Divive4「スラッシュ スクランブル!」

「へぇ~これが新しい装備かー」

「えぇ、ちょっと完成は遅れたけど、コレでアンバーも本調子で戦えるってわけ!」


 レグルスの格納庫にて、ミオンはレッカにアンバーの新装備について説明していた。小さな盾が装備された銃器型の武器だ。


「マルチプルライフル、ここの先端部分を換装して様々な武器として使えるのよ、剣とかレーダーとかね」

「へぇ~随分面白そうな武器だな!」

「なんてったってアンバーは様々な局地で戦える様に作られたもの、アームドチェンジだってその一環よ」


 アンバーの開発コンセプトは「様々な状況下でもマルチに戦闘を行える」事にあるとの事だ。水中戦と格闘戦に特化したアクアアンバー、高速戦闘と空中戦を得意とするソニックアンバー、そして基本形態をアドバンスと称し、これら3つの形態とマルチプルライフルを駆使して戦う。まぁ色々器用に戦えるって事だな。


「だからアンバーを使いこなすにはその時その時でどんな戦いが適してるかってのを理解しないとならないのよ」

「こりゃ、覚えることが多くて大変だな」


 凛々しい姿を眺めながら苦笑いをした。その隣には白と赤みがかったピンク色が基調のカラーに、鋭いUの字アンテナとポニーテールの様な鋭いトサカが目立ち、右腕にバルカン砲を装備し、やや細身のPSパワードスーツが整備されていた。アレが前に言ってた新型の内の1機か……


「えぇ、GODRレグルス-002スラッシュ、もうじき修理が終わる所なの」


 レグルスに配備された5機のうちの1機、スラッシュリベリオン。近接戦闘に特化し、機動力に長けているとの事だ。ゴーレムに受けた損傷が少なく早期の修理が間近に迫っている。アンバーリベリオンの型式番号はGOD-R-003、現在もう1機修復している機体は4号機。1号機、5号機は運用不可能な状況に追い込まれていた。


「あっ、沙織!ようやくアンタの機体の修理が終わりそうなのよ、ウズウズしてるんじゃない?早く使えないかって」


 沙織がやって来てスラッシュを見つめる。その拳は強く握り絞められていてどこか切ない目をしている。


「コレがあれば……」


 その瞬間、レッカの方を睨む様に見つめた。対抗意識があるのか、あるいは……その時、突然サイレンが鳴り響く。ゴーレムが現れたのだろう。


「おっと、お出ましの様だな!今行く!!」


 サイレンの音に気付いたレッカは走り出した。

 その方向を振り返る沙織、歯を強く食いしばりどこか悔しそうな表情をしていた。その隣でミオンが心配する様に見ていた。






 ――――――――――――――


「グォォォォォォォォォ!!」


 市街地でゴーレムが一体現れ暴れ出していた。

 ビルを破壊し車を踏みつけ、ゆっくりと人々に迫る。その頭上に粒子を帯びた光線が放たれ、上空からアンバーリベリオンが飛翔していた。


「ふぅ……何とか間に合った、わけでもないか……」


 辺りを見渡すと瓦礫の下敷きになった人々、怪我をして逃げ遅れた人々を見てレッカの胸を抑える。


「だったらコイツで!」


 マルチプルライフルの銃口が粒子に包まれ、そこから大剣が生成される。形態の1つ、ソードモード。それを前に突き出しながら、ゴーレムに向かって上空から突撃する。


「ウオオオオオオオ―――!!」


 頭上から一気に振り下ろして、斬り付ける。怯んだ所に、胸部目掛けて突き刺し、その硬い身体を貫いた。


「ォォォォォォォォ……!!」


 力尽きそうになり、わるあがきをするかのように、右手で握りつぶそうとするが、胸部に刺さったソードを引っこ抜き、右足で反動をつけて後退する。やがて力尽きて前から倒れ、塵になる様にして消滅していった。


