愛い女の子だった。

どれくらいぶりだろう。女の子と話すのは。

緊張と恥ずかしさで声が上ずってしまい、

咄嗟に「はい」と返事をしたのが運の尽き、

そのまま腕を引かれ店に入った。


「おかえりなさいませー♪」

「おかえりなさいませー♪」

「ようこそ。コンセプト・カフェ『天使の楽園 ぴゅあ・わーるど』へ♪」

一斉に聞こえる挨拶。席へ案内されメニューを開く。

可愛い装飾、大勢の客。可愛い女の子達。

初めて来たが、俺のような人間が来ていいのだろうか。

怖くなった。帰りたい帰りたい…

手足が震える。大勢の目線が怖い。

あぁ、これは〝いつもの発作〟だ。

急いで錠剤を口に放り込んだ。

…この発作のせいで、学校も仕事も上手くいかないんだ…。

頭を抱えながらテーブルに顔を伏せていると

目の前にやってきたのは一人の女の子だった。


「大丈夫?」

妖精のようなオーラ。透き通った肌。

ずば抜けたスタイル。美しい瞳…。

他の誰よりも輝きを放っていた。

「私、世界。天界にいたんだけど、

テストで赤点続きで地上に落とされてきて、

今は修行の一環として人間界で働いてるんだ~よろしくね♪」

彼女がウインクした途端、俺の心は奪われた。

俺、この子と付き合いたい…。

しかしコンカフェの設定とはよく出来たものだ。

天界から地上に落とされた世界ちゃん…なかなか面白いコンセプトじゃないか。

この日から毎日のようにコンカフェに通い詰めることになった。


俺の学生生活といえば悲惨なものだ。

学校では男子にいじめられ、女子からは目も合わせてもらえなかった。

女一人手にすることができない俺は

男として欠陥品のような感覚があった。

モテるにはどうすればいいかを周りに相談しても

「努力しろ」「相手の話を聞け」なんて的外れな暴言ばかり。


…それに引き換え、世界ちゃんはなんでも認めてくれる。

「今日も来てくれてありがとう♡」

眩しい笑顔。細くて抜群のモデル体型。

そう!俺が女に求めていたものはこれだ!

「それでさ~俺実は学生時代ヤンチャだったんだよなw」

「そうなの~!?」

目を輝かせる世界ちゃん。

俺の好きなプラモデルの話、ロボットアニメ、特撮や鉄道の話

どれも興味津々で聞いていた。

この女、いい趣味をしている!

顔で判断し、選り好みする女と違っていい子だ…

世界ちゃんなら俺の彼女に相応しい。


「ねぇねぇ~なんの話してんの?」

「あ!モモちゃん♡今ね~ロボットアニメの話してたよ♪」

「あ♪モモって言います♡よろしくね♪」

モモちゃん。世界ちゃんより背が低く

ピンク色の髪にツインテールのロリ系の女の子だ。

スキンシップが激しく、よく世界ちゃんに抱きつく。

「モモちゃんは私の妹みたいな存在なの♪

もう~飼っちゃいたいくらい♡」

「えへへ♡あ、呼ばれたからまたね♪」

ここのコンカフェの女の子達は仲がいい。

女が男と仲良くしているのを見ると嫌な気持ちになるが、

女同士で仲良くしている姿は微笑ましいな。


モモちゃんが他のお客さんのところへ行ったところで

以前から気になっていたことを聞いた。

「そういや世界ちゃんって彼氏いるの?」

「彼氏?いないよー!

私、全然モテないし学生時代はずっとぼっちだったよー!

引きこもりのオタクに彼氏なんかいるわけないww」

「悲しいなーw」


世界ちゃんと俺は似ている。

彼女はみんなの前ではいつも笑顔でいるが、時折陰をチラつかせる。

ぼっちで少しコミュ障。

それにちょっと変わってる子だからモテなかったんだろう。

この子の良さを分かってるのはきっと俺くらいだろうなーw

俺が守ってあげたい…。


「そうなんだ。じゃあ経験とかも…ない感じかw」

「経験…か…そうだね。男の人とのそういう経験…ないなぁ…」

処女。それは神聖で価値のあるもの。

聖母マリアは処女のまま妊娠した。

純潔さ・慎ましさは女性としてあるべき姿である。

最近の女はどいつもこいつもイカレビッチばかりだが

女の貞操は自分で守り抜くべきだ。


誰が同じ値段の新車と中古車で敢えて中古車を選ぶ?

一度でも他の男が使った穴とか論外だ。

世界ちゃんが俺以外の男と……?

無理。無理。絶対無理。

でも安心だ。世界ちゃんは俺と同等だ。

「経験はない…けど……」

「けど…?」

「…」

けど、ってなんだ…?

少し引っかかったが、まぁいいや。

気になっていた質問を投げてみる。

「今、好きな人とかいるのか?」

「さぁ?どうかな?ふふっ。」

俺の目を見て笑う世界ちゃん。

好きでもない相手にこんな視線を送るか?

ついに俺にも春がやってきた!

