第7話初クエストが、初心者むけでは…ないだと!
俺たちは、その日は近くの宿屋に泊まる事に決めた。もちろん男女別々にできるわりかと高い宿屋だと山県は言っていた。
「今回は、私が奢ってやるからな!大丈夫だが明日からそうはいかないからね。もしダメだったら馬小屋でねてもらうから!」
オレンジジュース片手に彼女は決めポーズして俺に向けて告げる。赤備えの鎧が立派で凛々しさがあるのだがいかんせんまで歳は十五と信春に聞いたために可愛らしい少女にしかみえないので軽く笑いながら手を振ると、一気に彼女の機嫌が悪くなり飛びかかろうとしているところを昌信以外の二人がとめに入っていた。
とりあえず俺と昌信はすぐに宿屋の二階で眠りにつく。長篠での帰りだった為にだいぶ疲れが出ていたのだろう。明日から始まる新しい生活に少し期待しながら俺はいつも間にか瞳を閉じてしまっているのだった。
「なんだ!これは!?」
朝一番からそんな悲鳴を俺は上げてしまっていた。
慌てて入ってきたのは昌信と昌景達だった、どうやら只事ではないと思ったのか四人とも息を切らしていたのだ。
「どうしたんですか?、こんな朝から大声を出して、とりあえずお怪我はありませんか、殿」
視線があってしまい、昌信は心配しながら様子を見るようにのぞく。
「いや、お前俺の顔を見て何も言わなかったのか?どうみても……」
俺は、この世界にきて初めて鏡をみた。昨日の見てなかったのは疲れていてそれどころではなかったからだ。
それで今日顔を洗い初めて見た結果衝撃を受けてしまった。
どう見ても、十代後半の年齢まで若返ってしまっている。それで昌景が俺にオレンジジュースを渡してきたのも納得するし、あの昌景の娘が俺をしきりに仲間に入れたかったのもわかる気がしてしまう。
「(冒険者ギルドのお姉さんもあそこにいた冒険者連中もなんか、態度が優しかったのも俺の見た目が理由だったからなのか?)」
俺は額に手をやり、小さくため息をこぼした後全員部屋から出て行ってもらい今度は自らの体を鏡を見て確認すれことにした。
みんなから少し遅れる形で、冒険者ギルドに着く。奥のテーブルに四人は既に座っていてなにかの話をしているようだった。
「すまない、遅れた」
短い、謝罪を述べてから俺用に確保していたのであろう椅子に俺はゆっくり座る。
「今は、なんの話をしているんだ?」
「あぁ、殿!実はですね〜」
少し顔をしかめて頭をかきながら昌信は少し困った顔をしている。どうやら雲行きが怪しい内容になっているようなのだろう。
「勝頼!?、よいところにきたな!!実は昌信のあんちゃんがなかなか首を縦に振らないのでな、お前にも意見を述べてもらおうと思ってな。
昌信がいい終わる前に昌景が横槍をいれにきて三枚の用紙をわたした。そこにかかれていたのは冒険者による仕事つまりクエスト用紙だ、そね内容は。
「おい、これでいけるやつあるのか?」
「はい?、これなら初心のあなたたちにもと」
「だからといってこのヤマタのオロチやオーク百体とかのクエストが初心だと?」
よくみると危険の文字がたくさんあるのだ、こんなのを俺たちにやらせようとしていたようだ。
「いや、もう少し優しいクエストにしてもらいたいのだが……」
今ならまだ間に合うと思い、昌景に交渉を持ちかけようとするが。
ガシッと、俺の服を掴み、昌信は首を振る。既に目が据わっているのを見てしまい、俺は今度は大きいため息をこぼしてしまう。
「ハァー、でどんなクエストにしたのだ?」
「えーと、このオロチとキメラの二体討伐にしたんだよ」
昌景はにこやかに答えた。ワクワクと瞳がキラキラと光っているように見えてしまう程分かりやすく興奮していたのだ。隣に座っている馬場と内藤は死んだ目をしていた。
かくして、俺は何も言えずに初クエストに挑む事になる、一応冒険者ギルドにもクエストのランクあり、高ランクほど危険がますのだが、今回のクエストはSランクつまり最高難度のクエストだ。
「(俺たち…帰ってこれるかな?」
ウキウキな昌景以外俺たちは、不安と共にクエストに向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます