第235話世界で一番

「俺式知っているか?このゲームは人間の反応速度の限界を超えやすい」


「はぁ」


「リアルと違って神経が無いからだな。だけどなそれでも限界があるんだよ」


「はぁ」


「その限界を超えたらこのゲームは若干バグる」


「はぁ、、、あ?」


作品の一つの中で一番完成されていて、一番気に入っている作品


俺式№1が凄く好みで、面白い顔をする


「バグると言っても、Aiが処理しにくくて、バグると言う感じなんだがな」


「処理しにくい?」


「元々マザーAiにあるバグが、何故か知らんが反応速度の限界に入ったらバグる」


「えぇ?」


カタカタと空中に出現させた、キーボードを叩く


「ちなみに治らんぞ。基盤作り終わって、色々やってた時に気づいたもん」


「あ、終わってる所がバグってますね」


「ゆうて問題ないからそのまま行ってる。それでだ俺式」


俺式の手を引っ張り、自分が今見せている画面を見せる


「なんで電子の私に触れるんですか?」


「珍しく手袋付けているだろう」


白い手袋をヒラヒラさせながら、画面を見せてくる


《ふ、ふふふふ、触れてやる》


「音声バグってますね」


「そう。声がバグる。これの他には緊急ログアウトにした時に、体がゲーム内に残るバグもあるな」


俺式の顔をモニモニ触りながら、話を続ける


「この龍桜雫、この世界で私が一番よく分からない男なんだよね」


「博士が言うなんて珍しいですね」


「本当に意味が分からんレベルで経歴がおかしい」


「滅茶苦茶病気にかかってることですか?」


「違う。それもおかしいが一番おかしいのは出身」


強めに否定するクロノ博士


「日本じゃないんですか?」


「あいつ捨て子なのよ。現代日本では珍しい捨て子」


「え?」


「それでいて感情ないんかってぐらい、反応薄い、動かない表情、だから酷く不気味だったのよ」


「・・・心の仮面を外した形態って訳ですか?」


「心の仮面は9割外しだな。見た感じ」


少し悲しそうな顔をしながら、クロノ博士は話す


「あいつは人のことを、同族として見れないのよ」


「たまにいませんか?」


「そいつらは種族は同じだと思ってるだろ。あいつは完全なる別種族だと思ってる」


(意味が分からない)


「ちなみに私も若干思ってる。だけど私の中の本能は、人は同族だと言っている」


「本能すら別種族だと否定している、、、」


「一応言っておくが、これを他の人に話すなよ」


「分かっています」


「特にあいつの妹の紅葉にな。精神的ショックで気絶するかも」


ビー!ビー!ビー!ビー!


けたたましい警告音が研究所内に響く


「侵入者でしょうか?」


「いや、知ってる足音だ」


バン!


誰かが扉を蹴り開ける


「お久しぶりですね」


「久しぶり、獄中はどうだった?」


「そこそこ楽しかったですよ。じゃあ仕事貰えます?」


「警備員の人に事情説明してこい」


数十秒後、凄い数の警備員がこちらへ来て、不審者を連れて行った


「お、雫が蘇った」


「あの人だれですか?」


「不審者」


クロノ博士は、続きを話すつもりはなさそうだ








「カハ!まさかスキルの発動時間を変えれるとは、2秒で俺のバリア消えたんだけど」


システム的バリアに体重を預けながら、地面に座り込んでいる


「・・・」


「・・まだ警戒してるのかよ、、まあ正しいよ」


ガンガン!


足のかかとで地面を2度叩く


「ふぅ、、回復完了」


「救済の剣」


「世界最強の力を見せてやろう。神に祈り、全てを捧げよ。俺が神だ!」


アルハテナの気配が強くなる


「死を呼ぶ風、ステージ4死を運ぶ風」


緑色の汚い風がゆっくりと足元から吹き始める


「ほぼ全てのスキル、無詠唱で使ってる奴との戦いは、楽しいかな」


「・・・」


最終決戦が始まった

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