19話
美希に手を引かれ、浴槽に2人で入り、カーテンをひいた。
「皐月姉はどうやって洗ったの?」
「俺がしゃがんで、まずは頭から」
「りょーかい」
俺は背中は向けずにしゃがんだ。
シャワーで頭を流され、シャンプーが始まる。
「目閉じなくて大丈夫?」
「目開けてシャンプーする派だから。ちょうど目も洗える」
「そんな人いるんだ、初めて知った」
無論、そんな人はいない。
泡が顔に落ちてきて、目が焼けるように染みているが、俺は負けじと開け続けた。この景色が脳裏に焼き付くほどに、それはもうガン見しなければならない。
シャカシャカと手を振るたびに目の前で揺れる二つの宝玉が輝いている。
「流すよ」
「あい」
流されてる間も目を開けている。
もう瞬きすらしたくない。
「うわ、まだ目開けてる! 体洗うから背中向けて立って」
俺はなくなく背中を向けた。
手のひらにボディーソープを出して、泡立てはじめる。
背中から肩、腕から脇にかけて丁寧に洗われる。
「ああっ」
「へ、変な声ださないで」
背面が終わると、なんと後ろから抱きしめる形で前面を洗い始めた。
背中におっぱいが密着して、上下に滑っていく。
「な、なにを!!」
ナニにナニヲー!
「だって前向いたら見られちゃうし、おっきくなってるんだもん! 私だって恥ずかしいよ」
「ああっっ!!」
「ご、ごめん乳首すっちゃった。優しくするね」
「んんっ」
喘いでいるのも、擦られたのも俺である。乳首を重点的に、ソフトタッチでくるくると洗い始めた。声が出ない方がおかしいというもの。しかも、背中に胸を押し当てながら。
最後に首からデコルテにかけてなぞっていく。おそらく自分にやっているリンパマッサージなんだろう。
「はい、おしまい。こっちむいて。あとは……ここか」
バッキーが脈打ちすぎて、もう一つの心臓のようだ。
「早く触ってー」
俺が裏声でバッキーの声をあてた。
「ふふ、やめて面白いの」
「もう我慢できないよー」
「ありがと、緊張とけた」
皐月と同じように、少し背伸びをして首に腕を回してきた。俺も屈んで首を傾ける。唇を重ねると、震える舌がゆっくりと入ってきた。俺はそれを優しく吸い上げた。
「んっ」
お待たせしました。今の声は美希の声です。
「んんっ」
また美希は小さく喘ぎながら、俺のバッキーを下から優しく手で包んでくれた。ここが地上の楽園か。
「そうそこ、きもちーよー」
「裏声もうやめて!」
「ごめん(表声)」
「……私のも触ってほしいな」
また視線をそらせて、美希は胸をこちらに張ってきた。俺はワキワキと指を曲げ、そしてついに……手のひらにまったくおさまらない宝玉を掴んだ。
「あんっ」
「すげえ、すげえよ」
「手のひらに吸い付いてくる。これが20歳のGカップか。若さからか張りがあり、柔らかいというより、力強く押し返してくる。それでいて__」
「実況やめてぇ!」
しまった。
心の声が、実際に出ていた。
お口ミッヒィー。
「さっきからずっとふざけてるのに、ここはずっとガチガチ……」
また俺の股間にてをのばして、揉み込むように握ってきた。もしかして、まじで不慣れなのだろうか、手つきがたどたどしい。
美希は背中をむけて、お尻を突き出した。
「はい、どーぞ」
「いれていいの?!」
「い、入れるのはダメ!! おしつけてお尻でしたんでしょ」
俺はボディーソープでヌルヌルにやった美希の尻肉の間に、バッキーを挟んだ。
「なにこれぇ、すっごいエッチ……」
俺は腰を掴み、お尻の間に擦るように腰を振った。振りまくった。
「あっ、あっ、んんっ!! やだ、声出ちゃう」
お尻に腰が打ち当たると、下から突き上げられるので無理やり空気がでて声が出てます! 合体はしていません! 本当です信じてください!!
とはいえエロいことこの上なし!!
我がイチモツに悔いなき生涯なし!!
「も、もう出そうだ」
何が、かはご想像にお任せします。
「いいよぉ、皐月姉としたこと、私にもして!」
「いや、これはしてないぞ!」
「え?」
スカッ!!
俺の腰が虚空を突いた。
気付くと美希はお尻を突き出すのをやめて、立ち上がてこちらを見ている。
「どういうこと? お尻でするって、まさかお尻に入れたの?」
「いや、ちょっと当てただけ。さきっぽを入り口に。そしたら美希が帰ってきておしまい」
美希の顔が青ざめた後に赤らめ、沸騰していくように震え出した。
「……私もおしまい!! おしまいおしまいおしまーい!!!!」
蜘蛛の子を散らしたように美希がカーテンを開けて去っていた。
黙っていればよかった。
ここでお預けだなんて、あんまりだ。
あまりの絶望から立ち竦んでいると、扉が開いた。
「皐月姉には、お尻にちょっと当てただけって言ってね!」
いいだろう、但し一つだけ条件がある。さっきの続きを最後まですることだ。
などとは言えず「畏まりました」と伝えた。自分で処理することも考えたが、そんな気にもなれなかった。
体を拭き、トボトボとリビングに向かい、服を着た。
「ドライヤーしないと風邪ひいちゃうよ」
「あ、うん……」
もう何もできない。心に虚無がうまれてしまった。
「そんなにしたかったの?」
「おしまい……おしまい……」
「もー! 髪乾かしてあげるから、元気出して」
そんなことしても、俺は元気にならない。未来永劫……
〇
美希と葛城くんを勢いで家に置いてきてしまったけど、大丈夫だろうか。
私はコンビニで買い出しを済ませて、家の少し前でソワソワとスマホをいじっていた。すると、山田さんから着信があった。
「はい、皐月です」
「先ほどはお疲れ様でした。楽しかったです。今、おひとりですか?」
「こちらこそ、ありがとうございました。はい、ちょうど一人です」
「よかった。葛城さんとの仲良し度は、お二人どうでしょうか?」
「それがもう、仲良すぎるくらいでして」
「そうですか、何よりです。では、もう死んで貰ってもいいかもしれませんね」
「え……? もうですか?」
「効果的なら、早い方がいいでしょう。宜しくお願いします。お約束は守ります」
「わかりました……。それでは」
電話を切ると、美希から終わったよ、とラインが入っていた。忘れていたわけではない。でも、揺らいではいた。目的のためなら、なんでも犠牲にすると決めてきたけど……。いや、切り替えよう。まずは、二人の元に戻らなくては。
〇
「ただいまー。お酒とツマミ買ってきたよ〜」
「ありがとー!」
「おかえり」
俺の機嫌はすぐ治っていた。ドライヤー気持ちいい。
「お、気まずい感じになってたらどうしようって心配してたけど、大丈夫そうね」
「むしろ仲良し!」
美希が俺の背中に抱きついてきた。
「朝勃ち!」
「汚い韻を踏むな」
皐月のツッコミが気持ちいい。疲れていたのか、2缶目を開ける頃には寝ることとなった。
激狭のシングル川の字で、いつも通り真ん中が俺だ。いつもより美希がくっついてきている気がする。
なんやかんや、幸せを感じて俺も眠りについた。
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