「ハァ………これで任務完了っと!」


 辺りを見渡しそこには破壊の限りを尽くした後が残されていた………そこへ静香から通信が入って来た。


『ご苦労だったな、後はこちらで対処する。戻って来てくれ』


 アンバーはその場かレグルス本部まで戻っていった――――




 ――――――――――――――


「任務ご苦労、君があの場でゴーレムを倒してくれたおかげで事態の最悪は免れた。今はゆっくり休んでくれ」

「了解っと、でもこれじゃ気が気でいられないですな……」


 いつ何時、何時現れるか分からない状況にやるせない表情をレッカは見せた。それを見ていた沙織は小言で呟く。


「スラッシュの修理が終わってればアタシだって・……」

「沙織………」


 小言が聞こえたのか、彼女の方に視線を向けた。






 ――――――――――――――


「………」

「なぁ沙織、いよいよあのスラッシュっての修理が終わるんだろ?これから一緒にやっていくんだ、だからそんな不機嫌そうな顔しないでくれよ」


 道中歩きながら、何気なく声を掛けた。彼女はどこか不満気な様子を見せながらこちらを見てくる。


「別に、アンタも知ってるでしょ?アタシ、元からこういう顔だから………悪かったわね!」


 強めに怒鳴って、その場から急に走り去ってしまった。一瞬見えた彼女の目には涙が溜まっていた。自分なりに場を和ませようと思ったのだが、返って逆効果の様だった。何でそんなに不機嫌なのか?何を苛立ってるのか?その気持ちが汲み取れずにいた。


「なんだよアイツ………?急に怒って不機嫌になって、全くわけが分からんつうの!!」


 そこに静香が後ろからやってきて、肩を叩いた。


「すまないね、あの子にも色々あるんだ。君も何となくは分かるだろ?」

「司令…んまぁ、アンタらの家柄って色々あるんでしたっけね」


 銅月家、G.O.D創設者の第一人者の家系で、沙織の父は現最高総司令官、銅月弦間あかつきげんま、彼女は一族の未来を背負っており、そのプレッシャーは計り知れない。跡継ぎの為、ひいては銅月家の誇りの為、G.O.Dに入隊した。


「いやまぁ、アイツが色々大変なのは分かるけど……当たられるこっちに身にもなってほしいものっていうか……」

「そう言ってやらないでくれ、君たちは喧嘩は良くしていたがなんだかんだ仲直りしてたじゃないか。また今回も同じようにいくさ」


 静香が去っていくのを見ながら、壁にもたれ掛かって天井を見上げ、昔の事を思い出す。





 ――――――――――――――


「レッカのばかー!!」

「ばかはどっちだ!!」


 幼い日の頃、レッカと沙織が公園で遊んでいた時、作っていたいた砂のお城を壊してしまった時の事だ、わざとでないとはいえ、つい踏んづけて壊した事に大変怒っていた。


「どうしてくれんの!せっかく作ったのにー!!」


 レッカの胸ぐらを掴みそのまま宙に振り回す。とてつもない怪力の持ち主で今でもそのパワーは衰えてない。


「こらこら……」


 その様子を苦笑いしながら静香は見ていた。彼女は多忙な2人の両親に変わり時折様子を見ていた。やんちゃで喧嘩ばかりするレッカと沙織には頭を痛める日もあった。乱闘寸前の2人をなだめて仲直りさせる、これが毎週とは言っても過言でないやりとりだった。





