マジでなんでなの?


『親愛なるあなたへ、


 突然の手紙に驚かれるかもしれませんが、どうかお許しください。私はあなたにとって特別な存在でありたいと思っています。


 あなたの周りにはたくさんの人々がいます。周囲の人やクラスメイト、そして私もその中の一人です。でも、私はあなたとは違う存在でありたいと思っています。私の存在はあなたの日常に静かに溶け込み、ただひとりの特別な人として存在することを願っています。


 言葉にはできない感情があります。それは心の奥深くに秘められたものであり、言葉にすることでその真の意味が失われてしまうこともあるでしょう。ですから、私はこの手紙を通じてあなたに伝えたいことがあります。


 あなたは強く、優しい心を持っています。周りの人々を思いやり、励まし、支えることができる存在です。でも、あなた自身にもっと自信を持ってほしいと思います。私はいつもあなたの隣にいて、あなたとともに過ごしたいと思っています。


 この手紙があなたの心に届くことを願っています。私のことを知らずとも、あなたがこの手紙を読んでくれたことで、私の想いが少しでも伝われば幸いです。


 あなたへの思いを込めて、■■■■■■より』




これ、やっぱりラブレターだよな。

ご丁寧に差出人は潰されているけど.....。



ただなぁ、宛先人すらないんだよ。これじゃあ誰にあてて書いているのかもわからないぞ?


「しかも俺別に学校で話す相手いないし.....これ入れるところ間違えてないか?」



だって、俺のことあってるところないだろ?1人孤独に高校生活過ごしてるんだし、そもそも放課後だってこうして働いてるんだから学校で話す機会のほうが少ない.....つか皆無だろ。


ただ、封を開けてしまってるんだよな.....。間違えて入れてしまったんだったら、この人にとって一世一代の告白になるのかもしれない恋文を勝手ながらに見てしまったことになるんだもんな。



「はぁ、つかなんでこのご時世に手紙なんだよ。SNSでいいだろ」


そもそも、恋文って時代遅れというかなんというか.....。ま、まぁこうしてドキドキしたと思えば確かにアリではあるけども.....そういうのって面倒なんじゃないのか?


「.....つか、まじでどうしようこれ」


誰が書いたかわからないからどうすればいいんかわからん.....。



一旦、なにもアクションを取らなければ気づくんじゃないかな?




ま、そうと決まればこの手紙は見なかったことにしよう。

うん、そうしよう。




そうして、俺は手紙のことを気にしつつも普通に過ごすこと5日が経過した。






が、








「.....また、なんかあるんだけど」





そう、また放課後靴箱を開くと一通の手紙が入っていた。




とりあえず、教習所へ向かうことにした。

だって、今日が最終試験日だし.....土曜は免許試験日なんだ!さっさと教習所行って勉強しねぇと。




そう思いながらも、手紙を鞄にぶち込み学校を後にするのであった。





「......」




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