第38話慈悲

(この剣デカいな)


「ふ、っく」


「もぐもぐ」


(指輪もあるな)


「グググ」ずりずり


「バギバキ」


「セレス。こっちも食えるぞ」


「はーい」


(大体とれたかな)


「あの」


「何かね」


「さっき言ったことは、謝罪するので助けてくれませんか」


「助けてあげるって言ってもどうやって?自分は足を再生させるスキルは持ってないから無理やぞ」


「主戦ってた時と性格違う」


「歯向かってくる奴が嫌いなのよ。徹底的に叩き潰したくなる」


「そうなのか」


「ポーションとか持ってませんか?」


「一応持ってるけどチュートリアルで貰った奴しかないぞ」


「本当にないんですか?」


「ない。じゃあ」


「ま、待って下さい。這いずって町に戻るなんて醜態晒したくないんですよ」


「じゃあ死ぬか?」


「それも嫌なんですよー!」


(なんか吹っ切れてきてるな)


「引きずって町まで持っていってもいいけど」


「背負って下さい」


土下座しながら頼んでくる


「背の差を考えて貰える?背負えないよ」


「え?私より身長低いんですか?」


「前のめりで戦ってるから、気づかんかもだけど自分146やからね。身長」


「えぇ、最近の小学生の方が身長高いですよ」


「まあ無理やから諦めてくれ。じゃあ」


「まあまあ待って下さいよ。私の靴を一時的の貸すので」


「どんな効果なんだ」


「効果先に聞くんですよ。この靴の効果は靴底を自由自在に変えれるですよ。しかもブーツなので伸びてもバランスを崩しにくい」


「いいね。貸すのじゃなくてくれるなら背負って町まで行ってやるよ」


「それはちょっと」


「じゃあ這いずって貰って」


「嘘です嘘あげます上げます」


プレイヤー杏夏から詐欺ブーツを譲渡されました


「う、うう私の大事な装備が、」


「装備」


貰ったブーツを早速装備した


(これどうやって動かすんや)


「足を延ばすように意識したら伸びますよ」


「こうか」


足に意識を向け伸びろ伸びろと思うと


にゅっと足が伸びた


「おお」


にゅにゅにゅと伸び縮みさせる


「おお主凄い」


「私結構使いこなすのに時間かかったんですけど」


「なんやろう。初めて使った感じがしない」


「さあ私を背負って下さい」


「セレスリュック持っとけ」


「デカい」


「ほら乗れ」


「よいしょ」


しっかり持てることを確認しゆっくり立ち上がり靴を伸ばした


「さあ町へ向かいましょう!」


「うるさいよ」


「主リュック重い」


「リュックになんも入ってないだろ、我慢しろ」


「むう」


「一応言っておくけど攻撃してきたら振り落とすからな」


「まさか私が攻撃するわけないじゃないですか」


(調子乗ってる気がするがまあいいだろう。メソメソされるよりはマシや)


「町はどっちだ」


「あっちです!」


「指見えないからどっちか分からんぞ」


「右前です!」


教えられた方向に歩き始めた




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