第20話 火山地帯ヴォルカニカー1
――――コメント――――
[10000円]:【レイレイ】:
もう我慢できない、会いに行っていい?
私ブルー君とヤリたい。
――――――――――――
俺が火山地帯へと向かっている時だった。
「ふぁ!? 投げ銭10000円!?」
突然飛んできた初めての投げ銭。
しかも超高額、一体何だと思ったら初めて俺のチャンネルのリスナーになってくれたレイレイという子だった。
しかしいきなり交尾を求めてくるとは、どんな界隈にもガチ恋勢は沸くとは聞くが、俺にもついに沸いてしまったか。
だが一万ももらって無碍にもできぬ。
「ま、まぁこの世界でなら会えるよ!」
とりあえず当たり障りのない感じで答えておこう。
そして、全力で走りながら3時間ほど、俺の画面の上には新マップへと足を踏み入れた時、特有の名称が表示された。
【火山地帯 ヴォルカニカ】
どうやらヴォルカニカ地方へと到着したようだ。
にしてもこの世界の広さは尋常じゃないな。どこの世界に別の地方へいくだけで3時間かかるゲームがありますかね。
道中気になるところが多すぎたが、ぐっと我慢して今日はこの地方の転移門を開放する。
なんやかんや、すでに半日ログインしているからな。
いかに廃人といえど、基本的には毎日徹夜というわけではない、いや、全然したいぐらいには楽しいけど。
さて、とはいえ転移門ってどこにあるんだろうか。
俺は周りを見渡す。
火山地帯というわりには、溶岩とかは流れていないがまだまだ中心からは程遠い。
遠くに見える火山活動中の山からは糞熱そうな溶岩が垂れ流されていて、多分落ちたら即死亡なんだろう。
今は乾いた大地と赤い岩が続くエリアだ。
お? モンスターが現れたな。とりあえずここまでお預けしてたからそろそろ戦闘を開始するか。
岩っぽいトカゲのような俺の一回りほど大きいサイズのモンスターだ。
この脆い骨の剣と鉄の剣で倒せるのかは正直わからんが、さぁ久しぶりの戦闘だ、楽しむか。
ドン!!
「お?」
と思ったら、突如上から降ってきた巨大な大剣によって、その岩トカゲは木端みじんに砕け散った。
さらにその巨大な大剣の上にふわっと着地するのは……JK? セーラー服っぽい衣装を着た超ミニスカの女の子。
ピンク髪でショートヘア、目が半分隠れているが、それでもわかるほどに整った顔。
耳にはピアスをして、妖艶な笑みを浮かべている。
改造セーラー服がドチャクソエッチでまるでグラビアのようなプロポーションの女の子が空から突然降ってきた。
「ブルー君。初めまして!! スカイライト内なら会ってくれるって言ったから来ちゃった!! レイレイだよ!」
レイレイ……確か俺のチャンネルに初めて登録してくれた子だよな。
一万円の投げ銭までしてくれた。
――――コメント――――
・レイレイってさっき投げ銭したやつだよな。まじもんかよ。
・アイコンの横に公式マーク付いてるから本物だわ。
・悲報、登録者5人の底辺配信者、200万人の有名配信者に殺される。
・なんでいきなり?
・そりゃレイレイっつたらあれだろ
――――――――――――
どうやらみんな詳しいらしい。
俺は配信者を志そうとしているのに、あんまりこの界隈に詳しくはないのだがレイレイって有名なのか?
「え、えーっと。は、初めましてでよかったよな?」
「うん!」
にっこり笑うレイレイ。何だこの子、めっちゃ可愛いな。
滅茶苦茶短いスカートから真っ白な足がすらりと伸びて、ピンク髪のシュートでピアスのギャル風。
制服の上からでも分かるほどに胸は張って、スタイルはどこぞのKポップアイドルかというほどに正直エッチすぎる。
なのに、自分よりも大きな大剣の上に軽やかに乗る姿は、様になってすらいた。
「自己紹介だけしていい? 私レイレイって名前でリアルJKの配信者やってます。アバターとリアルは一致させてるからね。だからリアルでもこれだよ。ほら、公式マーク!」
多くのプレイヤーは自分の理想を追求した美男美女にするか、ネタ系にするかであるのになんとレイレイはリアルらしい。
俺と同じかと思ったが、そういってレイレイが指を差すのはアイコンの横にある公式マーク。
このゲーム顔を作れてしまうので、有名人なんかはこのマークを付けるらしい。
顔出ししてる配信者や俳優なんかは特にそうだな。ということはまじもんで、リアルでもこの感じなのか、とんでもないJKだな。
「ブルー君もリアルはそれ?」
「そうだが?」
「やっぱり! じゃあSNSのアカウントもあれか。ブルー君、配信者になるんだったら写真とかのせるSNSは鍵垢にしたほうがいいよ? 投稿は全部もうチェックしたけど家まで特定できちゃうから」
おっと? もしかしてこの子、やばい子か? 俺の普段使いのSNSが特定されている? あれ? 今家特定したっていった?
