SideA 不透明に澄んだ心07

 イグルは悟っていた。"驚きの連続"という言葉があるが、あまりに驚くべきことが続くと人はそもそも驚かずに呆れ笑うのだと。そんな芽生えた真理を抱きながらふと視線を眼下に向ける。いや、もはや見下ろすといってもいいかもしれない。


 自身は今空を飛んでいると錯覚させる浮遊感。正確には落下しているのだが不思議と恐怖はない。"どうせ"自身を抱きかかえる女性なら何とかするのだろうという不思議な信頼感。


「あはは、ちょーっと飛びすぎちゃったかな」

「あんたもうほんとでたらめだな」

「そう? 私以外にも崖は登るんじゃなく駆け上がるものだって思ってる連中はいるわよ? なんなら空を飛べる獣人族ビーズレイスだっているわけだし」

「あんたも含めそいつらはもっと常識ってやつを学んだ方がいいんじゃないか?」

「むぅ……」


 燃え滾る炎のような紅の瞳。腕や足に血管のように奔る紅の紋章。レイアとヴァイアスと別れてすぐ……というよりも二人の目の前で"ブラッディ"と呟いたのちシーアは今の姿へと変化した。


 その変貌に驚いて固まるイグルをひょいっと抱え、これまた自身の突然の荷物のような扱いに異議を述べようと驚くイグルを遮る形でシーアは猛スピードで駆けていった。


 そして崖の麓まで来ると真上に大きく飛翔。一度の跳躍で5、6メートルはあろう異常な跳躍力で器用に崖の突き出た岩を足場にひょいひょいと駆け上がっていった。そして最後の大跳躍でこともあろうかそれまで登った崖と同じほどに飛び上がり……落下しているのが現状だ。


「どこの世界に崖を足だけで登る……いや、もう飛んで上がってく奴がいるんだよ」


 ほんの十数秒程前の出来事にイグルは呆れながら悪態をつく。それに無言の笑みで応え、なおも落下する現状に動じることもなく、イグルから迫りくる地面へと視線を移す。


「まあ上るだけじゃなくて降りるのにも使うんだけどね」


 頭から落ちる態勢であったがシーアがぐんと足を振り上げ、さながら空へとかかと落としを繰り出すように勢いよく振り下ろす。その勢いでシーア、そしてイグルが車輪のようにぐるぐると回転する。


「うぅ……俺はもう驚かない。驚かない」

「よっこい……しょっ!」


 ズドンッという鈍い音がしたかと思うと自身を包んでいた浮遊感が消え、懐かしの重力を感じるイグル。ふと視線を下に向けると陥没した地面。


「あんたの体はどうなってんだよ」

「え? なになに? ここにきてお姉さんの体に興味がわいちゃった?」

「言い方!」


 喚くイグルを笑いながら地面に下ろし、シーアはすっと腰に下げた剣を抜く。それを見てイグルも抱えた不満を振り払うように小さく咳打つ。


「さて、どうやら人族ヒューマンレイスの相手はもう不要みたいね。手間が省けたわ」


 つたや苔に覆われた石造りの遺跡。いや、かなりの経年劣化により廃墟と言ってしまってもよいかもしれない。その古びてところどころひび割れた石床にこれまたところどころに倒れる人影。


 道中に転がっていた巡回騎兵クルーラーとは違い旅慣れした傭兵のようで、この遺跡にて数日を過ごしていたのか焚火や野営の跡がいたるところに見受けられる。それを見たシーアの表情がどこか怪訝なものに変わる。


