木曜の男

 チェスタトンを取り上げることにします。『ポンド氏の逆説』と『詩人と狂人たち』と迷ったのですが、これにします。


 

   ???シンキングタイム???


 構成要素は三つです。「木曜」「の」「男」の三つ。知らない単語はありませんね。

 まず「木曜」は……サタデー、サンデ、マンデ、チューズデー、ウェンズデー、サーズデー……ダメだ。月曜から順に挙げていかないと思い出せない。これはあれだな、数え歌的にリズムに乗って覚える方式の弊害だ、うん。スイヘーリーベーとか、ありおりはべりいまそかりみたいなのとおんなじで。

 あースペルが思い出せない。曜日ってカレンダーだとアルファベット三つで略されてるよな、月もだけど。Sun、Mon、Tue、Wed……あってるよな。サーズ、サーズ、thと後なんだ? うーわからん。“thurthday”でいいか。違う気がするけど。いかん、曜日すら英語で書けないとは。

 次は「の」か。これもなかなか悩ましいんだよなぁ、毎回。前回もそうだったけど“of”のときもあるし、アポストロフィーエスのときもあるし、「の」の意味合いがつく単語もあるし。

 で、「男」は“man”か。これは自信ある。でも、あれか。“human”とか“guy”みたいなパターンもあるのか。まさかの“Mr.Thurthday”とか?



 というわけで

【Thurthday Man】

 で、どうでしょう?



 正解は

【The Man Who Was Thursday】

 でした。



 あーハイハイ、“who”ね、関係代名詞でしょ?

 いや、そこまではいい。サーズデーのスペルミスもいい。

 なんだ“was”って? 過去形?

 あーはいはいはいはい。そうか、そういうことか!

 いや、これは書けないな、さすがに。


 そして待て。『木曜日だった男』というフレーズには見覚えがあるぞ。そうだ、新訳が出ていたはず。

 調べたら出てきました。私が思い描き、手元にあるのは吉田健一訳の創元推理文庫版『木曜の男』なのですが、南條竹則訳の光文社古典新訳文庫版の『木曜日だった男 一つの悪夢』があるのです。


 待て、待て。光文社新訳文庫版のほうが“was”を拾っているが「一つの悪夢」ってなに?

 調べました。どうやら正確な原題は【The Man Who Was Thursday:A Nightmare】のようなのです。




   ★★★作品情報★★★


 木曜の男(G・K・チェスタトン著/吉田健一訳/創元推理文庫)

 木曜日だった男(G・K・チェスタトン著/南條竹則訳/光文社新訳文庫)


 まぁとにかく変な作品なので、できれば、あらすじを知らずに読んでほしいです。チェスタトンで新訳を出すときにコレを選んだかぁ。光文社新訳文庫は『オリエント急行~』も出ていたような。

ミステリに限らず、このレーベルにはお世話になっています。岩波文庫で挫折したやつの読み直しとかに便利です。



!!!単語!!!


 Thursday 木曜日

 nightmare  悪夢

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