7 菊花は傷付かない。
昨晩の時点で健康診断をするとは聞いてた、けど。
「何で前立腺検査があんの?」
《コレから使うかもだし、病気や何かが有ったら大変でしょ?》
『それこそ性病も、どんなに気を付けても絶対に無いとは言い切れないからね』
「あぁ、それこそ0は無いだろうけど」
『ただ、もし、出たとしても。誓って、本当に誰とも何もしていないと信じて欲しい』
「おう」
元恋人から愚痴られて、何となく知ってるんだよね、その病気。
それでいざ子供が出来た時に病気が発覚して、性病検査したって嘘を言われてた、って。
まぁ、でも、結局は別れず、なぁなぁになって。
子供って本当に
『もし、そうだったら、どんな罰でも受ける』
「うん、内容を考えとくわ」
それこそ一緒に旅とか無理だろうなぁ、血栓出来たら命に関わるし。
『先に、結果を、見て欲しい』
「ほら、陰性」
『あぁ』
こんな風に膝から崩れ落ちるウォルターは初めて見る。
それこそ何も無いって知ってるし、嘘が言えないのに。
《疑ってるんじゃないんだけど》
「結界」
《あぁ、うん》
何だろう、イーライは何か知ってるみたいだけど。
「ウォルター」
『実は、母が、そうだった』
「梅毒じゃなくても、梅毒の検査で陽性が出る病気が有る、それを偶々知っててただけ。しかも子に引き継がれるかは分からないけど、少なくともウォルターは病気じゃない確率が高い。それだけ、治療法も何も知らなくてごめんね」
『いや、それだけで十分、ありがとう』
あ、どさくさ紛れにハグして。
《それで結果が出る前には、何も言わなかったんだ》
「まぁ、それこそ陽性だったら1発は殴らないとって思ってたし。性病検査で陽性かもなのに、なのに舌を突っ込むのはダメでしょうよ」
『それは本当に、すまないと、思っている』
「定期健診確定な」
『分かった』
「食事に気を使っては、いるか」
『魚をと』
「けどアレもアレでよ」
『紫斑が有れば気を付ける、血が固まり難くなる場合も想定して気を付けている』
「やっぱ妊娠する側かなぁ」
『探しに行きたくない場合は、どうしたら良いんだろうか』
「離れる」
『パトリック、牢に閉じ込めよう』
《そうだね、行方不明って事にしよう、僕らの愛が怖くなって逃げたって事で》
少しキツい冗談だったから、言った後で少し後悔しそうだったのに。
それこそ良い案だって感じでイーライが眉を上げて。
「そんなに大好きか」
大きい目を細めて、恥ずかしそうだけど、少し呆れた様にも見える笑顔で。
守りたい、この笑顔。
けど、再びハグをすればパトリックに蹴り飛ばされてしまうかも知れない。
そう思いパトリックの方へ視線を向けると。
私は、いつもこんな蕩けそうな顔をしているんだろうか。
高揚しながらも、愛情が溢れんばかりの笑み。
僅かに頬を上気させ。
恋をしている顔。
『そんな顔は初めて見た気がする』
《煩いなぁ、君なんか最近は毎日じゃない》
『あぁ、らしい』
下らない。
意味が分からない。
そう思って眺めていた事すら有るのに。
上手く制御が出来ない。
ただでさえ表情を制御しなくても良かったものだから、どう制御したら良いのか分からない。
「照れたりするの見ると気分が凄く良いから、隠さないで欲しい」
眩しさにも似た、直視を躊躇う様なはにかんだ笑顔。
守りたい、この笑顔を。
《はぁ、よし、切り替えよう》
『あぁ』
「コレ3枚綴りだったよね、複写は王家?」
《うん、カーボン紙は王家、複写が医師。あの医師も王家に繋がりが有る人だから大丈夫、市井で流行る病を素早く報告出来る様にね》
「成程」
最初は焦ったんだよね、本当。
自分の知識で役立たせられる事、無いじゃん、って。
それこそ恋愛や経験の失敗談位で。
本当に、何も無くて。
《イーライは生きてるだけで成果物なんだから、気負わなくて良いんだよ》
いや、無理でしょう。
様々な人間の犠牲の上に平和が築かれてるって、改めて知っちゃったんだし。
全く、何の役にも立たないかも知れないって、それこそ逆にプレッシャーだったのに。
無理でしょう。
ココでの教育の成果も有って、凄い、役に立ちたいって思っちゃうんだもの。
「利用されたくないけど、役に立ちたい」
『居るだけでも良いのに役に立ちたいだなんて、イーライは本当に良い子だ。パトリック、私の代わりにハグを』
《はいはい、良い子良い子》
ハグに頭ナデナデ、だと。
家族以外、何十年ぶりだろうか。
そもそも、生前に何回有ったか。
下手したら無かったかも。
いや、無いと思う。
何これ。
幸せ感じちゃうんだけど。
あぁ、ずっとコレだけでも良いかも。
体が繋がって無くても安心するって、何だコレ、知らない。
知らなかったなぁ。
「ぅう」
《イーライ?!何処か痛いの?》
『パトリックが何か』
「大事にされてる、感じだ、なって」
《大事だよ、凄く、ごめんね》
『私も良いかな?』
「うん、暫く、お願い」
大事にされてるって。
もう、勝手に思い込んでただけで。
実はもう、全然、大事にされて無かった。
どうせ自分はマトモに愛されないんだと。
だから諦めて、ココでも考えない様にして。
あぁ、ローズに申し訳無い。
せめて言わないと、愛せなかった理由を、ちゃんと言わないと。
《何を後悔してるの、イーライ》
あぁ、言わなくても伝わるって、本当にズルい。
「今、やっと、大事にされるって事が、分かって。だからこそ、ローズと、ちゃんと話し合うべきだなって、思って」
《良いんだよイーライ、あの子が全面的に悪い。君には生まれながらの立場が既に有ったんだもの、王族よりも逃れられない立場、運命が有ったんだから。あの子も王族だから叡智の結晶については知ってた、なのに自己を抑制しなかった、客観的に見て相手に過不足無しに評価する。それこそ、王族の末端だからこそ、身分や年齢に関係無く相手を正しく評価すべきだった。僕の様な末端の義務、責務、なのに君を蔑ろにした》
『もし私が今直ぐにでも死んで、新たに王としいて生まれても、そう宛てがわれた相手を愛せる自信は無い。例えどんなに良い相手でも、どんな見目だろうとも、私の中にはずっと最も愛しい人が残っている筈なのだから』
《て言うか我が妹ながらアレは無理だよ、本当に、君は良くこなして耐えてくれてたと思う》
『パトリックには悪いが、周りの噂もそれが殆ど』
《そうそう、だからこそ、君は凄く大人びて見えた》
「あぁ、そう失敗しちゃったのか」
《まぁ、特に私は近くで見てたから。大丈夫、流石に周りにはバレて無いよ》
『先ずは良く観察しているウチに、イーライの可愛らしさの虜になるんだろう』
《そうそう、露払いが大変だったんだから》
『あぁ、イーライは知らないんだろう、その事すらも』
「待って、何したの」
『そう聞くのか、優しいなイーライは』
いや、ちょっと待って、露払いって何。
「ちょ、露払いって」
《どっちの意味で狙ってるのかは別にしても、君は結構、大人の貴族からも狙われてたんだよ》
「は、へ」
《従順そうだ、愛らしい顔立ちだ、大人しそうな子だ。そう振る舞っていたし、それこそローズに取り入ろうとするのも居て》
『多分、君を守る為にもローズは最適だった。守る理由になる、何も無しに先に囲い守れば、逆に価値が有ると示す事になってしまう』
「あぁ、え、じゃあ」
《次にキャヴェンディッシュのお祖父ちゃんに会う時は、ちょっとは優しくしてあげてね》
だから、あんなに、毎回必死になって引き留めてたのか。
「あぁ、マジかよ、そっか。そんな、ごめん、思い至らなかった」
《そらそうだよ、だって僕がそうなる様に配慮したんだもの。なのにさ、急に横からさ》
『すまない。ただアレを見て惚れないは無理だろう、天の使いかと見紛う愛らしさだったのだから』
《そこは、うん、キャサリンが張り切り過ぎたのが悪い。僕の前じゃないから手加減しろって、ちゃんと程々にって言ったのに》
『昨夜尋ねたが、アレでもまだ全開では無いと言っていたぞ』
《でもダメだよアレは、それこそもっとクォリティーを》
「頭上で自分の事を争われるのは凄い良かったんだけど、話を戻して良い?」
『あぁ、すまない』
「キャヴェンディッシュ爺さんとローズに謝りたいんだけど?」
《復縁するの?》
「違う違う、爺さんには僕の為に今まで引き留めてくれたのにって。それとローズには、愛するとか大事にするって概念に不足があった、配慮が足らなかったって謝りたいだけ」
《それで復縁を迫られたら?》
「無い、どんなにパトリックやウォルターみたいにされても、もう無理だよ。知ったから、余計に」
『少しは伝わってくれているのだね』
「伝わってる伝わってる、けどコッチの受け止める力が足りなくて」
『それは今から徐々に大きくしていってくれれば良い、そもそも受け取って貰い、好意を受け入れてくれている事が嬉しいのだから』
《隙あらば口説く、もう少しさぁ調節してくれないかな、脱輪が酷くて戻す側の僕の負担になってるんだけど?》
私の為に争わないで。
いや、凄い、現実で起こるんだ、実際。
「取り敢えず話を戻すよ?」
《あぁ、ごめん》
『すまない。謝罪に向かう、だったか?』
「うん、はい、そうです」
《じゃあ少し作戦を練り直す時間を頂戴?》
「それはうん、お願いします。但し、実行前に教えて欲しい」
《分かった》
「はぁ、何か泣いて疲れた、ちょっと休んでくる」
《うん、もう午睡の時間に近いものね、おやすみ》
『おやすみイーライ』
「おやすみ、2人もちゃんと寝てね、本当に効率上がるんだし」
『あぁ、少ししたら休憩させて貰うよ』
《うん、また後でね》
僕らの目の前にぽっかりと穴が開き、向かい合わせになってしまった。
うん、コレなら少しは冷静に話せるかも、けど寂しいな。
折角、好き放題に触れる様になったのに。
そしてウォルターも同じ気持ちなのか、イーライが座っていた部分を撫でてる。
分かる。
分かるからどうにも止められない。
何なら自分もサワサワしてるし。
『パトリック、君は良く耐えていたね』
《そら妹の婚約者だったんだもの》
『さぞ辛かっただろ』
《ううん、そうでも。それこそ拒絶される方がもっと辛いって分かってたから、だから諦めるか、見守るかずっと悩んでた。なのに諦められなくて、じゃあ、傍に居られるだけでも良いって思い込もうって。見守れる僕は何て幸せなんだろう、しかも嫌悪や忌避感も無い、あんな風に思われないだけマシだ。妹には悪いけど、悪しき見本として役に立ってくれたから、そこは感謝してる》
バカで可愛い僕の妹。
素直で流され易く、照れ屋で意地っ張り。
平民の子だったなら、まだ幸せに過ごせてたと思う。
けど生まれは選べない、その立場に生まれてしまったら全うするしかない。
それか、廃嫡されて他の生き方をするか。
まだ、そう選べる身分なのだから。
『少し、思い出を聞かせて欲しいんだが』
《良いよ、何処からが良い?》
ウォルターは1つ上だから、それこそ学園で間者として働く様になってからの事しか知らないものね。
なのに。
いや、いつか気付いたかもで。
それこそ遅いか早いかで、そうなっても、選ぶのはイーライだし。
『出来れば、最初から』
《本当に可愛らしくて、お人形の様で……》
『人形の横で人形の様に、人形を真似て座っているだなんて、可愛らし過ぎるにも程が有るだろう』
《でしょ、だからもう僕は直ぐに持って帰るって、必死にお願いしたんだよ》
たっぷりと昼寝をした後、談話室を覗いてみたら。
こんな風にひたすら昔話をしてたらしくって。
「もー、君らちゃんと午睡取った?」
《話の合間にね》
『思い浮かべながら目を瞑ってみたんだけれど、意外に夢は見れないものだね』
イケメンのイケボが、サラウンドで両サイドから聞こえんの。
今日はちょっと肌寒いから、最高に幸せなんだけど。
「って言うか毎回この間に挟まれる形式に確定したの?」
『どちらが左右かは、特には決まってはいないけれど』
《反対にする?》
「いや、コレで良いけど、暑い時期は止めてよ」
『なら、やはり少し早い時期に北上するか、夏の長期休み後に北上するか』
《炎天下での長距離移動も気を付けないとだからね》
確かに、前の世界に比べれば遅いけれど、それだって1ヶ月以内には余裕でフィンランドには着ける。
ただ、その後が問題で、それこそイルマリネンかロウヒ、人なのか場所なのかも不明な何かを探さなきゃならない。
全てはイケメンの遺伝子を残す為。
広まれイケメンの輪、しかも頭も良くて優しくて真面目。
コレ自分だけで独占して絶やしたら、絶対に罰が当たる。
そう、自分が神様なら絶対にそうする。
あぁ、ダメだ、恋愛脳の残滓が邪魔をする。
切り替えないと。
「その前に、謝罪行脚の事は?」
『真面目な良い子だねイーライは』
あれ、遠慮無しに頬にキスされてるけど。
《ね、昔から良い子なんだよね》
あ、コッチに至っては口に。
「ちょっ、お互いをスパイスにしたり、誂う気なら」
『とんでもない、私達は素直に愛情表現をする事に決めただけだよ』
《それこそ明日にでも会えなくなる可能性は0じゃない、なら牽制したり譲り合うより、素直に愛情表現をした方が良いだろって》
あぁ、パトリックも不馴れで不器用だけど、それが逆に。
いや、待ってくれ、脳が蕩ける。
溶けて鼻から出る。
「待って」
《大丈夫、ちゃんと話すから》
『取り敢えず、明日にでも3人で馬車か馬に乗り、先ずはキャヴェンディッシュ候の屋敷に向かう予定だよ』
あぁ、手とかにキスされんの、キザだなとか思ってたけど。
コレはダメだ、ついそのまま唇を触りたくなる。
《キャヴェンディッシュお祖父様と話し合ってから、今度はウチへ、ウォルターにも居て貰うから大丈夫》
パトリックも肌が綺麗なんだよな、しかも髭が薄くてスベスベ。
ウォルターは少し生えて来てるのか、ほんのりと肌の奥に髭の感触が有って、コレもコレでアリ。
『流石に2人だけにはさせられないけれど、ちゃんと話し合える様に調整してくれるそうだよ』
ダメだ、全然話が入って来ない。
《また嫌な思いをさせてしまうかも知れないけど、出来るだけ最小限に留めるから、許してイーライ》
「うん」
『良い子だねイーライ、優しくて良い子だ』
コレもう、何もかもが溶ける。
《アナタ達がイーライ様を大好きでらっしゃるのは大変良く分かりました、ですがイーライ様の事を最優先した結果が、コレですか》
『いや、すまない』
《ごめん》
私とパトリックは、イーライの事でキャサリンに怒られている。
この家には必要最低限の人手しか居らず、その殆どが王族の間者として王都で働く者。
そしていつもなら洗濯物は自分達で、偶に業者に出すか、王族に連なる者を呼ぶか。
今回はキャサリンが洗濯物担当、そのキャサリンとイーライが洗い場で鉢合わせ、事が露見する事態に。
《アナタ達が加減を知らないと言うのはハッキリと分かりましたが、お粗相をさせるなんて良い大人が何をしてやがりますか。今はイーライ様がご自分で洗ってらっしゃいますけど、今度からは粗相をさせたアナタ方が洗いなさい。洗わせて貰える関係に至れるまで、控えろ》
『誤解が、それこそ大事な部分には何も』
《論点そこじゃねぇですわよ、若さを舐めるなバカが》
《はぃ》
『すまなかった』
《もう、本当にビックリしましたよ、ふえぇとか言って洗ってらっしゃったからてっきり》
《あぁ、それ聞きたかったなぁ》
《おいパトリック様》
《はいすみませんでした》
《まだまだお水が冷たい時期なんですよ。それともアレですか、あの可愛いお手々にアカギレを作らせたいんですか》
『それは全く望んでいない、本当に』
《けどイーライが》
《そら私でも恥ずかしいので断るでしょう。そもアナタ達とは好意の濃度が違う可能性が高いんです、徐々に、ゆっくり圧力を掛けるべきで。それともアレですかね、さっさと飽きられたいんですかね》
『いや、それも誓って本望では無い』
《なら、ダメとかイヤとか言われた時点で、一旦軽めに冷静になって下さい。そして時と場所が問題無いか、後始末はどうするか、そこを良く考えてから実行しろ》
《けど、イヤとかダメって言われなかったもん》
《もう、待って、も同じ扱いです。それに大方、その言葉が出る前に口を塞ぐか何かしたんでしょうよ》
『それは』
《可愛い過ぎて構う気持ちは判りますが、壊すつもりが無いなら、大事にしろ》
《はぃ》
『善処する』
「あのー、キャサリンさん」
《キャサリンで大丈夫ですよイーライ様、今直ぐに乾かしましょうね》
キャサリンにしこたま怒られてたのに。
「添い寝って」
『先ずは慣れて貰おうかと』
《今日を逃せば当分は一緒に寝れないかもだし》
「それこそキャサリンは何て言ってんの?」
《何もしないならアリ》
『但し寝苦しそうにしていたら即座に退場しろ』
「まぁ、なら」
なまじコッチにも好意が有るから、つい流されちゃうんだよなぁ。
いや、さっきの暴発事件はちゃんと途中で抵抗したんだけど、若さで誤射と言うか何と言うか。
《何が気になるの?》
「いや、もっと、ちゃんと抵抗してたら怒られなかったかなと」
『と言うか時と場所を弁えろ、後処理は自分達でしろ、そう当たり前の事が出来て無かった私達が悪いんだ。すまなかった』
「いや、うん。そう、そう言えば診断書に走り書きが有ったんだけど、周径12未満って何?」
《ウォルター》
『いや、うん、要はまだ未成熟だと言う事だよ』
「え、何が?」
『こう、その、行為を最後までは、無理だろう、と』
《器具が入ったでしょ、アレ、行為が出来るかの測定器》
「は?」
《ほら、無理して怪我させてもだし、私達も確認されてるから大丈夫だよ》
『身体的、限界値的な、アレらしい』
「となると?」
『もう少し、色々と、待て、と』
《医師的にね》
「そこまで知られてたの?」
『まぁ、念の為と、言う事だったのね』
《ついでにね。大丈夫だよ、他の貴族に狙われてるからって言い分で診て貰ったんだし》
「いや例え検査でも同意を得ような?」
《ごめん、ソッチでは当たり前かなって》
「検査は当たり前だけど測定はしねぇよ」
《それで怪我とかしないの?》
「そら、色々とアレだから、まぁ。いや、うん、納得した」
最後までは暫くは出来ないだろうとは思ってたけど。
この2人、そんなサイズなのか。
いや、確かに小さくはなかった気がするけども。
《また、そんなにイヤだった?》
「いや、イヤじゃなくて、寧ろ残念だなーと」
『コレは、イーライが悪いと思うんだが』
《だね、コレはイーライが悪い子だ、煽るんだもの》
「いやいやいや、学習しようよ君達」
《何で早く眠れって、流布してるか分かる?》
「燃料節約と子の成長の為でしょ?」
『それと子孫繁栄の為だよ、イーライ』
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