「こいつら……全員やられたのか?」

「さあ、寝てるだけじゃないの? それよりも、あっちの眠り姫の心配をしたほうがいいんじゃない?」

「え?」


 シーアが指さす先、屋根や壁のいたるところが崩れ中がむき出しとなる小さな神殿。その中央に残る小さなステージのような壇上で横たわる少女。


「アノ!」


 イグルは自身の声に応えることもなく眠り続けるアノのもとへと走り出す。シーアはそれをみて刹那眉をひそめたがすぐさまイグルの後を追う。


「アノ! 生きてるか!? おいっ!」


 アノの体を抱き起こし、揺さぶりながら大声で何度も少女の声を叫ぶイグル。少年の腕の中でぐったりとしているアノを見てシーアはイグルに黙るよう制止する。


「静かに……イグル」

「あ、ご、ごめん。そうだよな……まだこの近くに得体のしれない化け物がいるかもしれないっていうのに取り乱して……」

「ああいや、そうじゃなくて。たぶんアノ、寝てるだけだから起こしちゃかわいそうかなって」

「は?」


 シーアの指摘にすぐさまアノの口元に耳を近づけるイグル。聞こえるのは穏やかな吐息。よく見ると口もとからはすっとよだれが垂れている。


「えへへー、お肉おいしいね……イグ……ル……」


 ようやく聞こえたアノの寝言に思わずガクッと肩を下すイグル。それまで背負っていた覚悟や緊張感が一気に抜けていくのを感じさせるほどに表情が穏やかになっていく。


「ったく……何が肉だよ」

「あはは、そういえばこの辺の郷土料理に"ランブル"のシチューがあったっけか」

「ああ、俺の村にも食えるところはある。無事帰ったら案内ぐらいしてやるよ。アノもせっかくだし……案内してやるか」

「その約束、忘れないでよイグル。その代わり私も……約束を果たすから」


キンッ! キンッ!


 甲高い金属音が響き、イグルは慌てて音の鳴った方に目を向ける。


 シーアは抜き放った剣を手に、神殿の外、日の差す広場へと目を向ける。何かをはじいた様なのだがイグルにはそれが何かわからない。


「イグル、アノを連れて神殿の奥の方に行ける? がれきが散乱してて少し狭いだろうけどあなたたちなら余裕でしょ」

「あ、ああ。でもたぶん崩れてて行き止まりだぞこの先。そんなところに逃げたら袋の鼠じゃ?」

「あはは、別に逃げるわけじゃない。"守りやすい"でしょ? 入口が一つしかないならそこをとおせんぼすればいいんだから。まして……相手が見えないとしてもね」


 シーアが見つめる先。日にさらされた広場に視線を向け、イグルは思わずその光景にごくりと喉を鳴らした。


 何もない空間。視線の先には倒れた人々や風化して崩れた遺跡の壁や柱。そこに突如現れる奇妙な赤い欠片。けばけばしい赤は森に生えた毒キノコのようで身の危険を彷彿とさせる。


 空中に突如現れた赤い欠片は徐々に空間に広がっていく。それと同時に生物であることをうかがわせる鼓動による微動。水かきのようなどっしりした足を大地に。人の胴ほどはあろうかという長く伸びたしっぽ。


「な、なんだよあれ!? ら、"ランブル"!?」

「奥へ行きなさい! イグル!」


 シーアの警告に依然頭は考えがおぼつかないが、反射的に体は動き出していた。

アノを抱き上げ、ふらふらとした足取りで神殿の奥へと歩き出すイグル。敵に背を向けるのも気にせず、ただ手にした少女の温もりをしっかりと感じ、一歩一歩足を動かして進む。


 その背を敵に見せぬように剣を構えたシーアが立ちふさがる。シーアはすっと視線を自身の目の前の床、そこに転がる赤い欠片に向ける。


「これは……鱗? これを飛ばしてきたってわけか。転がってる連中を見るに、これにも毒があるってことかな」


キンッ! キンッ!


