第60話フィジカルモンスター

「危ない」


飛んできた矢を左手で掴み、投げ返す


「凄いですね」


「バフかかってるから余裕」


ヤドが装備している冠の効果により初期の【覚醒】ぐらいの力を手に入れていた


「、、矢撃って来なくなりましたね」


投げ返されて当たるのを警戒してるのか、矢を撃ってこなくなり魔法を詠唱していた


「グギャ」


「近くにリザードンマンも来てるし足場悪いし」


(イラつくなぁ)


短剣の力を少しだけ溜めプレイヤーの方へ放った


「リザードマンを先に処理するぞ」


「何の魔法を使いますか」「氷」


杏夏は自分から少し離れるとツララをリザードマンに撃ち続けた


「フ」


歩きにくい沼地からジャンプし、リザードマンに近づいて行った


(めっちゃ高く飛べるんだよなぁ)


足場の悪いこの沼地で、狩りが出来た理由の一つに自分のジャンプ力の高さが大きく貢献していた


目測だが5メートルほど真上に飛べ、沼地をぐちょぐちょ走るよりもジャンプして移動した方が早いのだ


「ぐぎゃ?!」


ザク!


「速さを奪え」


解呪しました。相手の速さを奪いました。一時的に速さが上昇します


ザク!


「速さを奪え」


解呪しました。相手の速さを奪いました。一時的に速さが上昇します


(こいつが死ぬまで速さ奪うか)


狩りを貢献にしたジャンプ力とは別に、貢献した能力の一つが一体のモンスターの力を何度でも奪えることがある。力を奪う時に解呪している為、もう一度呪って奪うことが相手が死ぬまで可能なのだ


「ク、クギャァ」


リザードマンを倒しました


「5バフか」


5回ほどリザードマンの速さを奪った


「モンスター」


【覚醒】の進化後の【モンスター】を使い全力でジャンプし粛清モブの方へ飛んだ


「上から来るぞ!!」


「・・・」


(ここのモンスターは上からの攻撃に非常に弱い。経験がないんだろうな)


ザク!!!


「かっは」


リザードキングを倒しました。経験値を獲得します


レベルが上がります


称号を手に入れました


称号『沼地のキング』


称号『大大ジャンプ』


リザードキングが装備品キングの冠と装備品キングのブーツ、リザードマンの巨大尻尾を落としました


「グギャ?」


状況があまり読めてない周りのリザードマンを軽く処理し次はプレイヤーの方へと飛んだ




相手視点


「クッソなんやあの虫ウザすぎる」


(初心者が指名手配になったから楽に懸賞金手に入ると思ったのに)


「タンク!魔法がこっちまで飛んできてるぞ!」


「うるせぇ!あんな数の魔法捌けるか!」


ピッシュン!ピッシュン!ピッシュン!


「何回撃ってくんねん!」


近づこうとしても何度も撃ってくる氷魔法で足を止められる


「虫が来たぞ!」


「ぷぎゃぁ」


「魔法の詠唱止められた!」


回復したら突撃を繰り返してくる。キモイ虫にも手間を取らされて、徐々にこちらが消耗させられている


「リザードキング死んでないか」


「はぁ!」


指名手配犯がこっちに来てるってことか!


「ぐあ」


それは突然だった


「だ、誰だ!」


ザン!


二人が一瞬で殺された


「指名手配犯だ!」


キュイーン!


「カハ!」


「生命を奪え」


パーティメンバーの冷夏が倒されました


「・・タンク!」


「分かっている!」


突然の出来事に唖然としたがタンクを呼び残りのメンバーで固まった


「・・・」


指名手配犯は静止している


「なんだ?」


ピッシュン!ピッシュン!ピッシュン!


「あ」


パーティメンバーの炎の田中が倒されました


「クソ」


貴重な魔法職が持っていかれた!


ギュワーン!


「は?」


黒く大きな何かがこちらに飛んできていた


「グオオオオ!!」


なんとかタンクの石井さんが耐えれているが


「無理だろ」


「グワ!」


石井さんが耐えきれなくなって吹き飛ぶ


「お前が親玉か」


「ハハ、滅茶苦茶だろ」


たった一人でほぼ全員倒しやがった


「まあ指名手配されてますし」


「それもそうだな」


「じゃ」


ザン!


プレイヤー龍桜雫に倒されました


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