第226話こどーも

「・・・どなた?」


九朗少年が不思議そうな顔で自分が誰かを聞いてくる


(面白いこと出来そうだな)


「ヤア」


九朗少年が反応出来る速度で、肉の触手を放つ


「あっぶない!なんだこの子供!」


「10体1かな?」


目の前にいるキレやすいギルド員を煽る


「あ?」


まず最初に火焔の顔がイラつき顔に変化する


アイテムボックスから、水入り瓶を取り出し


「ゴー」


バシャ!


水が火焔の顔面に直撃する


次の瞬間、火焔の体が熱く、綺麗で幻想的な火に包まれる


「ぶっ殺す!」


「きゃーこわーい」


火焔が嫌いな、高く聞き取りずらい声でワザで嫌いなセリフを言う


「炎舞!」


「バカ!お前ここで!」


バリン!


「鎖」


窓を突き破ると同時に、首輪が付いた鎖を火焔へと投げる


「グェ!」


「おいで」


火焔のスキル発動が阻止し、火焔を外へと引きずり出す


壁に肉の触手を突き刺し、落下しないようにそこに留まる


高さはマンション5階ぐらいの高さだ。今の姿で落ちたら怪我するだろう


「・・・炎舞の舞、フェニ舞」


鎖を自力で外し、空中へと飛び出し、炎を纏い空中に浮いた


「覇道」


「ア!」


鶏のような声をあげながら、火焔が落下していった


「あいつアホだろ。ディスペル耐性一切ないんかい」


「マスター何してるんですか?」


後ろからステラの声が聞こえる


「びっくりした。真後ろに居ないでくれよ」


「どうしたんですか?その声」


後ろに振り向くと、ステラが壁に足を付け、普通に立っていた


「子供になったんだよね」


「そうですか。その姿で副マスに会わない方がいいですよ」


そんなことを言いながら、ステラは上へと歩いて行った


「はぁ、やる気無くなった。戻ろ」


肉の触手を壁に抜き差し、しながらさっきの通路へと戻って行った


「あ、帰ってきた」


「火焔アイツ強いけど、アホだな」


「昔からです」


「お兄さん?え?どういうこと?」


「九朗少年、いつものパーティじゃないんだね」


「あ、ああ大会の練習してて」


困惑する九朗少年に質問する


「・・・・大会の内容ってなんだ?」


「バトロワですね。その次にタイマン勝負です」


「・・・・・」


「お兄さん!?」


思考を回しながら、窓から外へと飛び降りる


「セレース」


「主何をやってるの?」


地上にいたセレスが一瞬で自分を抱きかかえる


「ミラの所に行ってくれ」


「はいよ」


ダン!ダン!


「お前いつの間に空中で飛べるようになったんだ?」


セレスは空中の何もない所を蹴っている。【多段ジャンプ】に似ている


「主の真似」


「そうか」


「到着」


数十秒かかったかなぐらいでミラの所へと到着した


「船着き場なんてあったんだ」


「グオ」


ミラがどこからか走ってきて、飛びつかれる


ミラは姿の割に凄く軽い、鳥は飛ぶために軽いと言うが


ドラゴンもそうなんだろうかと考えていると


「ミラちゃん喋らないんですか?」


ヤドがフワフワと浮きながら、近くへと来た


「グウウ」


「まだ恥ずかしいんですか?」


「グオ」


「ミラお前喋れたんか」


「しゃべれる」


「結構好きな声してる」


「ずっとしゃべる」


恥ずかしいとは何だっけのか、ミラがバリバリ喋り始める


「明日ミラには活躍してもらうからな」


「がんばる」


「主様主様」


「何かね」


ヤドが不安そうな顔で雫を呼ぶ


「ラビちゃんはどこに?」


「・・・・」


「別大陸の置いてきちゃった?」


「融合解除」


「ぐへ」


自分の体からラビがヌルッと出てくる


ヤドが安心した顔で、フワフワとどこかへ行く


「忘れてた。あぶな」


「キーック!」


怒ったラビが飛び蹴りをするが、そんな攻撃を避けれないほど


弱体化してないので普通に横に避ける


「もう怒った!壊れろ!」


「うーん?」


ラビが地面を蹴る、その瞬間地面が砕け散る


(範囲狭いけど、、これわいのスキルじゃね?)


「わいどんのスキル?」


「変な口調になりやがって!ぶっ飛ばす」


「報酬には対価が必要だ。素材500個」


「え」


「吹き飛べ、上に」


パン!


ラビの姿一瞬で消え去る


一部始終を見ていた、セレスが複雑な顔をしている


「セレス回収よろしく。俺は逃げる」


「どんだけ遠くに飛んだんだ?空に飛んだんだよね?」


「空だぞ」


明日に備え、ログアウトする


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