先輩と理事長
先輩も僕も食べ終わり雑談をしていると。
「ついたよ」
「マジで、、、デカいなっ」ここら辺一体が高級住宅だって事には気づいていた。その中で一際デカいのがこの家だったが先輩が住んでいたとは。ちょっと引いてしまった。
僕のことは見えていないのであろう、彼女は深ーく深呼吸をしていた。やっぱり理事長に言うためには落ち着かなきゃいけないのだろう。僕も親に自殺しようとした、だなんて言える気がしない。
「心の準備ができてからでいいから、そん時に理事長と会おう」僕はできるだけ優しい声を出し、彼女に伝えた。すると彼女の顔は真剣モードになり。かっこいい感じになった。彼女は家の鍵を『ガチャリ』と開け言い放つ。
「ただいま………あと友達連れてきたよ」すると家が揺れるほどドタバタした。凄い音だったが、何もなかったかのように上の階から一人爽やかな雰囲気降りてきた。スーツを着た整った顔の30代に見える、お兄さんとも呼べるような雰囲気の人が来た。お父さんと言うよりお兄さんと言うのが似合うほど若顔であった。
「こんにちは、僕は友達の赤羽皐月で。すよろしくお願いします」僕は理事長に軽く自己紹介をすると。
「僕は
「お父さん、今日は大事な話があってきたの」琴美先輩はそう勇気を振り絞って言った。幸か不幸か雄星さんはワクワクした期待の目を先輩に向けた。多分、雄星さんは僕達が付き合うと思っているのだろう。だけど現実はそう甘くはない。
「私ね、今日までいじめられてたの」その言葉で雄星さんの笑顔がすぐに消えた。怒りと、驚きそしていろんな感情がごちゃ混ぜになっているのだろう。だけど、彼は静かに聞いていた。
「今日私は自殺しようとしたの。たまたま通りかかった、皐月君に助けられたの。」すると、雄星さんは僕を見てそれが本当かどうか目で質問してきた。だから、僕は首を縦に振った。雄星さんはすぐに先輩の方に振り向きなおし、彼女の声を聞き逃さないように耳を傾けた。
「わたじ、二年半ぐらいいじめられでて辛がったよ。いいだぐても、お父さんをじつぼうさせたぐなぐで」すると彼女は泣き始めた。それほどまでにいじめは人を苦しめさせる。人間いくらメンタルが強くてもいじめられたらいつかはメンタルが音を立てて崩れ落ちる。それが人間である。
そんな泣き声の中、雄星さんは琴美先輩に抱きついた。そして彼女の頭をなで。
「よく今まで耐えたね。でももう耐えなくていいんだよ。全てを吐き出していいんだよ。僕がなんとかしてあげるから」雄星さんははっきりと、だけどどこか優しげのある言い方で先輩に言う。彼女の傷を少しでも癒すために。そしてそこからは彼女が泣き止むまで、彼女のことを抱きしめ続けた。
彼女が泣き止む頃には彼女はスッキリしており。最初に会った時よりも、凄く良くなっていた。
「それにしても赤羽君、君には感謝してもしきれないよ。親として言わせて貰う、本当にありがとう」彼は深々と頭を下げた。
「いや、たまたま通りかかっただけですし。全然気にしないでください」
「いやいや、でも何かお礼をさせてくれ。そうでもしないと僕の気が収まらないんだよ」凄い熱気で僕に言ってくる。とりあえず何かしてもらわなきゃタダでは返してくれなそうだから、彼に僕のいじめをとめさせて貰う事にした。
「実は僕もいじめられてて」そう言うと場の空気が凍った。誰も僕がこう言うことを予想できていなかったのだろう。
「だから、それを止めてもらえませんか」僕は淡々と述べたまるで何事も無いかのように。多分あと証拠が必要だろうと思い袖を捲った。そこには至る所にあざがあり。凄く悲惨な見た目である。証明するには十分だろう、と袖をまくろうとする。でも、その前に琴美先輩は僕に抱きついてきた。びっくりしつつも彼女に問いかけた。
「琴美先輩、なんd「なんで、そんなことを々と言えるの」神崎先輩が急に抱きついてきた。
「痛かったでしょう、辛かったでしょう。だから、全部吐き出していいんだよ。溜め込んできたストレスを吐き出さなきゃ、君が私みたいになっちゃうから」そう彼女は訴えかけてきた。僕は彼女の優しい、思いやる気持ちに僕くは涙を流してゆく。
彼女に抱きつくのはこれで二回目だが、彼女の前だと全てを吐き出せてしまう。僕は彼女の胸を借り、僕は声を出しながら泣いた。いつぶりだろう、この優しさに包まれた気持ち。前、僕の親達に慰められた時のような感覚があった。僕は全てを吐き出すように泣いて、泣いて、泣きじゃくった。
泣き終わると僕は冷静になり、神崎先輩から離れた。僕の顔は結構熱くあまり人に、見せれるような物ではなかった。僕は自分の事を落ち着かせる。そして、僕は彼女の顔を見て言った。
「ありがとう、琴美先輩。久々に全てを吐け出したよ」彼女に本音を伝えると親指をあげ僕に見せてくれる。
「ノー、プロブレムだよ」そんな感じで僕らは笑い合った。すると雄星さんが。
「君なら僕の娘を任せられるね」ととんでもない発言を投下してきた。すぐさま神崎先輩は雄星さんの二の腕を叩きながら。
「お父さんやめてよ、まだ私たちはそんな関係じゃないよ」
「そっか、まだそう言う関係じゃ無いんだね。あと僕は邪魔だろうから部屋に戻っておくよ」雄星さんはそう言うと、そそくさと上の階に上がって行った。そこで、僕は疑問に思った事を口にする。
「先輩のお父さんて、いつもこんな感じですか」
「そうだよ、いいお父さんでしょ」
「いいお父さんですね、年齢は30代くらいに見えるんですけど」彼女は勢いよく首を振り4と2という数字を出した。42歳なのだろう、とても若く見えるけどそうなのだろう。
「そろそろ僕はお暇させていただきましょうかね」時間を見ると七時でありちょうど暗くなってないくらいのタイミングである。僕は家のドアを開けて挨拶しようとする。すると、彼女は耳元で僕にこう囁いてきた。
「朝、私に質問してきたよね。その答えはいいよっ、だから。それじゃあ!!」彼女は逃げるようにドアを閉めていった。僕が初めてきた質問を頭の中で探っていると一つ思い浮かんだ。付き合ってくださいそう、僕は質問していた。見る見るうちに顔は夕陽の陽な色になっており。帰り道はそれで、僕の頭が埋め尽くされていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます