先輩とお昼ご飯
その日の夜、僕は家に帰った。ほとんどものが置かれていない廊下を通った、頭の中が琴美先輩でいっぱいであった。自分の部屋に戻りカバンを部屋の隅に投げ僕はベッドにダイブする。琴美先輩の事が頭から離れず、夜が眠れないのであった。
時間が過ぎ去るのを感じたような感じないような。夜はほとんど眠れず朝を迎えた。朝五時くらいにベッドから出る。いつもはベッドから出ることが憂鬱すぎて、七時くらいに起きていた。
リビングに歩いているとふと思い出した。昨日も金を巻き上げられていて財布にお金が入っていない事に。うちの親は半年に一回お金を僕に託しそれを好きなように使っていいと言っている。毎年春休みら変に必ず帰省してくるが、いつも出張でいない。
銀行の残高を確認すると残りは二千円ちょいだった。半年が経つのにあと二、三週間耐え忍ばなきゃいけない。バイトを探して取るにも多少の時間がかかるし二つくらい掛け持ちすれば昨日は肉まんをいただいたし飯抜きでも大丈夫だろう。そろそろバイトをしなきゃお金が無くなってしまう。
いくらいじめの対象が変わらないようにするためであっても5ヶ月くらい2000円渡し続けたら財布もすっからかんになる。
これも社会経験の一環と思い、バイトに勤しむしか無いか。と一つ大きなため息をついた。
午前六時くらいをすぎた頃身支度を始めた学校は七時三十分に始まる。今日から付き合い始めるし、さすがに髪の毛を整えないのもあれだろう。
昔、小学生くらいの時に学校に髪を整えて行った時があった。その日は周りがずっとヒソヒソしており、女子から凄い視線を感じて男子からは妬みや嫉妬などの感情が飛び交った。あんな気まずい空気二度とやなので、したくなかったが。彼女の前でいいところをみせたいのが男である。
とりあえず、今の流行りに乗るため適当に調べ一時間くらいかけて髪型を模索した。
七時ちょいすぎになり、マンションから出て学校へと歩み出した。家から学校はそう遠く離れておず、十五分ぐらいで着いてしまう。いつも通っている住宅街を通ると。
「おばちゃん、おはよう」
「あ、おはよう」と一瞬呆けた顔をしていたがすぐに元に戻る。毎日ここの道を歩いており、ここをお散歩スポットにしている近所のおばあちゃんである。
「皐月君すっごくかっこいいよ、モデルさんみたいになっちゃて。有名な俳優さんみたいじゃない」と興奮気味に語るおばちゃん。
「お世辞抜きでも、それは嬉しいです」と笑顔で返した。おばちゃんはすぐににこーって笑いを返してきてくれた。
「それじゃあ、これから僕は学校なんで」そう言い手を振った後歩き出した。おばちゃんも手を振って送ってくれた。住宅街をぬけ、坂道を通り学校まで歩いた。女性の方々からヒソヒソされていて何度も自分の髪などが崩れていないかチェックした。
学校に着くと色んな人が僕を見て呆けていた。僕が周りを見ると大抵の人は目を逸らしていた。いくらボクがインキャだとは言え、なぜか急に見つめられそちらを振り向くと目を逸らされるのはきついのである。多分見た目が酷すぎて笑われているのだろう。僕は憂鬱になりながらも学校の中に入って行った。
廊下を歩いているとすぐにまたヒソヒソし出した。僕はそれが嫌ではや歩きをしてすぐにクラスの中に入った。僕はクラスに入り
「葵、おはよう」いつものトーンで話しかける。葵はいつも俺がくる前にはいてスマホゲームをしていた。
「おはよう、って皐月どうしたんだその髪!」葵は僕を見るなり有名人を見たような顔で言う。
「大袈裟な僕はちょっと髪の毛を整えてきただけだよ」いつもはボサボサである髪が、今日はツーブロックと呼ばれるものにセットしてきた。かっこいいと思ってやってきたのは失敗だったのかな?周りの声がどんどんうるさくなっていく、多分人が集まってきたのだろう。