 ――――――――――――――


「うーん……うまくやれっかなぁ?」


 レッカは不安に思っていた、沙織がずっとこの調子なのかと。あの表情、怒り交じりに今にも涙をこぼしそうな表情を思い浮かべながら、どうすればいいかを悩んだ。


「まぁ、アイツ次第だな………」





 ――――――――――――――


「またやっちゃった…………」


 自室に顔を埋める様にして座り込む沙織。レッカに八つ当たりした事を申し訳なく思っていた、短期なのは自分の短所だと自覚はしている模様だ。


「しょうがないじゃん、私だって………頑張らなきゃいけないんだから」


 顔を上げ机に飾ってある写真立てを見つめる、そこには幼い頃の沙織と影で隠れてよく見えないが長身の女性が一緒に写っている、恐らく母親なのだろう。


「………」


 また顔を俯かせた。






 ――――――――――――――


「はぁ………こっぴどく疲れたな………」


 夕日が沈む頃、レッカは家まで帰って来て扉を開けようとすると、どこからか聞きなれた声が聞こえた。


「アレ?レッカ君、今日はどっか行ってたの?」


 隣の家の塀から、渚がひょっこり顔を出して来た。疲れてるレッカはあまり驚かずにこやかに反応する。


「ん?あぁ、まーちょっくらな。ゴーレム出てきたもんだから安全になるまで避難してたけどな」


 本当の事を言えるわけがない、渚はどこか疑問に思いながら心配そうにこちらを見ている。


「あのね、この間あんな事があって、みんなちょっと不安に感じてるんだ。レッカ君にもしもの事があったら私……うぅん、みんなすごく心配なんだよ。だから――」

「わっ……分かってるって!それに………」

「それに?」


 渚が首を傾げる。


「いや、なんでもない。大丈夫だって!俺はどこにも行ったりしねぇからさ」


 安心させようと精一杯の笑みで渚に応える。どこか安心したのかほっとする様に笑っていた。


「あっ、そうだ!明日とびっきりのご飯用意するからさ、だから………どうかな?」

「あぁ、期待して待ってるぜ」


 レッカはそのまま家の中に入ってった。途端に扉の背もたれに掛かり額を抑えてため息を吐く。


「誤魔化すのも辛いぜ………でも、俺がなんとかするんだ」


 拳を握りしめ、一歩先へ進む様にリビングに入っていった。







 ――――――――――――――


 翌日、またしてもゴーレムが現れ、レッカは急いで現場へ走り出す。


「っく、こうも次から次へと現れやがって……今日は約束があるってのに!!」


 文句を言いながらもデバイスを天に掲げながらレッカの全身が粒子に包まれアンバーリベリオンとなり、そのまま飛び上がってゴーレムが現れた先まで飛び出していった―――――





 ――――――――――――――


「最終チェック確認、スラスター異常なし、メインエンジン、出力調整共に問題なし、視覚良好………これでいつでも行けるわ」


 沙織はスラッシュリベリオンの最終調整を行いながら、出撃の準備を整えていた。


「いやぁ~なんとか間に合ってよかったわ!せっかくの晴れ舞台なんだから、どんとかましちゃいなさい!!」


 ミオンの目にはクマができており、恐らく徹夜でスラッシュの修理を行っていたのだろう。外まで向かい、何時でも飛び出せる様な準備に入った。


「沙織、お前になら出来る、それと………彼の事もサポートしてやってくれ、まだまだ不慣れな部分が目立つからな」

「えぇ、やってみせるわよ、銅月沙織、スラッシュ……行きます!!」


 スラッシュは飛び上がり背中のスラスターを吹かせて現場へ向かっていった―――――






 ――――――――――――――


「コイツ………っ!何時ものとは違う!?」


 業火に焼かれる市街地、建物は蹂躙され、潰れた車から漏れたガソリンが引火し次々と爆発が連鎖する戦火、アンバーがゴーレム向かって接近してきたその瞬間、腕に取り付けられたランチャーの様な武器から放たれる光弾をシールドで防いだ。これまで現れたタイプと違って武装をしている、ランチャー級と呼ぶべきであろう、距離を取りながらマルチプルライフルで射撃を行い牽制する。があまり大きなダメージを与えられている様子はない。