 再度剣を振り、飛んできた鱗をはじき落とす。シュルシュルと口と思しき場所から空中に伸びる長い紫の舌。それは眼前の敵シーアへの威嚇行動であろう。


 全長5、6メートルはあろう大きなワニのような体。その尾に伸びる体ほどの長さの太い尻尾と先端の鋭い棘。そして、それらを真っ赤な鱗で覆ったその姿は

見るものに嫌悪感を与える巨大なトカゲ……のはずなのだが。


「……こいつも"ランブル"みたいに食べれるのかな。ああでも"ランブル"と違って鱗にも毒があるみたいだし。見た目も"ランブル"のグリーンと違って食欲をそそらないしなぁ」


 ぽつりと漏れるシーアの疑問と食卓の料理を眺めるような視線に気づいたのか、トカゲの化け物はその巨体をぶるぶると鳴らし、どすんっと足を地面に打ち付けシーアへと体を向ける。


「いや、でも鱗と尻尾さえ剥がせば以外に食べれ……」

「あなたの味覚どうなってますの? 普通の"ランブル"ですら口に入れるのはご遠慮したいというのに……」


 呆れ声が空から大粒の雨、否、水滴とともに舞い降りる。シーアは目元を手で覆い、その水滴の中から降りてくる大きな塊と2つの人影を見上げる。


 大きな塊の正体は板状の大きな岩。それは奇しくもトカゲの化け物目掛け落ちていくが敵はその巨体からは想像できない俊敏さで危機を回避する。


「え、なにそのかっこいい登場? どうやったのよレイア」


 優雅な着地をしたレイアは横で着地と同時にバランスを崩しかけたヴァイアスを腕で支える。


「簡単ですわ。ヴィア姉さまの"アクアスパイラル"の水流に合わせ私の"アースプロテクト"で作った岩板を出して乗れば……あの程度の崖なんてひとっ飛びですわ!」

「ちゃ、着地のことを忘れてて焦りましたが……」


 びしっと決めポーズで言い放つレイアと締まらない様子で答えるヴァイアス。その極端に対照的な様子に思わずシーアは失笑を漏らす。


「かっこいいんだかかっこ悪いんだか。まあでもこれで三対一。今回は楽をできそう……んん?」


 なおも降り注ぐ大粒の水滴。それは自身たちだけでなく眼前のトカゲの化け物にも降り注いでいる。そして創られた雨は危機的状況をも創り出す。


「また透明に……水が嫌いなのか? いや……もしかして濡れると透明に」


 そこまで言ってシーアは目を細め、すっと視線を横に立つどこか気まずそうな二人に向ける。


「もしかして濡れると透明になるのかなぁ?」


 再度同じ台詞を実に歯切れよく繰り返すシーア。それを聞きびくりと体を震わせるレイアとヴァイアス。


 しばらくの沈黙……。


「ふ……敵の隠れた特性を戦いの序盤で把握するのも重要でしてよ!」

「で……でしてよ!」


 しばらくの沈黙……。


「さっきの訂正ね。あの登場、かっこよくないから二度としないほうがよくてよお二方?」

「そ、早急にヴィア姉さまと検討しますわ」

「いらないでしょう、レイアちゃん……だから私は反対したのに……危ないから」


 戦犯、イコール、レイア。そのカミングアウトにレイアはとっさに指を立てヴァイアスの口をふさぐ。ヴァイアスも思わずはっと思わず口を紡ぎ、レイアを見てこくこくと頷く。シーアは……すっと微笑みを浮かべる。


