煙で描いた肖像画

 バリンジャーは読まれていないんじゃー。それが悔しいんじゃー。

 駄洒落いっていないで、ちゃんと魅力を語りなさい。そうすれば、もしかしたら、読者が増えるかもしれないのだから。


 

???シンキングタイム???


 困難は分解せよ。

 今回は「煙」「描く」「肖像画」の三つが思い浮かべば、正解が見えてくるな。実は厄介な「で」が大きなポイントになりそうではあるのだけれども。


 まず「煙」はスモークでしょう。スペルは“smoke”か。

 次は肖像画。わからん。いや、なんかあったな。「ポートレート」か。ん、でも「ポートレート」って写真じゃないのか?まぁいいか、他に思いつかないし。綴りは……“portrait”かなぁ。“rait”の“r”が“l”の可能性はあるけれど。前回のシリーズから続く、「LなのかRなのか、それが問題だ」問題。

 で、「描く」か。そういえば、この作品をずっと『煙でカいた肖像画』と読んでいたのだけれど、『煙でエガいた肖像画』の可能性があるな。いや、むしろ、そっちのほうが正解っぽいな。うーん。

 そして「描く」ねぇ。すっと思い浮かんだのは「ペイント」なんだけど、“paint”って「塗る」じゃないのか。「描く」で「ドロー」みたいな音の単語なかったっけか。“draw”みたいなやつ。あ、、でも画家はペインターか。なんかペインターって、塗装工みたいな響きがあってアートと縁遠い気がするけれど……

 地味に頭を悩ませる「で」は手段か。“by”か。いや、動詞の活用でなんかいける気がするぞ。ほら、語尾を“-ed”にするやつ、あれよ、あれ。って、阪神の岡田監督か。


 というわけで

【The Portrait Painted Smoke】

 で、どうでしょう?



 正解は

【Portrait in Smoke】

 でした。


 まぁ“the”をつけてしまいがちなのはいいとして、“in”ですか。

 ちょっと納得いかねーなー、とグーグル翻訳に“portrait in smoke”と打ち込み、日本語に変換してもらいます。「煙の中の肖像画」ですか、そうですか。



★★★作品情報★★★


 煙で描いた肖像画(ビル・S・バリンジャー著/矢口誠訳/創元推理文庫)


 バリンジャーは『歯と爪』で有名ですが、それだけではないと声を大にして言いたい。『歯と爪』にケチをつけるわけではないのですが、「袋とじ&返金保証」がパワーワードすぎる気がします。あれ、実際に「袋とじ破いていないのでお金返して下さい」と申し入れた人はどれぐらいいるのでしょうか。

 一種のお遊びなので、みんな、ハードルを上げた状態で対面する真相に「つまらない」とはならなかったようにも思うのですが。



!!!復習メモ!!!


 portrait 肖像 写真 描写

 smoke 煙 煙を出す 煙草を吸う 燻製にする



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