俺の…俺だけの救世主…

世界ちゃん…

俺がお前の寂しさを埋めてやるから…。


それからしばらく経ったある日。

順調に客足を伸ばしていった「ぴゅあ・わーるど」の

公式Twitterが開設されたとのこと。

真っ先に世界ちゃんのアカウントをフォローした。

これで家にいる時も世界ちゃんを感じられる…

更新される世界ちゃんの可愛い自撮りを保存しては

世界ちゃんとベッドで一緒に過ごす妄想で夜の果てまで逝く。

将来は世界ちゃんをお嫁に貰い、

毎日世界ちゃんの手料理を食べ、

毎日働いて世界ちゃんを養ってやるんだ。

子供は2人いて、男と女がいい。

男はスポーツをさせて女にはピアノを習わせよう。

二人で協力して立派な子に育てるんだ。


そしてある日、事件は起こる。

いつものようにTwitterを見ていると

一枚の写真が投稿された後、すぐに削除された。

…おかしい。

たまたまいつもの癖で写真を保存していたので見てみると…

自宅で撮った何の変哲もない世界ちゃんの自撮り。

その背後に写るベッドに置きっぱなしの口枷。

明らかにSMプレイ用のものだ。


「経験はない…けど……」

あの時引っかかるような言い方をしていたのは嘘をついていたからだったのか。

頭が真っ白になり、手が震えてくる。発作だ。

錠剤を口に入れ一気に水を流し込む。

嘘つき。処女って言ったじゃないか。

いつもいつも女という生き物はどうして俺を騙そうってんだ。

寄りにもよってなんでSM…

世界ちゃん…この口枷をはめられて男とどんな過激なプレイをしたの?

俺へのあの目も、また来てね♪って笑顔も

全部、全部営業だったのか…。

ヒドイ…ヒドイよ…


やはり俺の人生はこうなんだ。

恵まれている人達の足元にも立てず、いつも貧乏くじを引く。

どうせ裏切られる人生。

どうしようもない積みゲー。

孤独でなんの生産性もない毎日。

それでもある日突然、全てひっくり返してくれるような子が現れるはずだと待ち望んでいた…。

そんな淡い期待も音を立てて崩れ去った。


…殺す。

どうせ自分のものにできないのなら

あの女をレ○プし、キズものにし、殺して俺も死ぬ。

正しい選択だろう?

俺の人生を滅茶苦茶にしたクソ女を地獄に突き落としてやるのさ。

写真の中で笑顔を浮かべる世界。

俺は悪くない!裏切り者には粛清を!

俺は被害者だ!悪いのは嘘をついたお前だ!

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

うわぁぁぁぁぁああああ!!


世界がツイートした写真を分析し、奇跡的に位置情報を特定。

さらにツイート内容から世界の住んでいるマンションを見つけた。

ここだ!包丁をバッグに入れ急いで家を出る。


今までありがとう。そしてさようなら。

母さん、生まれてきてごめんな。

いや、俺だってこの世界に産み落とされた被害者だ。

どいつもこいつも大嫌いだ。

俺よりオマエらの方が死んだ方がマシだ。

だから、殺すんだ。

今日でこの世界に何が正義かを分からせてやるのさ。


写真から分析した結果通りであれば

301号室が世界の住む部屋だ。

扉の真ん前に立った。インターホンを押し、

世界が扉を開けたその瞬間部屋に押し入るつもりだ。

だが物音がしない。外出しているのか?

