終戦
戦争が終結したと同時に、国中には勇者への非難が巻き起こった。
しかし、勇者はその非難の声をただ静かに受け入れた。何も言い返すことなく、自らに「人間に一切の傷を負わせることができない」という呪いをかけ、どんなに激しい戦いに巻き込まれようと、二度と人を傷つけない存在となることを誓った。女王の手回しとそのこともあり、徐々に彼への非難も和らいでいった。時と共に、人々の記憶からも薄れ、やがて風化していった。
勇者は、いつか憧れた一人の騎士――人間を深く愛し、誠実に生き抜いたその人物を自分に移した。
その日から約500年、勇者は人間たちを守り続ける日々を送った。街が発展し、世代が変わり、歴史が重ねられても、彼は常に変わらぬ姿でそこにいた。
無数の戦いと試練を越え、人々の信頼を得ながらも、彼の心の中には終わりの見えない孤独が潜んでいた。永遠に続く守護者としての使命は、果てしなく続くように思えた。
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