第45話誘惑の森
「今回の森は蔓が多いな」
「そうですね。また引っかかった」
杏夏は何度目か、分からないほど蔓に引っかかっていた
「・・・」セレスが呆れた眼で杏夏を見ている
「なんですかその目は」
「ふ、」
「見ましたか!今鼻で笑いましたよ!」
「はよ蔓から抜け出してくれる?」
「助けてくれてもいいんですよ?」
「面倒」
「ひどい、よっし抜けた」
蔦を抜け出した直後、何かが這いずっている音が聞こえた
「セレス聞こえたか」
「聞こえた」
(蔦を操るモンスターか)
「あそこ人いますね、結構小さいから子供かな?」
「、、いるな」
(あれおとりじゃないかな?近くで本体が口開いて待ってるって奴じゃないかね。待てよ)
「セレスあいつからうまそうな匂いはするか?」
「遠くて分からない」
「ふーむ」
(明らかに偽物の感じがするんだよな)
「近づいてみるわ」
「相当怪しいですけど大丈夫ですか?」
「火の射程が届く所で待っててくれ」
「分かりました」
おとりと思わしき子供に、近づいて行く
「生きてるか」
「・・・」こちらを見てくる
(偽物やな。瞬き一切しないし目に光がない)
「本体はどこやろな」
そう言いながら子供を持ち上げる
「うーん蔦とかは繋がってないか」
「・・・」
(分からんし持って移動するか)
「なんで持って帰って来たんですか」
「本体探す時に使う。後イベントが起きるかも知れないからな」
「・・・そうですね。持っていきましょう」
「そうや、セレス人の匂いはするか?」
セレスの顔に子供を近づける
「人の匂いは分からないよ」
「あれ犬みたいに分からないのか」
(人食いやから鼻がいいのかと思ってたがそうでもないのか)
「種族スキルでありそうですけどね」
「レベル上がるのを待つか」
バタバタ
「なんや急に暴れ出して」
ブーンブンブンブン
「ハチの羽音が聞こえる」
「え!ハチですか?」
「多分」
ハチの特徴的な羽音が聞こえてきた
「うん?」
(こいつ、ハチ来た瞬間暴れ出したってことはなんかあるな)
「ハチを探せ。イベントがあるぞ」
「あそこにいます。デカい」
指を刺された方向を見ると
「デカくない?」
そのハチは人の顔と同じほどデカかった
「刺されたら即死しそうな針持ってるやろ、あの大きさ」
「落とします」
杏夏が手を前に出したと思うと手のひらに氷のツララが生成され始めた
「氷魔法使えるのか」
「レベル低いですけどね」
ツララを発射すると、見事命中しハチを叩き落とした
誘惑の森の巨大ハチを、倒しました経験値を獲得します
(誘惑、やっぱりこいつおとりやな)
「素材っていります?」
「貰う」
誘惑の森の巨大ハチの針を入手しました
(セレスには食べさせないほうがいいな、毒耐性があるのかがまだ分かってないし)
「セレス食べるなよ。お前はまだ毒を耐えれるか分からないから」
「はーい」
「ハチを倒せ」
「・・急に喋るやん」
「ハチを倒せ。女王を殺せ。あいつらを殲滅しろ。そしたら力を全てくれてやる」
抱えていた子供が、急に思想強めの言葉を話し出し、少し困惑したが
「いいよ。ただ女王を殺すかはこちらが決める」
「・・女王をこの森から追い出せばいい、ただこの森のハチの殲滅は絶対にしろ」
「物分かりが早くて助かるよ」
「テイムですか?」
「そう便利そうだからな」
「あいつらの住処に案内しよう」
抱えている子供に指示され住みかとやらに進み始めた
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