希望の光
星光かける
ヒーロー
僕に任せて!
そう最後に言ったのはいつだっただろうか。
幼少期から正義のヒーローに憧れていた。
テレビで見た戦隊モノに憧れた。
ずっとあんなふうになりたくて努力してきた。
誰かのピンチに寄り添えるように。
誰かの闇を共に背負えるように。
事実、その努力は報われた。
中学に入るとたくさんの困った人を助けることができた。
同級生。先生。近所の人。どこかの会社員。
数え切れないほどの人を助けた。
でも、気付かされた。
ヒーローのヒーローはどこにもいない。
僕は裏切られた。
助けて。救って。そして嵌められた。
何を言っても、どんなことをしても、誰も何も信じてくれない。
僕は堕ちた。
堕ち続けた。
救ってあげた人も皆離れて行った。
堕ちた果てで僕は壊れた。
夢を追い続けることをやめた。
誰かに期待されることが嫌いになった。
人と会うことが怖くなった。
周りとの間に壁を作るようになった。
極力誰とも話さなくなった。
あんなに誰かと一緒に話して、遊んで、笑うことが好きだったのに。
でも、誰も僕のことなんて心配しない。
今日も仮面をつけて高校へ行く。
そして探している。
いつか堕ちていく者を。
希望の光 星光かける @kakeru_0512
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます