入学式......の出来事 その1



 入学して一週間がたった。


 .....経ってしまった。経ってしまったのだ。



「......あぁ!.........あーあぁ.....また独りだ.....」



 ほんと嫌になるな、俺の性根は。

 そう考えながら自室でベットにうずくまる、俺。


 こんな感じになってしまったのは、入学式が終えて2,3日経過したころからだった。









 入学式のため、俺を含む新入生一同は体育館へ向かう。

 確か一クラス当たり30人程度でそれが8クラスある。普通科の1~6クラスと進学科の7,8クラスという構成だって、入学資料に記載されていた。


 つまり、一学年総勢240人程度という大人数がこの体育館へ整列される。

 さすが蒼雲といったところだろうか、その広大さに見合う規模の学生が一同整列される。


 皆、期待と緊張が見られる感じが目に映る。かくいう、俺もそうだ。期待と同時に緊張が入り混じった感覚が心を埋め尽くす。

 新しい舞台_ステージに対して興奮と不安が交錯し、これから始まる新しい.....未知なる世界に対して何とも言えない緊張感がほとばしる。

 それと同時に周囲を見渡し、俺自身の胸に、心に手をかざす。ここにいる同級生たちとどのような物語が生まれるのか、どんな出会いが待っているのかという希望が湧きたつ。





 そして、校長の超々長尺な演説.....もといありがたーいお話を傾聴する。

 どうして、学長の入学祝とかってこんなに時間が長く感じるんだろう.....しかもこの後に来賓あいさつとか市長あいさつとかがあるんだぜ?どうしてなんだろうね.....。このパイプ椅子に座っているのも苦痛に感じてしまうんだろうか、まだ体育座りで聞いていた小学生のころのほうが耐えていた気がする.....あれ、どうだったかなぁ。




「..........蒼雲高校の由来は青く澄み渡る空のように、無限に広がる大空という意味があります。新入生の皆さんはその大空にはばたくひな鳥です。皆さんはこの学校で新たな出会いとその友人と書き加えられる物語にさらなる彩りを与え、より大きく成長して成鳥し、その先にある未来をよりよくするアクセントにしてくださるとなによりです。長くなりましたがこれを私からの激励の言葉として挨拶を終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました」




 みんな長い話に別のことを考えていたり上の空となっていたが、その最後の一言に皆心を打たれ、一同拍手を送る。


 .....普通はしないのが定例だと思うけど、おもわず拍手せざるを得ない。

 そんな素晴らしい激励の言葉を受け、俺もこの高校生活により一層の期待と希望を胸に抱いてしまった。




 そうして、来賓あいさつと市長挨拶を終えて入学式という大きな儀式が終わりを迎えた。




 俺たち新入生一同は各々指定されたクラスへと向かっていった。

 さて、俺の新しい出会いはどんな感じなんだろうかちょっと.....いやかなり楽しみだな。






 俺も一同の波に流され教室へ行くのであった。

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