第240話破滅の音

大体泉に入る前、アルハテナと話す前かな?


「え!あいつ家燃えたの?!」


「そうそう。さっき公園でふて寝してた」


杏夏の家が全焼したことを知らされる


「・・・・まさかとは思いますけど」


「ここに住ませてあげたら?」


クロノ博士は机をコンコンと叩き、龍桜雫の自宅に住ませることを提案する


「いいですけど、親が許しますかね」


「君が言えば絶対に許されるよ」


「というか杏夏がいいって言いますかね?」


「あんまり見てない私が言うのもあれだが、絶対来るぞ」


クロノ博士は絶対という言葉をあまり使わない


そのクロノ博士は絶対来ると言っている。相当な確信があるのだろう


「電話してみるか」


「ワンコールで出そう」


「出ますかね?」


プル


「もしもし?」


「はっや」


「なんですか?」


電話をかけた瞬間、即出てくる杏夏


「お前家燃えた話って本当?」


「・・・・マジですね」


明らかにテンションダウンした声が、電話越しから聞こえてくる


「うち来るか?」


「うん?」


「俺の家に住むか?離れだけど」


「行きます。絶対に行きます。今自宅います?」


「いるぞ」


電話越しからガチャガチャと、何かを引きずっている音が響く


数分後、自宅のチャイムが鳴る


「あいつ足早くね?」


「あの子体格はいいからね。相当前に会ったステラさん並みではないが」


玄関まで歩き、扉を開けると


「お前なんか今日デカくない?」


「今日はブーツ履いてます」


大きめのキャリーバック?を持った杏夏がそこには立っていた






「掃除完了ですね」


「お、終わったか?」


一切使っていなかった離れの掃除が完了した


「・・そのお方は?」


「うちのじいちゃん」


「どうもどうも、雫ちゃんの友人さん」


「杏夏滴って言います。よろしくお願いします」


「雫ちゃんと同名か!珍しいね」


そんな話をしていると、体格のいいムキムキな人達が大きな箱を運んできた


「なんですか?これは」


「ゲームやる機材」


「・・・え?」


「雫ちゃんに頼まれてね。大急ぎで在庫を探したよ」


「あのタイトルなんだっけ?シャウラだっけをやるのに必要だろ」


「え、え!いいんですか!」


運ばれた箱から、機材が取り出される


「え!最新版だ!滅茶苦茶欲しかった奴だ!」


「じいちゃんはそろそろ仕事の時間だ。喜んで貰って良かったよ」


「ありがとうございます!!」


「じゃあね。じいちゃん、バイバーイ」


手を振るい、じいちゃんを見送る


「じゃあゲームやるか」


「私は少し遅れます」


「はいよ」


そんなことがあった数日後


「雫さんまだ泉から出てこないんだけど」


「泉の量は減ってるんですがね?」


「早く雫さんに会いたいよ」


「ご飯時に毎日会ってますよね」


「会ってるけど、ゲーム内とリアルで会うのは違うんだよね」


ブク


「!!」


泉から空気が抜けた音がした瞬間、戦闘態勢に入る杏夏


「あの一瞬で6個ですか」


たった一瞬で杏夏は、魔方陣を6個も生成している


「・・・・」


「・・・・」


一度警戒心を解いたことで、触手に足を取られたことを念頭に置きながら警戒を続ける


すると泉からブクブクと龍桜雫が出てきた


「完全体だ」


「し、雫さん?」


「そうだ。今髪の毛伸びてるけどな」


髪の毛が腰辺りまで伸び、ただの美少女にしか見えなくなった雫


「挑戦権を得た」


「挑戦権?」


「次は杏夏を鍛える。そして神をぶっ倒すぞ」


「え?」


【ダッシュ】で雫さんが近寄ってき、肩を掴まれる


「この世界壊せるぞ。面白そうだろう」


頭の中で駆け巡る崩壊した世界の姿を


叫び声をあげる人々、壊れていく国


「・・・」


(想像するだけで口角が上がってします。私はこの思考は嫌いだ。だけど心が踊る)


「全ギルド員の伝令だ。ステラ」


「了解しました」


「はや半年?このゲームをやったが、まさか自分の手で世界を壊せるとは」


「どこに行きます?」


杏夏は狂気的な笑みを浮かべていた


「魔力の泉に行く。場所は、、、あっちだ」


この後待ち受けるのは、世界の破滅か、天災が消えるのか


どっちにしても、見るのは面白いそうだ


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