「グォォォォォォォ!」


 ゴーレムが大きな雄たけびを上げ、右腕を構えてアンバーに狙いを定めて光弾を発射する。


「チっ!!アレをもろにくらったら一たまりもないな……」


 空中から地面に着地して光弾を回避し、シールドを構えながら、ゴーレムの様子を伺った。


「しっかし、あの攻撃は厄介だな。一体どうすりゃ……ん?」


 ゴーレムの後ろからブーメランの様な物が直撃し体制を崩した。

 更に後ろからアンバーの方に向かって、スラッシュリベリオンが前進し、地面に着地した。


「やっと来たか……!!」

「待たせたわね。それと………昨日はゴメン」


 どこか照れくさくして沙織はレッカに向かって誤った。

 それを聞いた途端、ニヤリと笑っていた。


「あぁ?まぁいいや、それよりアイツ、腕に妙なモン付いてて距離を詰めにくいんだ………」

「なるほどね……アンタがアイツを引き付けて、そしたらアタシがあの武器を破壊するわ」

「あぁ、自分が前に出るんだから自身はあるんだろうな?」

「当り前じゃない!こちとたアンタよりも訓練を受けているのよ、馬鹿にしないで!!」


 少し怒った様子を見せながらスラッシュは小型の剣に銃口が取り付けられた武器スラッシュブレードを逆手に持ち、一気に走り出した。敵が起き上がったと同時に、アンバーがライフルでゴーレムの気を引き付ける、再び腕を構えて、狙いを定めて光弾を発射しようとる。


「そこっ――――!!」


 そこへスラッシュが横から回転しながら、スラッシュブレードでゴーレムの右腕を斬り付け切断する。


「今よ!」

「おうよ!!」


 マルチプルライフルをソードモードに切り替え、アンバーは一気にゴーレムに向かって走り出す。と同時にスラッシュも背後に回って飛行しながら距離を取り、スラッシュブレードを前に突きつけ、一気にブーストを掛ける。


「「ハァァァァァァァァァ―――――――」」


 2人が同時に加速させ、ゴーレムの胸部を背中目掛けて互いの武器で一気に貫いた――――――――――


「もう一撃!!」


 ソードを鍵を回す様にしてアンバーは胸部から上にソードを振り上げる。そこから前に回り、スラッシュブレードを銃の様に構え、開いたゴーレムの傷に目掛けて射撃した。


「―――――――――!!」


 ゴーレムはその場で爆散し粉粉に砕け散った。

 アンバーとスラッシュは地面に降り、互いに見つめ合う。


「やったな、沙織!」

「えぇ」


 クロスタッチで勝利を喜んだ。

 そこに通信で静香の声が入る。


『2人共、よくやったな、早く戻ってこい』









 ――――――――――――――


「本当によくやった、2人共、これからも期待してるぞ!」

「はっ………はい!!」


 レグルス本部へ戻り、2人を褒める静香、沙織の表情はどこか嬉しそうで今にも照れてしまいそうな勢いだった。


「なんだよ、そんなに嬉しいのかよ?おもちゃ買ってもらった子供みたいにさ」


 レッカがからかい交じりに沙織に向かって言い放った。

 それにカチンと来たのか、煽る様にして言い返す。


「はぁ!?アンタにだけは言われたくないのよ!!大体ね、アタシが来なかったら相当ヤバかったんじゃないの?だ・か・ら、アタシに感謝しなさいよね!」

「なんだと!!お前が来なくたって俺だけで十分やれたっつーの!!あーいい所だったのになー」

「なんですって!!」


 お互い、睨み合いながらの口喧嘩を始めた。

 言い合いになる2人の姿を見て、静香は呆れた様にため息を吐く。そこへミオンが仲裁に入った。


「はいはい、やめなさいな!これから仲良くやっていくんだから!!」

「はぁ…毎度続くのか?この感じ……」

「あ、そうだ、お前今日空いてるか?」

「なっ……何よ?」


 突然の事に沙織は静香の方に顔を向け様子を伺っていた。


「後はこちらで対処するから、2人は休んでていいぞ、な?」


 静香がウィンクをしながら沙織に応えた。

 37歳のそのウィンクにレッカは苦笑いが隠せなかった。


「で、アタシに何か用でもあるの?」

「いやさ、用って程の事じゃないんだけどさ………」






 ――――――――――――――


 夕方になった頃、レッカと沙織は渚の家の前まで来ていた。

 インターホンを鳴らし渚が来るのを2人は待っていた。


「はーい、あっレッカ君!って……アレ?沙織ちゃん!?」


 渚がドアを開け、レッカと一緒に待っている沙織がいる事に驚いて両手を顔に当てた。


「えっと……久ぶりね、渚ちゃん」

「ひっ久しぶり……レッカ君、コレは何事なの!?」


 急に沙織を連れてきた事に、レッカに問いただされた。

 気まずそうにするしているのを横に呑気そうに返答する。


「いやぁ~懐かしの友人と久々に会ってせっかくだからと思って、マズかった?」

「うっ……うぅん!私も沙織ちゃんに久々に会えて嬉しいよ!それじゃ、入って!」

「おっ、おじゃまします………」


 家族絡みで親しい沙織、家が隣なのもあって幼い頃からの友人、それもあって3人は幼い頃から仲が良かった。喧嘩はするが……


「じゃーん!今日は豪勢にしたの、たくさん食べてね!!」


 食卓に囲まれた大量のハンバーグと盛られたサラダ、そのとてつもない量を見せられた沙織は驚いてそのまま椅子に座り込んだ。


「えっ、渚ちゃんコレ全部作った……の?」

「うん、最近レッカ君よく食べるからコレぐらい用意しないとってね」


 照れたのか自分の頭を掻いた。その料理を目にしレッカは今にもよだれを垂らしそうな勢いだ。


「こりゃ嬉しいぜ、ありがとな渚!」

「うぅん!私も作ってて楽しいから、全然苦じゃないよ」

「んじゃ、いっただっきまーす!!」

「いっ…いただきます」


 まずはレッカがハンバーグを大きく頬張る、肉汁が口の中で溢れソースが絡み合い肉全体にしみ込んで喉に通る、満足気になったレッカはそのまま1個1個ハンバーグを平らげる。その様子を見た沙織は引くぐらい驚いていた。


「あっ……アンタ、本当に食うんだ……」

「ね~ついこの間までは全然食べなかったのに、朝なんてヨーグルト1個で済ませるぐらいだったんだよ!」

「へぇ~そういう事」


 レッカと対象的に1個づつゆっくりと食べながら隣で沢山食べる様子を見つめる沙織、ディバイダーになってから食が進んだというのが本当なんだなと唖然とするばかりだ。


「ほら、サラダもちゃんと食べて!さっきからそっちばっかだよ」

「分かってるって!ほれ」


 と言いながらサラダも頬張る。大量にあったハンバーグとサラダはあっという間になくなった、その殆どがレッカが食べたといっても過言ではない。


「ふぅ~ごっそさん!ありがとな、今日は」


 後片付けを手伝いながらレッカは渚に礼を言う。


「うぅん、最近レッカ君疲れてるっぽかったから、元気を取り戻してくれたら何よりだよ!」


 笑顔で答える渚にレッカは笑って返した。

 その様子を沙織は振り返りながら様子を見ていた。


「んじゃ、沙織をちょっくら送ってくから、またな~」

「うん、また明日、学校でね!」


 渚が手を振って2人を見送った。暗い夜道を歩いていると、沙織が問いかけた。


「アンタ達って、何時もこんな感じなの?」

「うーん、お互い親が多忙だからさ、たまに様子見がてらって感じかな」

「ふーん………」


 楽しそうな渚の笑みを思い出しながら、何かを察していた。


「渚ちゃん、とってもいい娘よね」

「ん?そりゃ~アイツとっても優しいし、ちょっとドジな所あるけど、けどみんなアイツといると楽しいってよ」


 笑顔で話すレッカを見て、呆れた様にため息を吐いた。


「はぁ……まぁいいわ。じゃぁアタシはコレで」

「おん?んじゃっ、気をつけろよ~」


 曲がり角で沙織と別れレッカは帰っていった。帰りの道中、一瞬振り返り、またため息を吐く。


「ほんっ……とバカね!」


 捨て台詞の様な一言を吐いて、沙織は一気に走りだすのだった。



 To be continued…

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