徒然

@muiidsk

2023/06/07

私は異星人なんじゃないかと思う。

そう思うことがたまにある。

人は一人ひとり違って当たり前なので、自分が誰かと違うからといってそれはさして特別に思うことはないと思ってきた。でも、なんだか喜ぶように求められるものが、私には全然欲しくなくて、私の欲しいものは願っても与えられない。

昨年まで祖母と暮らした。

私の祖母は脳梗塞の祖父と暮らしていて、介護をしていた。それを苦にして、私が女子高生の頃、毎日毎晩、母にどんなに自分の人生がつらいかを電話越しに語った。私にはそれがつらかった。母が可哀想とかは、微塵もなかった。ただ、そうある祖母がかわいそうで、そのままにしておいて自分は生きていけないと思った。それで、共に暮らした。

これを話すと、「いい子だね」とか「偉いね」と褒められてしまう。そんなのは全然欲しくなかった。自分のためにしていた。ただ、褒められることに慣れるうち、そう言われないと不足感を覚えることがあった。気持ちが悪かった。

小さい子供の頃、私はとびきり小さい金属製のお弁当箱にとても小さなおにぎりを握って持たされていた。いつも残していた。母は悲しんだ。

今も、実家に帰ると食べるように言われる。祖母と暮らすときも言われる。

少し小さい子供の頃、「たくさん食べるには、気持ち悪くなるくらい食べることを三日繰り返して、それで胃を大きくする」と母に言われた。私は母を喜ばせたかったので、そうした。

今、やっぱり私は食べたくない。

ただ、食べることが正しいという価値観や、食べる習慣や、お腹は減ってないのに食べることを選択するコマンドは強く遺っていて、幸せや欲求とは切り離された食がただただある。

すべてのことは自分の選択の中にあり、それを選んだ自分の責任下に幸せがあると思う。

どんなに相手が浮気者の男でも、それを選んだのは誰か。誰かの面倒を見るために旅行をキャンセルしたのは誰か。自分の不幸の責任を人に押し付けないために、自分があらゆることを選択している自覚を持つことが大切だと思っているし、他人様にもそうであって欲しいと思っている節がある。

ただ、子供は違う。

判断力に乏しくて、その選択は自分でしているようで、愛されるために、つまりは養育されるための生存戦略として保護者のためにされる。

なので、親や教育者はそれだけの責任を持っているべきだし、子供であった全ての人に幼少期に与えた影響にだけは、いつまでも恨言を言われても甘んじて受け入れるしかないと思う。

今まで言ったことがないし、私の親は素晴らしいし、愛しているけど、その機嫌にコントロールされて制限された部分はあったと、今、初めて思う。


私はそんなに食べたくない。

私は人に親切にしたい。

私はスポーツをしたくない。

私は可愛い自分でありたい。


私がこれから、その在り方を遂行することを希望すれば、誰も反対しないと思う。

それがすごく虚しい。

今までこんなに気がつけなくて、今までこんなに意味不明な不快感があったのに、そして、私が遂行すれば、確実にみんなに気がつかれてしまうのに。

なんでもない、無意味そうな変化がなんのきっかけもなく人に起こることに、周りは無関心でいてくれるだろうか。

私は昔に関わった人が怖い。

過去の自分と今の自分は常に違っていて、過去の自分のことはどうしても憎い。過去の自分を愛することはできるけど、同一性を認めることはできない。

自分が同一視できない自分を良きにしろ悪いにしろ知っていて、自分をそう認識している人たちが怖い。だから私は、時々消えたくなって、そして時々本当に居なくなる。

SNSは突然やめる。遠くに引っ越す。誰も私を知らないところに居たい。誰にも気がつかれないように、誰にも知られないように。

誰かに会う時、一期一会なら、どう思われてもいい。相手が自分のことを覚えない人なら、とてもいい。

2回以上会う人や、自分をとてもよく見て、アセスメントする人は、息苦しい。

そんなことを思う時、世間一般の語りは遠い星の異星人の話に聞こえる。

私のツイッターや親しい人との語り合いで得られた知見など、おそらくほんの狭い範囲だけれど、どこかに同じ星の人はいるだろうか。もしや、みんながみんな、違う星にいるのだろうか。

実はみんな嘘を言ったり、風に乗って、動きを合わせているのかも知れない。実はみんなわかり合っていない。

そう思ったこともある。ただ、そう問うてみたところ、どうやら、私が思っているより、もっと軽やかに生きているらしい。

それなら私はやっぱり、どうやら、異星人なのだ。

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