第82話タコ

「いた」


「あ!お兄さんー!」


「久しぶり」


落下しながら千香ちゃんと会話する


「九朗少年達は?」


「こっちです」


千香ちゃんに、九朗少年達の元へ案内された


「あ、お兄さん」


「久しぶり九朗少年」


「・・・お兄さんは本当に指名手配になったんだね」


九朗少年は意味深なことを言った


「他のPKプレイヤーにでもあったのか?」


「・・なんでそう思うの?」


「感とあいつらとお兄さんが同じなんだなぁ、てきなニュアンスを感じ取った」


「合ってるよ、お兄さん」


九朗少年は落ち込みながら答える


「そうか。じゃあダンジョン潜るか」


「早くないですか?」


横にいた杏夏が口を挟んでくる


「そうですわ。お兄さんもう少し話しましょう」


麻衣ちゃんがそう提案してくる


「潜りながらでよくない?」


「落ち込んでる子を、励ましてあげてくださいよ」


杏夏が助言してくる。いつもより声が大きい


「自分レッドネームで指名手配犯だぞ。説得力ないだろ」


「それは、そうですね」


岩田君が納得している


「だったら行動で示すしかないだろ」


「主戦い方凄い。だから大丈夫」


セレスが褒めてるのかよくわからないことを言う


「大きいですわね」


麻衣ちゃんはセレスのデカさに驚いている


(無言で入るか)


「あ!待って下さい。皆行きますよ」


ダンジョンに潜り始めた


「お兄さん松明は?」


「いらない」


「普通に話されるようになってて、母さん嬉しいわ」


「麻衣!」


九朗少年は少し顔を赤くしながら、麻衣ちゃんを睨む


「聞きたいんですけど、九朗君と雫さん身長同じですけど、なんでお兄さんって呼ばれてるんですか?」


「知らん」


「言葉が年上ぽいから」


「雫さんって何歳ですか?」


「24」


「・・・」


杏夏の足が止まる


「わ、私より、年上?」


(めっちゃ動揺してるやん)


「一切モンスター出ないんだけど」


「そうですね、、」


「年上?」


横にいた千香ちゃんと話ながらダンジョンの奥へどんどん潜って行く


「ボス部屋まで来たな」


「モンスター誰かに倒されてたんですかね?」


「さぁ?」


ボス部屋に入ってみると


「ひっろ」


ボス部屋がとてつもなく広かった


(体育館ぐらいデカいな)


「キッシャ―!!」


部屋の端の地面から雄たけびを、あげながらボスが生えてくる


「タコ?」


「めっちゃデカいタコですね」


「一応回避準備」


(陸にタコ?何してくるか分からんな)


「プッシュ―!!」


「イカ墨?」


タコが頑張ってイカ墨を吐いたが


「距離遠すぎてイカ墨届いてないな」


イカ墨は自分とタコの間の8割程度までは飛んできたが、当たる訳がなかった


「欠陥すぎない?」


「連続ボスじゃないですかね?」


ショックから立ち直った杏夏が喋り始めた


「とりあえず魔法撃つか。麻衣ちゃんと千香ちゃんと杏夏は頑張れ」


「分かりました」「任せてください」「面倒」


「九朗少年と岩田君は麻衣ちゃんと千香ちゃんを守れ、セレスは杏夏をヤドは杏夏の頭の上におれ」


「主様は?」


ヤドが不安そうな顔で聞いてくる


「近づいてみる」


「雫さんも遠距離攻撃したらいいんじゃないですか?」


「飛び道具に何かしらの対策持ってると思うのよ。あのタコ」


「ああーありそうですね」


杏夏は魔法を空中に止めて溜めながら、納得した声を出す


「・・・杏夏さん、それどうやってるんですか?」


麻衣ちゃんは凄く驚きながら聞く


「魔法に意識を集中させ続けたらできますよ。それと私のことお姉ちゃんって呼んでくれないですか?」


「お姉さんならいいですよ」


「まあいいでしょう」


「じゃあ行ってくる」


「行ってら」


タコに向かって全力で走り出した

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