「スッゲー似合ってるぞ、どこかのアイドルグループに入ってそうなイケメン具合だな。なんで俺に隠してたんだ」と俺にニヤニヤと話してくる。こいつは俺があの後からいじめられていることも知らないし。いじめてる奴らが今日から消えることも知らないだろう。
「でも俺イケメンでは無いと思うよ。さっきも俺が見渡すと、みんな目を逸らすし」
「あーね、でもなんで今まで髪型セットしてこなかったの?」
「小学校のころにもこんなことが起きてね。そん時から髪をセットしないって決めてた」
「そっか、モテる男は辛いねー」
「いやモテてないから、いやまじで」と怪訝そうな目で見てくる。がまあモテはしないけど彼女は居るけどね、と心の中で煽っておいた。『キーン、コーン、カーン、コーン』と朝のチャイムが鳴り俺はすぐに着席した。
昼休みになると僕の周りには人だかりが出来ていた、それも女子がめちゃくちゃ多かった。
「名前は何ていうの」
「好きな本とかは」
「好きなタイプは」
「お昼一緒に食べない」
と獲物を見つけた肉食獣かのように、僕に言い寄ってきた。半年間僕はこのクラスにいたのに、多分葵が言っていたのはお世辞ではなく本当だったぽい。ぼくは兎にも角にもここから抜け出すため。
「ごめんね、僕急いでいるから」とできるだけ人に当たらないように避けて歩いた。いつもは売店行ってパンを買うんだけど、お金が無いので途方に暮れて廊下を歩いていると。救世主がいた、僕の彼女が。
「あ、琴美先輩」と僕は声をかける
「皐月君、もー探したんだよ。とりあえず、食堂行こう」琴美先輩の今日はメガネをかけておらず、めちゃくちゃ可愛かった。
「オッケー」そう言い、僕たちは食堂へ向かった。途中男子からの視線が痛くて、苦笑いしていた。
「皐月君は弁当持ってきたの?」
「いいやお金ないし、今日は昼飯抜きにしようと思って」と本音で答えると。
「食べ盛りの男の子がご飯抜きはダメでしょう」まあいつものことだったしあまり僕は思うところはないのだが。
「だったら、私の弁当ちょっとあげるよ」と言い弁当を開けるするとそこにはバランスよく唐揚げ、卵焼き、ブロッコリー、など彩よく色んなものが入っていた。こんなに美味そうな弁当久々に見るくらい美味そうだった。そして、彼女は唐揚げの一つを箸で持ち上げ僕の口の前まで持ってくる。
「はい、あーん」と小悪魔が浮かべるような笑みを浮かべた。相変わらずこういうことをしてくる、彼女の唐揚げを一口でいただいた。
「めちゃくちゃうまいね、これ最高にうまい」僕は最近まともな飯を食べれておず。この唐揚げが体に染み渡る。本当に美味しい。
「そんなに喜んで貰えるなら、作った甲斐があったよ」と彼女が作ったことが発覚。料理が美味くて美人さんで完璧な彼女さんだよ。
「まじか、彼女の手作り弁当を食べれる日が来るとは」と言うと周りがうるさくなった。が、そんなことはお構いなしと彼女が言ってくる
「それはよかった」彼女はにこーっと笑い、僕に言う。周りも見ると膝を着いて下を向いてる人がちらほらいたがなぜなんだろう。
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どうも、みなさんこんにちは創作者のあずきです。ちょっとしたお知らせがあって後書を書かせて頂きたいと思います。僕はこの小説が投稿されて一週間ほど旅行に行かせて頂きます。その期間ちょっと羽根を伸ばすため、投稿頻度が落ちます。ですが一週間後からは確実に毎日投稿をさせていただくので。そこのところよろしくお願いいたします。ストックなくて本当に申し訳ございません。
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