なんだこれ?
「なんだこれ?」
月日は.....そんなに変わっていないが、4月も終わりが近づいてきた今日この頃。
あいも変わらず、アルバイトと教習に時間を費やしている。
アルバイトは覚えも早いからか店長に新しいことをいろいろ教わってコーナーの設営にも少しずつ手を付け始めたりしている。
もうそろそろ給料日だなぁ、初めて仕事してお金を手に入れてるけどこんなに楽しみなんだなと思っている俺がいる。
教習に関してもようやく学科教習も終わり、あとは技能教習を完遂させて試験を受ければ免許取得まで秒読みだろう。
意外と運転って楽しいもんだよな。親父が持っているバイクがマニュアルだから普通二輪で免許取る羽目になって起こしとか割と難しかったけど、慣れると風を肌に触れて疾走感に優越感を浸れるのもなかなかのものだ。
.....高校生活は.....うん、いつも通りだ。
授業を受け、1人昼休みを過ごし、放課後になる生活が続いていた。
........なんだけどなぁ。
今、SHRが終わり今日も今日とて授業が終わってアルバイトしに本屋へ行こうと学校の玄関口_つまりは下駄箱を開けると
「なんだこれ?」
靴の上に封筒があった。
白い封筒に赤い蝋栓?が貼られた手紙だった。
.....宛先もなければ差出人も書かれていない。
俺の靴箱に入っていたから俺宛なんかな?
一応、学校の靴箱にはそれぞれ名前もあるし.....多分俺宛だよな?
「......つか、何の手紙だ.....?って、やべ時間なくなるじゃんか」
バイトの時間もあるから手紙を鞄にしまって急いでバイト先まで走っていった。
「......」
バイト先の本屋までついて、仕事を進めていく。
いっても新刊を設置して、あとはレジで待機しているだけなんだけど。
時間的に帰宅する学生なんかが本屋によって来る。それ以外は.....まぁ暇だ。
「.....耕平君、僕はちょっと事務作業に入るからまたレジよろしくね」
「あ、店長。わかりました」
どうやら店長はまた事務作業に入るため事務所に向かっていった。そうするとこの空間には俺と居ればお客様だけとなる。
昼間とかは大学生の先輩や、主婦の方が入られている。もちろん自分が休みの時はまた別の人が入っているが基本自分が出勤している時間は大抵は一人、もしくは大学生の先輩がいるぐらいだ。
今日は一人だけどな。
暇な時間になると、余計にさっきあった手紙が気になってしまう。
鞄からさっきの手紙を出す。
「やっぱり、宛先もなければ差出人も書いてないんだよな?.....いやがらせか?.....でもいやがらせするにしてもそんな人間関係すらないんだけど」
.....じゃあラブレターか!?
ないないないない、そもそも交友するほどの人間関係すらないんだぜ。学校で話す奴なんてほとんどないわ。.....全くなかったわ。
一体、そんな俺に誰がどんな手紙を出してきたんだか.....。
そんなことを考えながら、結局気になってしまった俺は.....思い切って封を開けた。
「え.....っとなになに」
手紙にはこう書かれていた。
『親愛なるあなたへ、
突然の手紙に驚かれるかもしれませんが、どうかお許しください。私はあなたにとって特別な存在でありたいと思っています。
あなたの周りにはたくさんの人々がいます。周囲の人やクラスメイト、そして私もその中の一人です。でも、私はあなたとは違う存在でありたいと思っています。私の存在はあなたの日常に静かに溶け込み、ただひとりの特別な人として存在することを願っています。
言葉にはできない感情があります。それは心の奥深くに秘められたものであり、言葉にすることでその真の意味が失われてしまうこともあるでしょう。ですから、私はこの手紙を通じてあなたに伝えたいことがあります。
あなたは強く、優しい心を持っています。周りの人々を思いやり、励まし、支えることができる存在です。でも、あなた自身にもっと自信を持ってほしいと思います。私はいつもあなたの隣にいて、あなたとともに過ごしたいと思っています。
この手紙があなたの心に届くことを願っています。私のことを知らずとも、あなたがこの手紙を読んでくれたことで、私の想いが少しでも伝われば幸いです。
あなたへの思いを込めて、■■■■■■より』
.....これってラブレターだよな.....
「はぁ!?なんで!??」
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