戦争のように




 どんなに状況が狂っていても


 それが日常になれば


 やがて何も感じなくなってしまう


 まるで戦争で人を殺すように


 ただ規律に従順であることが求められ


 他には何もわからないな


 正常さは席を立ち


 もう二度とそこへ戻っては来ないだろう


 場面ばかりが忙しく入れ替わり


 振り返ることは許されない


 銃を構えひたすら前方を撃て


 あの闇に潜む人影は本当におれたちの敵なのか?


 頭の中では美しい造花が咲き乱れて


 その色彩に水でもやっているつもりなのだ


 微笑みは狂気


 自分はまだまともだと勘違いしていた


 集団は何か大きな勘違いをしたまま行進を続けた


 自分たちが真っ直ぐ進んでいるのだと思い込んでいた


 それは絶対的に正しいことなのだと


 瞳は純粋だった


 ただ熱狂の渦だけがあり


 きっと何もかもうまくいくと信じ切っていた


 神様から直接、指示を受ける


 今まで一度も起こったことのないことがこれから起こるのだ


 足並みを揃えただ前を行く人間の後頭部だけを見つめ


 刃向かうものは容赦なく殺し


 手つきは迅速で路上ではいつも血が染み出していた


 暗黙の了解が辺り一面を取り仕切ってもう何も言わせやしない







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