第50話ピンチ
「いてぇ」
首の骨ががりがりと刺激される感覚が、神経を通り続ける
「凄い!凄いですわ主様!」
「はよしてもらえる?クッソ痛い」
体から湯気が出始める
(これHP削られてる?)
「・・・」横にいた杏夏が、口を開け絶句しながらこちらを見ていた
「これは凄い兵隊が生み出せますよ!アハハハ!」
ヤドは背中からボコボコと卵を生み出しまくった
「ふぅ疲れましたわ」
「離れてくれる?」
「もうちょっとだけ吸ってもいいですか?」
「ダメ」
「そうですか、、」ヤドは名残惜しそうに離れて行った
ずるっと効果音がなるかのように針が抜けた
「いたた」
「雫さん凄いですね」
杏夏が名前を呼びながら話かけてきた
「何が?」
「明らかにヤバいことされてるのに、表情一切変わってなかったですよ」
「表情変わらないのは癖やね」
「首もヤバかったですよ。ボコボコ動いてましたし」
「そんなにヤバかったのか」
「はい」
「主様。兵隊が生まれますわよ」
「はっや」
杏夏と数分ほどしか話してないのに、もう兵隊が生まれそうになっていた
「ぴぎゃぁ」
「ぷぎゃ」
「クルワァ」
「3体か」
(もうちょっと生み出してると思ったんやけどな)
「この子達は普通の兵隊を圧縮して生み出したエリート隊ですね」
「ほーん」
(50体ぐらいの強さでも持ってるのかね)
「主―罠設置完了した」
「分かったー」
「後モンスターがこっちに走ってきてるー」
「はよ言えー!」
兵隊の能力を確認できないまま戦闘に突入した
「セレス罠の場所は」
「5個置いた。あそことあそことあれとあれ」
(わかんねぇ)
セレスが指を刺した場所を見たが、どれが罠なのかが全く分からなかった
「ツララ撃ちまーす」
バシュバシュ
「セレス、ハイ」セレスにスケルトンの骨を渡す
「デカい」
「うんじゃあ突撃するぞー」
セレスと一緒に敵陣に突撃した
(5体アラクネ3体ハチ1体狼)
「まずは一匹」
ヒュ
「ぐあ」
ザク
「どんどんいこー」
石を投げ顔面に直撃させ、怯んだ所を急いで近づき短剣で刺す。黄金ムーブで敵を狩って行った
(誰も近寄って来なくなってし、石も露骨に警戒されてるな)
「セレス引くぞ」
「ちょっと待って」
グシャ
「倒した」
モンスターの数はそこそこ減ったがまだまだ多かった
「なんでこいつらこんなにいるのに、数で押さないんだろうな」
「言語の違いじゃないですか」
杏夏のレベルが上がりました
「ここまで来たのか」
「後ろから襲われましたの。幸い兵隊が一瞬で倒してくれて助かりましたけど」
「やっぱボス殺さないと話にならないな」
(ボスを倒せば他のモンスターが、逃げ出すなり弱体化するなりするだろう)
「ボスと言えばあの明らかに風格がある。アラクネがボスなんじゃないですか?」
杏夏が指を刺す先に、明らかに大きさが違うアラクネがいた
「行ってくるわ」
「はいはいー」
グシャ
「兵隊で援護いたしますわ」
兵隊が前の方へ走りだす
「危ない」
ボスと思わしきアラクネから糸が飛んできた
「ぴぎぃ」
(一人動けんくなったか)
兵隊のうち1体が動けなくなった
(こっちに来てるな。相手も同じ考えぽいな)
「お前があの侵略者の主か?」
「そうだ。さっさとお前の首を寄越せ」
「フン、首を無くなるのはお前だ」
ビュ!と糸が口から飛んでくる
「ダッシュ」
前にダッシュを使い懐に潜り込む
「甘いわ」
アラクネの足がこちらを待っていたかのように攻撃してきた
(避けれない)
グシャ
「ぷぎゃぁぁ」
(ガードできる)
兵隊が間に入ってくれて盾でガードできる隙ができガードに成功した
だがまた距離が開いた
(うーん無理やり近づいて刺せば勝ちなんだよな)
「覚醒」
【覚醒】を使い巧みなステップで相手に近づき攻撃を誘いそれを回避した
まではよかった
「!!」
ビキビキビキ
「吹っ飛べ!」
ボスアラクネは何かしらのスキルで、自分の動きを止め渾身の一撃を食らわせてきた
ブワ!
体が衝撃で吹っ飛ぶ
バキバキバキ
枝を折りながら数十メートル先まで飛んでいく
ドン!
大木に背中から凄いスピードでぶつかる
(ああ油断した。スキルのことが完全に抜けてた)
主人の危機を呪いの短剣が感知しました
呪いが発動します。持ち主の生命を削ります
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