フェンリル対半フェンリル:2
そう答えると、いきなり蹴りを入れてきた。蹴りを躱し後ろに下がる。
「
そうゆうとデルの周りの空間が歪みそこから短剣を取り出す。
「いくぞ!」
そういうと同時にデルは私に襲い掛かってきた。
取り出した短剣を使い攻撃してくる。
突き刺し、振り下ろし、斬り上げ、様々な攻撃を繰り出してくる。
だが問題ない全て捌きれている。こちらも反撃と行こう。
「【光鞭】」
魔法を放つ、それは幾つもの光の鞭を出現させデルを襲う。
広範囲、なおかつしなり動きの予測がしにくい。
普通の奴ならこれで終わりだ。
しかし、目の前の女は普通ではなかったようだ。
全ての光鞭を避け、切り刻み、叩き落す。
おかしいただの武器が光の魔法に干渉できるはずがない。
と言う事は魔術か。厄介だな。
「気づいたかよ、これは私の魔術【閣屋】この中にある武器を自由に取り出せるものだ」
そう言い終わると持っていた短剣を投げつけてくる。
指に光を纏わせその短剣を叩き落そうとすると同時に短剣が目の前で消える。
すぐににデルの方を向くするとデルはリボルバーを構えもう既に引き金を引いている。
不意を突かれ魔法を放つよりも先に体が反応し銃弾を手で受け止める。
「やるじゃねえか」
魔法で強化をしていなかったので思ったより痛みがある。
手を握り開くと血がべっとり付いている。
「【治癒】」
手から煙が上がり傷が癒える。
「便利な力だな。羨ましいぜ」
「……そろそろ終わらせてしまっていいか? 暇すぎる」
もうこの女の実力は大体分かった。準備も終わった。いつでもこの勝負を終わらせれる。
「……いいぜ、終わらしてみせろよ」
少し挑発してみるとデルはそれに簡単に乗ってきた。
リボルバーを一発と同時に距離を詰めてくる。
速い、一瞬にして懐に入られる。
上段の回し蹴りが飛んでくる。後ろに避けるがデルはそのまま足を入れ替え後ろ回し蹴りをする。
おまけに銃弾が飛んでくる。だが結局は当たっていない。
二つとも結界魔法によって防がれている。
「【天逆之矛矛】」
デルはすぐに体勢を立て直し獲物を短剣に変え、こちらに突っ込んでくる。
こちらに攻撃しながらデルは言葉を返してくる。
「どうした、終わらせるんじゃなかったのか。こっちはまだまだピンピンしてっぞ」
「お前こそ、さっさと本気をだせ。そうしたら終わらせてやるさ」
この言葉を聞いたデルは笑っていた。
「はっいいぜ、見せてやるよ」
「閣屋!使わせろ!」
そう言うとまた空間が歪み、そこから杖を取り出しこちらに向けてきた。
「
それは白い杖のようなものだった。美しく神秘的な。
デルが杖を突くと同時に白い鎧の魔物?が部屋全体に何体も召喚された。
「さあ、隠し玉だぜ。と言ってもここは狭いからな最大数は召喚できてないがな」
「なるほど、面白いな」
これ程の数の敵を相手するのは初めてだ。一体ずつの強さにもよるがまあ問題は無い。
白い鎧どもは持っている剣を突き刺そうとするが結局は結界魔法によって防がれる。
防がれても攻撃は続き白い鎧は私に群がる。
(ふむ、これがか。結局は結界を突破できない。まあでも強さは十分だろう)
そう確信した私はこの勝負を終わらせに動く。
「
この部屋に仕込んでいた私のマナが光を帯びる。
部屋全体が光るマナによって埋め尽くされる。
「なんだ、何が来やがる」
デルはこの状況でも笑みを崩さない。
光るマナとマナが線を結び光線となる。白い鎧どもは体にいくつもの穴をあけバタバタと倒れていく。
デルは光線に包まれそこから出る事はできない。光の形を変形させ檻の形にする。
「マジ、かよ」
その言葉を最後に光は消え去り、そこにはデルだけが残った。
「あー分かったよ、私の負けだ。お前の物になってやるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます