Divive7「板挟みのジレンマ」
「なぁ、もうどんぐらい歩いたよ?」
「うーん……20分ぐらい?」
「まだ登り始めたばっかだよ、そんなんじゃ頂上に着く前に倒れちゃうよ~」
ゴールデンウイークが終わりに迫ったある時、俺は渚と積姫の3人で、レグルスシティから北の方にあるアルデバランタウンの山に登っていた。所謂ハイキングって奴だ。
「ってか何で山登りなんだ?こう……カラオケとかボウリングとか遊ぶ所はいっぱいあるだろ?」
以前積姫に今度遊ぼうと誘われたいたが、想像していたのと別の出来事が起きて、レッカは少し困惑していた。そんな彼の回答に対して、積姫はニッコリした表情で答えた。
「何言ってるの?自然を味わって、大地を踏みしめて歩いていくのがいいんじゃない!ホラ、空気も美味しいし」
「でも、ここ人工島だぜ?」
「確かに、そう言われると不思議な感じだよね、こういう山が何で作られてるのかって」
「それは……実際の山とかそういうのがあった方が雰囲気あるしいいスポットって感じで魅力でるでしょ?多分」
人工島にもいくつかの種類は沢山ある、例えばこのビクトリアアイランドの様に5つに別れて、それぞれ街並み、雰囲気が違う。俺達の住むレグルスシティは日本の街並みの様、東のベテルギウスシティは工場地帯で盛んでいる、西のカノープスタウンは中世の街並みを意識されていて、ここアルデバランタウンは自然豊かに溢れている、南のハダルシティはアメリカみたいって感じだ。
他の所は行った事がないから、なんとも言えないが……それぞれ独自の観光地の様な役割も果たしている。ゴーレムが現れる前までは……
「でも、そう考えると本物の山の登ってみたくなるよね、富士山……だっけ?日本の」
「確か日本で一番高い山だろ?母さんが送って来た写真で見たことあるぜ」
「へぇ~行ってみたいね、それは」
他愛もない会話を弾ませながら、頂上まで歩き続けた、しんどさも徐々になくなって、夢中になって歩き続けていると、遠くから俺の名を呼ぶ声が聞こえたので振り返った。
「ちょっ……ちょっとレッカ君、早すぎるよ~」
「さっ、流石に休憩しよう、ね?」
「あっ……ワリィ!つい、気付かなくって」
遠くの方で、渚と積姫が疲れて膝に手を当てながらで立ち止まっていて、俺はすぐさま、2人の方に駆け下りていった。岩に座って水筒の中のお茶を飲みながら、一休みときた。
「レッカってそんなに体力あった方だっけ?なーんか最近変わったって感じ?」
「うん、食べる量は増えるし、アレだけ歩いて息は切らしてないし、でも授業中は寝る時が増えたし」
そりゃ、PSディバイダーになって訓練受ける様になって嫌でも体力は付くだろうし、疲れて授業中寝ちまう事がある。とは言え、本当の事は話せない、なんとか誤魔化すしか………
「まっ……まぁ、年頃の変わり目ってやつ?そういうもんだよ!!」
「ふーん、でも置いて行かれそうになった時はちょっと悲しかったかな、ねぇ渚ちゃん?」
「うんうん、ちょっとビックリしちゃったもん」
「だから、ゴメンって、なぁ?」
誤るレッカに対し、2人はからかう様に笑っていた。困った表情をする彼の様子が面白いみたいだ。
「しっかし、圭達が来なかったのは残念だったな~」
「仕方ないよ、用事でもあったんでしょ?」
圭とノボルも誘っていたのだが、2人は用事だなんだので参加できなかった、こう……野郎もう1人ぐらいてくれた方が心強いというかなんというか………
「でもよかったじゃん、可愛い女の子2人と一緒に山登りなんて、そうそうないよ?」
「なっ、お前なぁ………」
レッカは恥ずかしくなったのか、顔を赤らめて、2人から顔を背けた。
「ふーん、そういう風に見てたんだ、レッカ君」
「ちがっ……そういう事じゃなくて!!」
レッカは慌てて、突然立ち上がった。仮にも高校1年生の男子、異性の事を意識してしまうのは
「アハハハ、さっ、大分休んだ事だし、そろそろ行こっか!!」
積姫が立ち上がると、歩くのを再開した。自然豊かな山道を進み、そこから1時間、ようやく頂上が見えてきた。
「着いた~!ほら見て、凄くいい景色じゃない?」
「本当だ!!こんなの初めて……」
「こりゃすげぇな……こんな所があったなんて」
頂上からの景色、島が1つにとけあっているかのように見えるほど絶景だ。山の頂上から見る景色がこんなにも凄く、美しいなんて思った事もないから少し感動してしまうぐらいだ。隣でそれを見つめている渚と積姫の笑顔を見た俺は思った。俺はこの笑顔を守りたいんだって。
――――――――――――
時を同じくして司令室では、静香がパソコンと睨み合う様にある資料を制作していた。
『銀河レッカ、
レグルス本部に搬入される予定だった
「ふぅ………」
パソコンを畳んで、眼鏡を外して眉間を抑え、椅子の背もたれに掛かりながら静香は窓の外を見つめた。
「失礼します、よろしいでしょうか?」
司令室に沙織が入って来た、彼女の手にはレッカが使っている青いディバイイヴ・デバイスが握られていた。
「どうした?」
「その……レッカのデバイスがメンテナンス終わったのですが、どうにも取りに来る様子がないものでして。どうせどっかで遊びほうけているんでしょうね」
「はぁ…いやはや、彼もまだ子供というわけだ」
ディバイダーたるもの、デバイスを常に肌身離さず持つ事が義務づけられているが、メンテナンスをしていた事。休みの日に出かける事が重なり、取りに来る事はなかったとの事。それに対して静香は眉間を抑えながら、呆れたようにため息を吐いた。
「まぁ、事態が発生したらすぐさま彼の元へ行って渡しに行ってくれ、そうならない事を祈るが」
「分かりました、全くレッカの奴………!!」
沙織はカンカンに怒りながら、司令室を出た。その様子を見ながら静香は眼鏡を外しながら、窓の方を見る。
「本当に大丈夫か・・・・・こんな事で」
机の上にはレッカの写真が載った書類とレポートで埋まっていた。彼はG.O.Dに入隊したとはいえ、正式な手続きはまだ受けていない、やる事は山積みの様だ。
「じゃーん!!今日の為にいっぱい作ったんだよ~」
「すっごく美味しそうだよ!ねぇ?」
「美味しそうじゃなくて、美味しいんだぜ、そっちも随分張り切って作ってるみたいだけど」
「まぁね~」
頂上で昼食を食べようとするレッカ達、渚の用意した弁当は、二段の大きな重箱で用意されており一番上の段には、からあげ、卵焼き、肉じゃが、たこさんウィンナーなどのおかずがぎっしりと詰まっており、二段目にはおにぎりがぎっしり詰まっていた。
「私のはコレ!どうかな?」
積姫が用意したのは大きなランチボックスの中に9個のサンドイッチに、プチトマトに、ウサギの形をしたりんごが詰まっていた。
「うわぁ~積姫ちゃんのも美味しそうだね、ねぇレッカ君?」
「あっ……あぁ、そうだな」
レッカはどこか引きつった様な表情をしていた、それもそのはず、レッカはトマトが苦手なのだから、渚はそれを知っての事か、レッカに問い詰める様にしてニッコリ笑った。
「よっ……よし、じゃぁ食べようぜ!!」
積姫にトマトが苦手と言うのも気まずく、尚且つ食べないわけにはいかない、レッカは真っ先にプチトマトをフォークで取って一気に口にした――――――
「じっ……実に新鮮なトマトだな~」
「ウフフ、美味しそうに食べるね」
口の中で酸味が溢れる、レッカはコレが堪らなく苦手みたいだ。そんな彼を、面白い物を見る様な目で、渚が笑っていた。
「う~ん!渚ちゃんの卵焼きすっごく美味しい!!」
「えへへ、朝早く起きて作った甲斐があったよ!」
「こりゃ美味い、いくらでも食べられるもんだぜ!」
レッカはおにぎりやからあげを頬張った後、たまごのサンドイッチを口にした。
「ん~~~~~!コイツはうめぇ!!いや悪いな、作ってもらっちゃって」
渚と積姫が弁当を作ったの対してレッカは用意していなかった。
そんな彼に、渚は笑顔で言葉を返す。
「うぅん、私達が作りたいから作ったんだよ」
「それに、そんな美味しそうに食べてくれるんだもん、もう少し作っておけばよかったなって思うぐらいにね!」
沢山あった弁当もあっという間になくなっていた。少し休憩を挟んだ後、3人は山を降りる事にした。
「いやぁ~楽しい時間もあっという間だったね!」
「だな、たまにはこういうのも悪くないなって」
そう思った瞬間だった――――――――――――その日常はあっという間に崩れ去った。
「なっ………何!?」
「オイ、嘘だろ……マジで言っているのか!?」
突然遠くから爆発音が聞こえ、頂上から見渡すと、街の方で2体のゴーレムが進んでいる姿が見えた。そこへアルデバラン支部所属のPSである水色のウォーリーが3機、応戦をしていた。が、善戦してるとは言い難い状況だった。
「こっちには………こないよね?」
積姫が不安そうに言っていた、幸い、こっちの方にはゴーレムが来る様子はない、俺はいてもたってもいられなかったのか、腰ポケットからデバイスを取り出そうとする、が………
「しまっ――!?そういやメンテナンスに出してたんだった…」
デバイスがない事を今思い出した、それよりも2人の目の前でPSを纏うって事自体が危ないんだ、だけど、どうしたらいいか……下手に動けば、2人を巻き込む形になるし……
「とにかく、こっちに来ない事を祈るしかないな…下手に動いたら気付くかもしれないし」
今の俺にはそれしか言えなかった、渚も積姫も不安そうに胸を抑えていた。突然こんな事になったら当たり前の反応だ。そんな俺をよそに、突然ポケットにしまっていたスマホの着信音が鳴り響いた。
「ん?なんだこんな時に………」
スマホを手に取り電話に出る、すると突然聞き覚えのある声で俺を怒鳴り付けた。
『アンタ、今どこにいるの!?ゴーレムが現れたってのに、呑気にデバイス忘れて!!』
相手は沙織だった、通話越しに分かる怒りに満ちた声、聞いただけで背筋が凍る勢いだ。俺は渚達に悟られない様にすぐさま少し距離を置いて通話を続けた。
「わっ……悪かったよ!けど丁度よかった!」
『丁度って……なるほど、現場からは近いみたいね』
レッカの一言で沙織は今の状況を大体察した。
沙織は後ろにいたミオンに頷きながら、合図を送っていた。
『しょうがないわね、とりあえず今いる場所を教えて、迎えに行ってあげるから』
「あっ……あぁ、すまねぇ!頼むわ。アルデバランタウンの山の頂上にいる、友達も一緒なんだ、そいつらの避難も…ダメか?」
『ダメなわけないでしょ、むしろそっちが優先!アタシ達が来るまで、ちゃんと守ってあげなさいよね!!』
俺は申し訳なさそうに沙織に頼み込んだ後、通話を切った。
スラッシュ、あるいはウィンガーがレグルス本部からこの山に到着するまでに10分は掛からないはず。最悪、正体がバレるかもしれないが………その時は覚悟するしかないな。とりあえず、今この状況をどうにかするか、話はそれからだ!
「俺がこっから様子を見るから、2人は何時でも逃げれる状態にしておいてくれ」
「だっ……ダメだよ、レッカ君1人置いていくみたいに逃げるなんて!」
「そうだよ!みんなで逃げないと………」
2人が心配そうにこっちを見ていた、安心させる様にして俺はこう答えた。
「っく、ちょっとはカッコつけさせてくれよ!レディファースト……だろ?」
その瞬間、背後に何かいる気配を感じた、そして茂みの中から何かが飛び出して来た――――――――――――
「危ない―――――!!」
俺は咄嗟に飛び込んで身を挺して2人を庇った。
現れたソイツは、カサカサと音を立てながらこちらを睨む様に見ていた。
「こっ………今度は何!?」
「アレは、そうか前に言ってた………!」
飛び出して来たのは三輪車ぐらいのサイズの小型で、蜘蛛の様な形をしたゴーレム、タランチュラ級だ。よりによってこんな所に現れやがって………
「あっ…アレも、ゴーレムなの?」
「………みたいだな」
どうやら積姫達がソイツを見るのは初めてみたいだ、突然現れたタランチュラ級に2人は怖がっていた、後ろに隠れながら俺の肩を掴んだその手の震えは、直接全身に伝わってきた。タランチュラ級が突進する様にして飛び込んだ所を、俺は両手で受け止め、力づくで抑えた。
「いっ……今の内に早く………!!」
「でっ……でもそれじゃぁ、レッカ君が!」
「んな事言ってる場合か!いい恰好ぐらいさせてくれよ」
「なっ……渚ちゃん、いっ、行こう!」
渚の手を取って積姫は一気に下の方へ走り出した。走る姿が見えなくなったタイミングで、俺はタランチュラ級を叩きつける様にして投げた。
「ふぅ、ここは俺が何とかしないと……!!」
自分のリュックを武器代わりにして、俺はタランチュラ級に攻撃を仕掛けようとした所、崖の方から柵を超えてタランチュラ級が複数体現れた、もしこれが渚達の方に向かったら……と思うと怖くて仕方がなかった。
「オイオイ………でも、やるしかないか!」
無数のタランチュラ級が迫り来ようとした瞬間―――――――
1体、また1体とその身体が真っ二つに切り裂かれていった、そして上空を見渡すと………
「全く……アンタって本当に無茶するんだから!」
「いやぁ、ナイスタイミングで来てくれたよ」
スラッシュリベリオンが飛行しながらこちらへやって来た。
頂上に着地すると同時に、迫って来るタランチュラ級を一気にスラッシュブレードで一掃していった。ぎこちなく動く1体も右足で踏み潰しながら俺の方に向かって来た。
「ほら!っく……このバカ!!」
デバイスを俺の胸に叩きつけて来た、機体越しに沙織の怒った顔が浮かんできそうな勢いだった。俺はそれを受け取って、渚達の逃げた方向に走りだそうとした時、スラッシュが俺の腕を掴んで止めて来た。
「大丈夫よ彼女達なら今頃、ミオンが避難させてるから」
「分かった……遅れた分はしっかりと挽回してやるさ!!」
俺はデバイスを天に掲げて起動ボタンを押したと同時に、アンバーリベリオンを
「あの……」
「どうしたの?」
渚と積姫は
「友達……レッカ君は大丈夫なんですか?1人で無茶してなければいいんですけど……」
心配そうに涙を浮かべる渚に、ウィンガーは心配させまいと一言彼女に言った。
「大丈夫よ、アタシの仲間がちゃんと助けてる所だから!ほら、こっからは2人で大丈夫よね?それじゃ、アタシももう一仕事しなくちゃ!!」
避難区域まで辿り着き、ウィンガーはそのままゴーレムの現れた方まで飛び出していった。飛び去るウィンガーを見て、渚と積姫は唖然としていた。
「あのPSの人……女の人だったね………」
「ねぇ、意外」
一回り大きいウィンガーには屈強な男性が装着していると思っていた様だ。
「あそこか………!!」
アンバーが街の方まで辿り着くと、そこには通常級のゴーレム2体が暴れていた、既に戦闘を行っていたウォーリー3機は、2機が全身がぐちゃぐちゃに破壊され、もう1機は右腕を失いながらも、マシンガンで応戦していた。
「クソっ!この化け物共が―――!!」
残弾がなくなり、リロードするにも片腕がなく成す術もない、逃げようとしたウォーリーを1体のゴーレムが右手で掴んだ。
「やめろ……死にたくない!!」
ゴーレムがウォーリーを握りつぶそうとした、その時。
「辞めろ――――――――――――!!」
アンバーがマルチプルライフルをソードモードにして掴んでいたゴーレムの腕を切り落とした。
「アンタ、戦えないなら早く逃げろ!!」
「あっ………あぁ!!」
九死に一生を得たウォーリーは、怯えるあまり言葉が出ず、そのまま逃げだしていった。
「さぁ…今度は俺が相手だ!!」
腕を切られ、怒りに狂ったゴーレムはアンバーを捕まえようと、左腕で掴みかかろうと仕掛ける。
「ゴォォォォォォォォ!!」
「そんなノロい動きで!!」
掴みかかろうとした腕を跳躍して回避し、そのままゴーレムの頭部に着地し、左肩のフォトンサーベルを取り出して、そのままゴーレムの右目に突き刺した。苦しんでいるゴーレムの隙を突いて、アンバーはそのままジャンプして、マルチプルライフルをライフルモードに変え、首の隙間目掛けてライフルを撃ち込んだ。
「オォォォォォォォ!!」
直撃を受けたゴーレムは倒れ、塵の様に消滅していった。
「よし!残りもういった………っ!?」
アンバーが地面に着地したと同時に、背後から何者かからの攻撃を受け、その場に倒れた。
「こっ………コイツら、まだこんなに!?」
周りにはタランチュラ級の大群がアンバーを囲んでいた。目から光線の様なものを放ち、立ち上がろうとするアンバーを攻撃する。シールドで防ぐが、圧倒的数の攻撃の前に、身動きが取れずにいた。
「レッカ―――――!!」
ゴーレムを1体倒し終えたスラッシュが、苦戦するアンバーの元へ駆けつけようとするが、それに気づいたタランチュラ級の攻撃がスラッシュを襲う。
「邪魔だぁっ!!」
スラッシュの右腕に装備されているバルカン砲で1体、1体を蹴散らすが、撃っては増えてるみたいに数が多く、キリがなかった。
「っそ…どうにか隙を作れれば――!!」
攻撃が続く中、反撃の手立てを考えるアンバー、だがタランチュラ級の攻撃は止まず、それどころか徐々にその距離は近づいている一方であった、もはや絶対絶命………とその時―――!!
「っ……?」
上空からミサイルの雨が降り注ぎ、タランチュラ級を一気に撃破していった。アンバーが空を見上げると、そこには以前戦ったPS、ワイバーンがそこにいた、しかしその色は紫色に染め上げられており、頭部には1本角の様なアンテナが加えられており、右手には大きな槍の様な武器を装備していた。
「誰だか分からないけど……今の内だ!!」
耐性を立て直したアンバーは、ソニックアンバーにアームドチェンジをして、ソニックブレードで残りのタランチュラ級を一気に薙ぎ払った―――――――
「はぁ……はぁ、コレで全部か?」
「みたいね………」
スラッシュと合流し、破壊されたタランチュラ級の残骸を見渡す、そこへ紫色のワイバーンが着地し、こちらへ向かって来た。
「来て早々、援護に向かえと言われて来てみれば、噂の新人も大した事ないんだな」
「なっ…なんだと!?誰だか知らないがいきなり失礼だな!!」
冷静沈着な男の声でアンバーを煽る様にする紫のワイバーン、その態度にアンバーは怒りながら言い返した。
『どうやら、間に合ったみたいだな』
「司令、って事は彼が………」
そこへ静香からの通信が入って来た。それを聞いたスラッシュは何かを察した。
『あぁ、彼こそが我らレグルスに異動してきたグレイ・アルフォンスだ』
グレイ・アルフォンス、それが紫のワイバーンのディバイダーである男の名だ。
To be continued…
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