楽園編
楽園?
「マスター、貴方の望んだ楽園はすぐそこにあるのです。どうか見ていて下さい、空の上の楽園から」
後ろを振り返るとそこには、自分と同じ姿形をした25体のクローンがいる。
「ユニバースを始めます。マスター」
★
数日後。
私達は食料の生産に勤しむ事にした。
まず畑を作る、と言うよりかは元々作られていた。
ただ手入れをしてなかったので、手入れをして作物が育つ環境に持って行くと言う事。
「でも、何を作ろう」
「まずは、ここで育ててた小麦はどうかな」
横にいるノアがそう言う。確かに小麦なら育てやすい。
「僕が魔法で畑を耕そうか?魔法を使えば早く終わると思うんだけど」
「あ、そうだね。アリューお願いしてもいい?」
「うん、分かったよ。少し待っててね」
アリューはそう言うと、畑の近くに手を向ける。
アリューは魔法で一瞬で土を耕し、均し、種をまき、水をやった。
「ついでに成長させとこうか」
アリューがそんなことを言った瞬間、小麦の芽が大きくなっていく。
「ねえ、シータ。これ食料の心配する必要あったの?」
「……ないみたい」
「いや~いい仕事したね~気分が良いよ。じゃあ、次は何やる?」
「そうしたら家畜もほしい」
「でも、どうするの?どこからか買ってくるの?」
そんな話をしている時、目の先に人影が見えた。
「アリュー、あれ誰?」
「分からない、僕の感知に引っかかってない」
「なら、敵?」
「どうかな敵意は感じられないけど」
(ここまで来てもマナを感知できない……人間なのかな?この子)
そんな会話をしていると、こちらに気付き歩いてくる。
「私の名はユニバース24、これから楽園が行われます」
「楽、園?」
頭に?が浮かぶ。楽園、いったい何を言っているんだ。
「個体名シータ=スコール。希少な光魔法を行使する者」
どうして私を知っているんだ?使う魔法の事も。
「貴方は少数の犠牲で大多数が幸せになる。その事をどう思いますか」
「その前にお前は何だ?人間か?なにしに来た?」
「・・・はぁ質問に質問で返すな低能。まず私の質問に答える次にお前が質問するこれで平等だ」
何なんだこいつ。分からない本当に。
「誰が犠牲になるかだ?それが私の周りなら、私はその犠牲を受け入れない」
……昔のように。
「なるほど、では貴方の質問も答えましょう。私はホムンクルス。系統名ユニバースの24番目の個体です。個体の識別名はユニバース24」
ホムンクルス?いやそんな事はどうでもいい。
「お前は一体何のためにここに来た。その質問を答えろ」
「ええ、そうですね。ですがそれを答えるには貴方に酷かもしれません」
「……何をもったいぶってる」
苛立ちが募る。早く答えろ、そんな感情が頭を支配する。
「私は早く来てしまったみたいで。もうすぐ正午になります。二分程度で」
「少しお待ちを」
こいつは何がしたい?最悪を防ぐためには?一刻も速くこいつを殺す。
「【線天:黒】」
(黒い光、0の情報には無かった)
ユニバースは手を前に出し結界魔法を使い防いでいる。
「はぁ、二分も待てねえのかよ」
「質問に答えたら。待ってやる」
「はぁ、分かりました。」
ユニバースは諦めたように、話し始めた。
「私の目的は楽園のスムーズな進行。その為に光の魔法を使う者を始末します」
すぐさま戦闘態勢に入る。私もアリューもシータも。
「ああそう言えば私二分って言いましたっけ。あれ一分の間違いです」
「だからどうしたのかなこの子を傷つけるなら容赦はしないよ」
「いえ、もう遅いですよ。間抜け」
そうユニバースはが言った途端。世界が変わった。
(体が動かない?、どうなってるのこれ)
(何が起こって。何をされたんだ?)
この場に居る私とユニバース以外まるで時が止まっているように動かない。
「いやあ、あの精霊は厄介ですし、神聖な精霊を殺さずにすんでほっとしてます」
「何をした。言え」
「皆さんを楽園に招待しただけです。ですが楽園に貴方は要らない」
「さあ、死んでください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます