第9話
「オラァ!」
「ふぅ、これで終わり!」
「……お疲れ様」
「くっそ……」
結果発表の時間となった。
結果はレイオットさんが20384点、ルウナさんが20298点、依織が20401点、俺が15980点……。
うん、惨敗。
途中で2倍スコア差あったところからよく巻き返したほうだとは思うけど……。
「はい、優勝はカカオちゃんでした〜!」
「……よし」
依織がガッツポーズしている。
顔はいつもと殆ど変わらないが、少しだけ嬉しそうな顔をしている。
「……たーくん」
「ん?」
すると依織が俺のそばまで寄ってきた。
「……ご褒美頂戴?」
「ご褒美?」
何だ、菓子でも欲しいのか?
「ほれ、やるよ」
俺はポケットに入っていた飴玉を一つ取り出して依織に渡そうとした。
「……違う」
しかし依織は首を横に振る。
じゃあ一体何をして欲しいんだ?
「……キス」
「こんな公衆の面前で?」
「……だめ?」
「いや、でも……」
周りにレイオットさんとかルウナさんとかマスターがいるし……。
そう思って周りを見回すとレイオットさんとルウナさんが消えていた。
マスターの姿も見えない。
「……誰も居ないよ?」
「いや、でもな……」
「……」
ジトーッとこちらを見ている。
「……わかったよ」
俺は覚悟を決めて目を閉じた。
そしてゆっくりと唇を重ねる。
「……っ!?」
次の瞬間、依織は舌を入れてきた。
「ちょっ、お前……!」
「……っはぁ、もっと……!」
今度は首に手を伸ばしてきて、より一層深く口付けしてくる。
こいつ……マジか!?
「おい、もう……」
「ぷはぁっ」
ようやく解放された時にはお互い息が上がっていた。
「……満足かよ」
「……うん」
頬が赤く染まっている。
こんなの反則だろ。
その後、俺達は他のゲームとかをして解散した。
途中帰ってきたレイオットさんとルウナさんはすごいニマニマとしていた。
この人達絶対どこかで見てただろ。
そして、依織はあれからずっと上機嫌だった。
ゲーム中毒の同棲人は幼馴染みで後輩で引きこもりで許嫁 田中山 @tanakasandesuyo
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