楽園編

楽園?

「マスター、貴方の望んだ楽園はすぐそこにあるのです。どうか見ていて下さい、空の上の楽園から」

後ろを振り返るとそこには、自分と同じ姿形をした25体のクローンがいる。

「ユニバースを始めます。マスター」



数日後。

私達は食料の生産に勤しむ事にした。

まず畑を作る、と言うよりかは元々作られていた。

ただ手入れをしてなかったので、手入れをして作物が育つ環境に持って行くと言う事。

「でも、何を作ろう」

「まずは、ここで育ててた小麦はどうかな」

横にいるノアがそう言う。確かに小麦なら育てやすい。


「僕が魔法で畑を耕そうか?魔法を使えば早く終わると思うんだけど」

「あ、そうだね。アリューお願いしてもいい?」

「うん、分かったよ。少し待っててね」

アリューはそう言うと、畑の近くに手を向ける。

アリューは魔法で一瞬で土を耕し、均し、種をまき、水をやった。

「ついでに成長させとこうか」

アリューがそんなことを言った瞬間、小麦の芽が大きくなっていく。

「ねえ、シータ。これ食料の心配する必要あったの?」

「……ないみたい」


「いや~いい仕事したね~気分が良いよ。じゃあ、次は何やる?」

「そうしたら家畜もほしい」

「でも、どうするの?どこからか買ってくるの?」



そんな話をしている時、目の先に人影が見えた。

「アリュー、あれ誰?」

「分からない、僕の感知に引っかかってない」

「なら、敵?」

「どうかな敵意は感じられないけど」


(ここまで来てもマナを感知できない……人間なのかな?この子)

そんな会話をしていると、こちらに気付き歩いてくる。

「私の名はユニバース24、これから楽園が行われます」

「楽、園?」


頭に?が浮かぶ。楽園、いったい何を言っているんだ。

「個体名シータ=スコール。希少な光魔法を行使する者」

どうして私を知っているんだ?使う魔法の事も。

「貴方は少数の犠牲で大多数が幸せになる。その事をどう思いますか」

「その前にお前は何だ?人間か?なにしに来た?」

「・・・はぁ質問に質問で返すな低能。まず私の質問に答える次にお前が質問するこれで平等だ」

何なんだこいつ。分からない本当に。

「誰が犠牲になるかだ?それが私の周りなら、私はその犠牲を受け入れない」

……昔のように。


「なるほど、では貴方の質問も答えましょう。私はホムンクルス。系統名ユニバースの24番目の個体です。個体の識別名はユニバース24」

ホムンクルス?いやそんな事はどうでもいい。

「お前は一体何のためにここに来た。その質問を答えろ」

「ええ、そうですね。ですがそれを答えるには貴方に酷かもしれません」

「……何をもったいぶってる」


苛立ちが募る。早く答えろ、そんな感情が頭を支配する。

「私は早く来てしまったみたいで。もうすぐ正午になります。二分程度で」

「少しお待ちを」

こいつは何がしたい?最悪を防ぐためには?一刻も速くこいつを殺す。

「【線天:黒】」

(黒い光、0の情報には無かった)

ユニバースは手を前に出し結界魔法を使い防いでいる。


「はぁ、二分も待てねえのかよ」

「質問に答えたら。待ってやる」

「はぁ、分かりました。」

ユニバースは諦めたように、話し始めた。


「私の目的は楽園のスムーズな進行。その為に光の魔法を使う者を始末します」

すぐさま戦闘態勢に入る。私もアリューもシータも。

「ああそう言えば私二分って言いましたっけ。あれ一分の間違いです」

「だからどうしたのかなこの子を傷つけるなら容赦はしないよ」

「いえ、もう遅いですよ。間抜け」




「THE UN思考だけがIVERSE」存在する世界




そうユニバースはが言った途端。世界が変わった。

(体が動かない?、どうなってるのこれ)

(何が起こって。何をされたんだ?)

この場に居る私とユニバース以外まるで時が止まっているように動かない。

「いやあ、あの精霊は厄介ですし、神聖な精霊を殺さずにすんでほっとしてます」

「何をした。言え」


「皆さんを楽園に招待しただけです。ですが楽園に貴方は要らない」

「さあ、死んでください。楽園を乱す者エデンイーター






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