ダメ元で扉を開けてみると…なんと鍵がかかっていなかった。

一瞬ビックリして扉を閉めそうになったが、

やると決めたからにはやらなくては。

ゆっくり静かに開け、忍び足で中に入る。


「えっ!!!!!」

目が合った。

「ええええ!!?!?」

世界の声と、もう一人聞き覚えのある声。

口枷を付け、乳首に洗濯バサミを挟まれ

全裸のまま亀甲縛りで宙吊りにされているモモちゃんと

モモちゃんの顔にハイヒールを履いた片足を乗せ、

片手に鞭を持つ世界の姿だった。

あまりの衝撃に脳がうまく処理できない。


「あっちょっこのっ…これは……それよりどうしてここにいるの!?」

「アッ……いや、その…し、親戚が同じマンションに住んでて

部屋間違えた…お楽しみのところすまない…」

「と、とりあえず中に入ってドア閉めて…」

言われるがままに部屋に上がる。


「『男の人との』経験はない」

…世界は男との経験がないだけで女との経験があったのだ。

なんならまさかの「攻める側」だった。

純真無垢でちょっと天然なところのある…と思っていた世界ちゃんと

無数の傷と痣のついたモモちゃんの肌。

ギャップがありすぎて脳が混乱する。


「知られてしまったからにはしょうがないわね…

モモちゃんとあたしは『主従関係』なの。

モモちゃんはあなたの知ってるモモちゃんじゃない。ペット以下の家畜よ。」

「ウウ……」宙吊りにされ俯きながら涙を流すモモちゃん。

その頬は赤く火照り恍惚の表情を浮かべている。


「ずっと男の人も飼ってみたいなぁと思ってたのよねw

あなたのこと、実はずっとカワイイなと思ってたの。

強がってて偉そうなことばかり。卑屈、他責思考で自分勝手。

何もしない癖に自己評価だけは高い。

……でも本当はヘタレで、弱虫で、泣き虫なんでしょう?w

あなたのそういうとこ、ずっと見抜いてた。

『救済されるべき者』そう判断したの。

どう?あなたがプライドを捨て、素直に手を差し伸べたなら、あなたは救済されるわ。

その代わり、今すぐあたしにひれ伏し、懺悔しなさい。いい?」

「ひ、ひれ伏す…?バカ言え。何を言ってるんだ。

お、お、俺はヘタレなんかじゃない!お前を守ってやりたいんだ。

世界ちゃん、俺と結婚しよう。お前が好きなんだ!幸せにするから!」


「なぁに言ってんの。あたしは神なのよ?全部お見通しよ♡

…本当は自分が無価値で、どうしようもなく劣っていて、

醜い存在だって気がついているのに、まぁだ見栄を張るの?w

全てさらけ出して楽になりなさい♡

さぁ、世界様、とお呼び!」


ズボンを下ろされ、全裸にさせられる俺。

四つん這いにされ、お尻を思い切り蹴られる。

「痛いいいぃぃ!!やめろ!!助けて!!」

「ほら、はやくはやく♡」

続けて背中に蹴りを入れられる。

「あぁ!!!」上に乗られ、首を絞められる。

「たす……けて……」

「お前はペット2号だよ。1号と一緒に可愛がってあげる♡」

あれ…?なぜ…こんな扱いを受けているのに

今までにないくらい激しく勃○しているんだが…?


「ダメな子ね♡」

…ダメな子……。

必死に強がっている偽りの俺ではなく、

どうしようもなく弱くて、臆病で、

本当は誰よりも繊細で男らしくない俺を嘲笑うかのような含み笑い。

…キモチイイ…。どうして…

ダメな自分を見られ、罵倒されているのに、

<本当の自分>に触れられている気がして、

それがどうしようもなく心地よいのだ…。


「は、は、はい……世界様ぁ♡♡」

お○ん○んを振って犬のように悦ぶ。

「そうそう、いい子いい子♡

さぁ、懺悔してごらんなさい。」

世界ちゃんの美しい手が今にも握り潰しそうな力で僕の玉を掴む。

「ごめん……な……しゃい……素直になれなくて、ごめんなしゃい……

僕、本当は女の子から好かれたことなくて…

自分に自信なんてない…自分なんて大嫌い…

…世界ちゃんは僕なんかと釣り合わないくらい

とても美しくて、優しくて、聡明で、面白い…

ず、ずっと不安で…だから僕は…うわあああぁぁ」


世界ちゃんはゴミを見るような目で僕を見つめ、

〝1号〟の隣りに並べて宙吊りにする。

乳首に洗濯バサミを挟まれ激痛が走る。

「うわああああぁぁ」

「もうあたしの前では自分を偽っちゃダメだよ♡

その情けない姿も哀れな声もなんでもさらけ出しなさい。」

「はいいいぃぃぃ♡世界様、もっとぼくを見下して下さい♡♡♡」

「男らしさ」というアイデンティティが崩壊し、自分を失っていく恐怖。

それでも、今目の前の絶対に敵わない美しい生物に永遠に見とれていたい。

生まれ変わるならきみに…憧れのきみになりたい。


お腹に書かれる「肉便器」「性奴隷」「性処理機」「世界様専用無料ディルド」

「マゾペット」「家畜」の文字。

モモちゃんは放置されている間もずっとアヘ顔でヨダレを垂らし続けている。

「1号!」「んんんん~~♡♡」

呻き声のような返事。日本語すらロクに喋れなくなっているようだ。

俺も世界様に虐められ続け、完全に性処理用生物になってしまうのかな…

気づくとア○ルに何かが入って行く感触。

ペニ○ンをつけた世界様が俺のア○ル処女を奪っていく…。


「あああああああぁぁぁぁあああああああぁ

ぁぁあああああああぁぁぁぁあああああああ

ぁぁぁぁぁ!!!♡♡」


~半年後~

「#拡散希望 行方不明者を探しています」

「アキバのコンカフェ・ぴゅあ・わーるどの

世界ちゃん、モモちゃん、男性客の3人が半年間行方不明」

「まだ見つかってないの?ヤバくね?」

「事件の匂いがする…」

「警察が捜査中なんだって」

色々な憶測が飛び交うネット。


スマホを片手に笑う世界様。

「世間はまだあたし達を探しているの?

人間達は暇ね。

マゾ奴隷達の世話で忙しいのに…1号、2号!ご飯よ。」

「「ハウゥゥゥ~~ン!///」」

ア○ルを開発され、完全に世界様専用性処理便器と化してしまった俺は

ついに日本語を話せなくなってしまった。

どうせ終わらせようと思っていた人生。

世界様の救済を受け、

新たに始まってしまった〈世界様の性奴隷〉という生き方。

こういう終わり方も悪くないのかもしれない。



~END~

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