「あとで食事奢りね、レイア」

「あ、あなた馬鹿みたいに食べるし嫌ですわ!」

「ば、馬鹿って言ったこの王族! この状況で人のこと馬鹿って言った!」

「実際馬鹿でしょうあなた! そもそも見てましたわよ。なんですのあの崖の上り方! ”ドラグス”さんでもあんな登り方しませんわよ!」


 大声でいがみ合う二人。それを宥めようとヴァイアスが近づくが二人に同時ににらみつけられすすっと後ずさる。


「あ、あの。まだ戦闘中ですからねお二人さん……」

「どうせ見えないんだし警戒なんて無駄! この馬鹿王女のせいでね!」

「ば、っ馬鹿王女って言いました? 言いましたわね? お馬鹿のくせにっ!」


 何とかヴァイアスが勇気を出して振り絞った言葉も二人の怒声にかき消される。


「な、なあ? なんかレイア様やヴァイアス様の声が聞こえるんだけど、もう大丈夫なのか?」


 神殿の奥のほうから伺うように聞こえるイグルの声にヴァイアスだけがそっと視線を向ける。


「あー……今激戦中なのでもう少しお待ちいただけますか?」


 大きくため息をついたのち、ヴァイアスはなおも激戦を繰り広げる二人を見遣り、すっと手を空へと向け掲げる。


「"アクアスフィア"……」


 突如大きな水の球体が空に出来上がっていったかと思うとすぐ様その形を崩し滝のように流れ落ち、その真下で言い争っていたシーアとレイアの言い争いともども流していく。


「つ、冷たい!」

「ひどいですわ! ヴィア姉さま!」

「そろそろ頭を冷やして下さい。これじゃあいつまで経っても帰れませんよ」


 レイアはがくがくと体を震わせながらすっと手を上げ、小さな炎の球体を作り出す。それを見て「ずるい!」とシーアはレイアに身を寄せる。


「あなた自分でできるでしょう"フラムスフィア"ぐらい!」

「できないわよ! "普通の"は!」


 先ほどの対立が嘘のように身を寄せ合い暖をとる二人を見てやれやれと首を横に振るヴァイアス。


「お二人の仲がいいのはわかりましたけど……敵さんまで何もしてこないのは変ですね……」


 ヴァイアスは辺りを見回し、目を凝らす。自身の創った雨で辺りの地面は濡れているが、それでも依然として変わった様子はない。そう、目の前にいた大きなトカゲが移動した形跡はないのだ。


 その証拠にと言わんばかりに自分たちが来るまでに敵がいた場所からは風船が膨らんでは縮むような空気の抜ける音が定期的に聞こえる。


「何もせずにそこにいるのですね……敵意はないのでしょうか?」


 ヴァイアスの言葉にレイアとシーアもようやく落ち着いたのか疑問の目を向ける。


「圧倒的に優位な状況だったにもかかわらず何も手を出して来ないなんて、"ランブル"同様に憶病なのかしら?」

「あるいは……別に何か理由が……?」


 二人が思考を巡らせているうちに何やらずしんずしんと重々しい足音が響く。それが姿のない化け物のものだということは明らか。目の前のぬかるんだ泥に大きな足音が出来上がっていく。


「足跡が森の方……いえ、湖の方へ?」


 言葉の主であるヴァイアスやシーアたちとは真逆のほうへと続く足跡。それまでどこか張りつめていた空気は消え、ずしんずしんと足跡は遺跡の外、森へと続いていく。


「ねえ、ヴァイアス?」


 シーアは森へと去っていく敵の"見えない背"を見つめたまますっと手にしていた剣を鞘に納める。


「今回の水源の毒の騒動だけど……毒の種類は睡眠毒と聞いている。それは睡淵アビスビズなの?」


 シーアの唐突な問いと睨むような視線にヴァイアスは思わず口を閉ざし押し黙る。そしてすぐさま救いを求めレイアの方に目を向けるが……その先でレイアは頭を抱え困った表情を浮かべる。


「それじゃあ答えたも同然ですわよヴィア姉さま」

「……睡淵アビスビズ"じゃない"んだな? 今回の毒騒動の毒は」


 どこか苛立ったようなシーアの様子にヴァイアスは地下道での件を思い出したのか、思わず恐怖で背筋をピンと伸ばし冷や汗を浮かべる。


「私がいる段階であなたも察していたんじゃなくて? こういった公にしたくない件では私が都合がいいのはあなたもご存じでしょうし」

「そうだな……そして精霊族スピレイスのあなたが調査しているということは今回の件は……くそっ、まさかあの腹黒が……!」


 苛立ちのあまり吐き捨てるように怒りをぶつけるシーア。それを見たレイアがそっとシーアに歩み寄る。


「あなたのせいではありませんわ。それに……人族ヒューマンレイスのせいとも思っていませんわ。そう……未知の化け物、希源種オリジンワンの仕業……それが真実。そうした方が都合はよいでしょう?」

