送る手紙.....それから
手紙を書いた翌日、学校へ向かった。
靴箱を確認するが、手紙は入っていない。それもそうか、今まで一度手紙が確認されたら5日から7日ぐらい間隔があいていた。
前回の手紙が入っていたのは確か一昨日だったはず。てことはもしかしたら今入れても気づかないんじゃないのか?
.....でもいつ入れてるのかもわからない以上、どのタイミングでいれても関係ないかもしれんな。
とりあえず、返信の手紙をいれて放置することにしよう。
そのうち相手も入れるときに気づくかもしれんからな。
ま、あとは相手が気づくまでは待つスタンスで行こう。
そんなことを考えつつ、今日も今日とて学校生活に勤しむとしよう。
5月に入りある程度のコミュニティが形骸化されつつある.....が、俺は相変わらず一人を満喫している。
べ、別にもはや友達が欲しいとか話し相手が欲しいとかそんなことはもはや概念に入ってない。ホ、ホントダヨ?悔しがっているわけではないゾ、たまーに孤独感にさいなまれるけど.....そのうち慣れるだろ。
にしても、今日はいつにもまして騒がしいが.....なんかあったけ?
そう思っていると田村先生が入ってきた。
そろそろHRの時間か。
「......はい、皆さん。今日はようやく委員などを決めてもらいますよー。そのあとは皆さん待ちに待った席替えを行います!」
「まっっってました!先生」
「私も楽しみ!!」
.....なんだ、席替えか。
そりゃクラスが騒ぐわけだ。
誰の近くがいいとかどの席がいいとか騒いでるけど.....ぶっちゃけどこでもいいや。
どこでもなにかが大きく変わるわけでもないし、今の俺にとってはもはやどうでもいいイベントになってしまっているな.....。
「はいはい。席替えが楽しみなのはわかりますが、さきに委員のほうを決めますよ!皆さん、今までの説明の通り一年から数名は委員会に所属してもらいますからねー」
そういうと田村先生は黒板にどんどん記入していく。
どうやら委員会は以下の通りになっているようだ。
学級委員(2名)風紀委員(1名)図書委員(1名)生物委員(1名)環境委員(1名)放送委員(1名)保健委員(1名)応援委員(2名)学祭実行委員(1名)選挙管理委員(1名)
と、まぁこんな感じになっていた。
そこそこの数はあるけど、12,3人ぐらいでいいみたいだな。.....つか、俺放課後バイトしてるわけだし別にやる必要ないわな。
「あ、一つ言うの忘れてたわ。このクラスにもアルバイトや家庭の都合で放課後時間がない人もいるから出れる人限定になっちゃうからそこは把握してほしいの。もちろん委員会に所属してくれる学生には成績の加点はついてくるから安心してねー」
なるほど、そういった感じで差別化を図っているわけか。そりゃあやる気のある人にとってはいい影響になるんだな。
ま、俺にとっちゃ関係ないことが分かったことだし.....寝るか。
「......斉藤君。斉藤君」
「.....んあ。.....あぁ藤田さん。もしかして終わった?」
「うん、委員決めは終わったよ。これから席替えの時間」
「そっか、わかった。ありがとう」
「いいよ。.....委員会は入るつもりなかったんだ。すっかり寝ちゃってたけど」
「あぁ、バイトしてるからね。やれないんだ」
「そうだったんだ、何のバイト?」
「ん.....。秘密で」
「そ」
.....なんか久しぶりに会話した気がする......学校で話す機会なんて発表の時か田村先生と話すときか隣の席である藤田さんと会話する以外ないわな。
あとは、誰かしらすれ違ったときに挨拶するぐらい.....か。
そういや委員決めはどうなったんだろ.....。
黒板を確認すると
学級委員:
風紀委員:
図書委員:
生物委員:
環境委員:
放送委員:
保健委員:
応援委員:
学祭実行委員:
選挙管理委員:
となっていた。.....基本知らんのやけれども。
「藤田さんも委員会やるんだ」
「まぁね。本読めるし」
「あぁ.....なんか想像ついたわ」
うん、いつも読書しているところを目にする藤田さんのことを考えてみるとなってもおかしくないわな。
ま、俺が直接かかわる機会なんてないに等しいわけだし.....本を借りるときにはお世話になることにしよう。
さて、席替えの時間か.....
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