10話

 スイスイと服を脱ぎ、下着になり、それもあっさりと脱ぎ捨てた。

 普段ラフな格好しかしないので気づいてなかったが、流れるようなくびれにバランスの取れた胸が、ツンと上を向いていた。ボブの髪を後ろにまとめる時に強調された胸元と脇に釘付けになる。


「いくよ」


 ついガン見する俺を無視して手を引っ張り、気づけば風呂場に2人きりで立っていた。

 ユニットバスなので、浴槽に一緒に入り、皐月はカーテンを閉めた。


「しゃがんで」


 鼻を啜りながら言う皐月の圧に負け、俺は背を向ける形でしゃがんだ。

 皐月は自分の足にシャワーをかけて温度を調整してから、俺の頭を流し始めた。

 ワシワシと髪を揉み込まれる。嫌がってはいたが、いざ流されると二週間ぶりのシャワーは極楽だった。


「シャンプーするから目閉じて」


「うん」


 シャワーを止めて、手で泡立てたシャンプーで髪を洗われる。丁寧に流していたが、ギトギトの髪にすぐ負けて泡は消えていったようだ。もう一度シャワーで流し、再度髪を洗われる。

 今度は泡だったようで、シャカシャカと音が聞こえてきた。


 無言でひたすら洗われているのが、なんだかきまずい。皐月の鼻を啜る音が浴室に響く。


「……ありがと」


 シャワーの温もりと皐月の優しさで心が軽くなった。

 血行が良くなった俺はやっとお礼が言えた。


「いいよ。流すね」


 丁寧に流して髪をすすぎ、散髪にいかず伸びてた前髪をオールバックのように後ろに流された。


「よし、こっちむいて立って」


「あい」


「スポンジかボディタオルは?」


「ないよ、手で洗ってる」


「……」


「自分で洗うよ」


 なんか冷静になって興奮してきた。血行のせいか?このままだとまずい。むしろ何故今まで興奮していなかったんだ。


 自分が思った以上に心が……死んでいたというのか?


 アホな自問自答をしていると、皐月はすでに手でボディーソープを泡立てて、俺の腕を洗い始めた。


「お、おい」


「どうせちゃんと洗わないでしょ。私がやる」


 小さな女の子の手だ。

 いつも俺は頼ってばかりで、夢のアニメ化漫画先生だから忘れてたけど、こうしていると8つも年下の美人だと気付かされる。


「体、思ってたより引き締まってるね。ゴブリン倒せるわけだ」


 もう片方の腕、脇、お腹にかけて擦りながら話しかけてくる。


「深夜の倉庫バイトとか、引っ越しのバイトしてるからかも。肉体労働のが稼げるし」


「ふーん。あと前髪上げてる方がかっこいいね。普段からそうしなよ」


「っあ」


 乳首を擦られて、メスの声を出してしまった。


「あ、ごめん。って、これ……まあそりゃそうか」


 愚息が、優しさに漬け込んで天をついています。


「あー、わざとではなくてですね」


「わかってる。気にしないで」


 上半身を洗い終えると、浴槽内で膝をつき、俺の足を洗い始めた。皐月の顔の近くで脈打つ愚息が、見たことないくらいバキバキになっている。

 一ヶ月溜め込んだ精力の上、美女に擬似的に焦らされているからだろう。

 もうこれは勃起ではなく、バッキである。


「もしかして、童貞?」


「どどどど童貞ちゃうわ」


 素人童貞ですわ!! 


「……1番近いコンビニの往復って何分くらい?」


「20分くらい? そういえば帰って来ないね。ウィダーなくて薬局まで行ってくれてるのかも。そしたら40分はかかる」


「……ふーん」


 太ももをつたい、泡まみれの手は俺の股間を洗いはじめた。


「あ、姉御、何を」


「嫌?」


「そんなわけないけども、んん?!」


 急に抱きついて、首に腕をかけ、キスをされた。密着され全身が柔らかさで包まれて、蕩けそうになる。 


「口くさ」


 顔を離して見つめてきたと思うと、そう呟かれた。そういえば歯も全然磨いてなかった。俺があやまるよりはやく皐月はもう一度キスをして、舌を入れてきた。

 左手がバッキに伸び、さすられる。脳が震える思いだ。俺は我慢できずに皐月の首筋から体を舐め始めた。それを皐月はすんなり受け入れた。


「私、自分が認めた男にしか抱かれたくないの。んっ。でも、どんどん漫画家として力をつけるほど、女として死んでいく」


 美希は俺の顔を両手で掴み、ゆっくりとキスをすると微笑んだ。


「だから嬉しい。こっちも触って」


 手を掴まれ、胸にあてがわれた。手のひらに収まる推定Dカップが吸い付いてくる。


「美希みたく大きくはないけど。あっ」


 もうそれは唐揚げを美味しく作るより揉みまくった。痛くないか心配で顔を見たが、優しく微笑んでくれた。俺の顔をみると、美希は一つ頷いた。


「本当はもっとゆっくりしたいけど、帰ってきちゃうかもだからな。数年ぶりのチャンスだし逃したくない」


 そういいながら背をむけて、こちらに尻を突き出してきた。

ッッッッッッッッッエ!!!!!!!


「何してるの? はやく」


 俺のバッキーは脈打ちすぎて爆発しそうだった。興奮のあまり動けずにいると、皐月は俺のバッキーを優しく掴んで、自らの秘部へ押し当ててきた。


「わかる? ここにいれるんだよ」

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