「馬鹿言わないで。少なくともあなたはわかっていたんでしょう? 今回の毒を撒いたのはここで倒れてる連中……金で雇われた薄汚い人族ヒューマンレイスたちだって」

「……さあ、私にはわかりませんし興味もありませんわ。人族ヒューマンレイスのやることなんて」


 シーアは悲壮な表情でレイアを、そしてその背後で同様に悲しみを浮かべるヴァイアスを見てわなわなと怒りで身を震わせる。


 あまりにもいたたまれなくなったのか、ヴァイアスはレイア同様にシーアへと歩み寄る。それを制止しようとレイアが手を伸ばすもそれを優しく振り払い、こくんと小さく頷く。


「シーアさん……精霊族スピレイス人族ヒューマンレイスは"不干渉"です。これからも表立って交わることは無いでしょう。まして、"争い"なんてもっての外です」


 うつ向いたままなおもこぶしを握り締めるシーアを諭すように話すヴァイアスの口調は優しく、その姿はどこか高潔な修道女のような気品と慈愛に満ちている。


「あなたたちの国セントガルドから離れた精霊国の王都ではいま、この"不干渉"が"対立"に変わろうとしています。ご存じかもしれませんが、我が国の強硬派……私の姉さまや他の兄弟たちが人族ヒューマンレイスを我が国から排除する動きを見せています。お恥ずかしながら、あの人たちは天魔族ダークレイスに似てどうも精霊族スピレイス人族ヒューマンレイスよりも優れた種族だと勘違いなされているようで」


 ヴァイアスは少し困った笑みを浮かべながらなおも口を開く。


「それでも、人族ヒューマンレイスと最も交わりのある私たちカルレウムの民は"対立"など望んではいませんし、人族ヒューマンレイスを自分たちよりも劣った種族だなどと思ってはいません」

「私は……」


 押し黙っていたシーアが重たい口を開き、潤んだ瞳をヴァイアスに向ける。そのあまりにも痛まれない悲しみにヴァイアスは思わず目を瞑る。


「私は……人族ヒューマンレイスなんて嫌いだ。あいつらが私を嫌うように、私だってあいつらが嫌いだ。まして、他種族に危害を加えるなんて真似、許せない」

「でも……人族ヒューマンレイス全てがそうではないのでしょう?」


 ヴァイアスの言葉にシーアは何かを言おうとしたが言葉が詰まる。


「私には人族ヒューマンレイスだから嫌い、精霊族スピレイスだから好きといった区別はありません。それこそ、精霊族スピレイスでも嫌いな人はいますし……人族ヒューマンレイスでも……ねえ、シーアさん? あなたはどうですか?」


 ヴァイアスの問いに背を向けて沈黙を貫くシーア。どれほどの時間がそのまま過ぎただろうか。ぽつりと力ない声が響く。


「あなたたちはイグルとアノをお願い……私は……私は希源種オリジンワンを追う」


 道中決して見ることのなかったシーアの落胆ともとれる悲哀に満ちた後ろ姿にレイアは思わず声をかけようと手を伸ばすもヴァイアスがすっとそれを制止した。


 「何故?」という表情のレイアにすっと笑みを浮かべるヴァイアス。


「あの人がレイアちゃんのお友達で本当に良かったです……帰ってきたら私も道中の無礼を詫びないといけませんね。私もレイアちゃん同様になれるでしょうか……あの方のお友達に」


ヴァイアスの台詞にレイアはすっと伸ばした手を下ろし、足跡が続くその先、小さくなっていくシーアの背を見つめていた。


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