そういって俺を見ながら顔を赤らめてちょっともじもじしているレイレイ。
「それでね……私ね……ブルー君とずっとヤリたくって……ずっとずっと……もう我慢できなくってね」
そういえばスパチャで俺とヤリたいとか言ってたな。
普段ふざけているからガチ目に好意を向けられるとちょっとどうしたらいいかわからんぞ。
彼女はできたことはないが、中学時代はこれでも滅茶苦茶モテた。
まぁ野球やってたからモテただけだし、俺の100倍龍一のほうがモテたけどな。
俺が何て返答するべきかと悩んでいたときだった。
「じゃあいくね。もういくね……イクねぇぇぇ!!!」
「へぇ?」
次の瞬間だった。
ちょっと壊れた笑いを俺に向けていたレイレイが大剣を抜く。
まるで竜巻のように回転しながら、俺に向かって振り切った。
「うぉ!?」
俺はそれをギリギリでしゃがんで交わす。
ちょっとだけ髪がかすって切られた。
もし俺がしゃがまなかったら俺の首ちょんぱされてたぞ? まさかヤルって……。
「さすがブルー君! これぐらいは余裕だよね!!」
「ちょ、ちょっとレイレイさん!? もしかしてですけど、ヤルってそっちの殺るのほうですか!?」
「それ以外に何があるの?」
「……………………」
――――コメント――――
・wwwww
・何と勘違いしたんですかね、勇者さん。
・サルで草。
・しかもパンイチだしな。
・レイレイはそのアイドルみたいな容姿の癖にバトルジャンキーとして人気です。
――――――――――――
うるせぇぇ!!!
ちょっと期待したのは男子高校生なら仕方ねぇだろ。
俺だって健全な高2、猿と呼ばれる年代なのだから。やりたいって言われたら、そりゃもうエッチな感じだと思うだろ。
この平和な国日本にいて、殺りたいだとは思わんじゃん。
はぁ、まぁいいわ。
「とりあえず対人戦をご所望ってことでいいのか?」
「うん♥ 配信はしてないからプレイベートだよ!」
どうやら配信なしで、プライベートできたようだ。
戦闘狂? なんかこの無邪気で可愛い笑顔も狂気的に見えてきたわ。
「とりあえず転移門開放してからでもいいか? ここまで結構かかったからさ。先に解放したい」
「転移門ならこのまま進めばすぐだよ」
「お、サンキュー」
そういってレイレイが指を差すから俺はそのまま隣を通り過ぎようとした。
――ぞわっ。
俺は無意識レベルでしゃがむ、すると俺の頭上をやっぱり大剣が通り過ぎた。
「なんで!?」
「だって、切りやすそうな首があったから……」
「あなたは殺人鬼ですか」
そこに山があったからみたいなノリで俺の首ちょんぱしようとするな。
「それに、よく考えたらさ。ブルー君ここで死んだら今までの苦労が水の泡だよね」
「……そうだな」
「死にたくないよね?」
「そりゃ嫌だよ」
「生き残りたいよね? もう一回スカイディアからは嫌だよね? ってことはさ!」
するとやっぱり光悦な表情を浮かべてうっとりするレイレイは俺を見て頬を染める。
「死にたくないから全力で殺ってくれるよね! 私をぶっ殺してくれるよね!!」
まるで快感が耐えきれないとでもいうようなエッチな表情で、体をぎゅっと抱きしめる。
「思いっきりヤろうね!! 死ぬまで!!」
あとがき。
レイレイのイメージはFGOのマッシュがエロいセーラー服を着て、壊れた感じ。
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