髪の毛を整えてみる

 先輩と話続け僕らはいい感じの雰囲気だった。周りの声など気にせず僕らは話し続けた。


『キーンコーンカーンコーン』とチャイムの音が鳴り響いた。


 僕らは立ち上がった、するとハエのように周りの男子は琴美先輩に女子は僕に群がった。


「神崎さんは、君の彼女なの」

「新入生だっけ?」

「ご飯食べてなかったけどだいじょうぶ?」

「赤羽より俺を選んでみろよ」


 と琴美先輩よ俺に対しての話が聞こえてくる、本当に邪魔だと思い。とにかくこの状況を抜け出すために僕は琴美先輩に近づき。



「琴美先輩は俺の彼女だ、誰にも奪われるきは無いし、振り向く気も無い」と大声で宣言し、僕は彼女の手を握ってちょっと小走りした。多分俺の顔は赤くなっているのだろう。


 そう感じつつ、僕は階段で二階くらいに上がっところで止まった。


 そういえば僕が彼女の許可を得ず手を握っていた。


 後ろを向くと、彼女の顔は嬉しそうな恥ずかしそうな顔をしていた。顔はちょっと赤みがかっていた。



「そういえば、連絡先を交換しない」なにが、そういえばなのかわからない。多分頭では完結しているのだろう、突っ込むのは野暮だし。あれ、ま、まてよ……今連絡先聞かれた?


 これは夢か、いや付き合ってるし当たり前なのか。


 でも、すっげー嬉しい。好きな子の連絡先もらえるなんて。



「うん、も、もちろん」と携帯をポケットから取り出しRINEを開きQRコードを見せた。彼女も携帯を出し、QRコードをスキャンした。


『ブー』と携帯が振動をし、フレンドの欄には琴美と可愛いペンギンがいっぱい写っているアイコンが写っていた。自分のアイコンは有名なアニメのキャラのアイコンだった。


 変えとけばよかった後悔していると。彼女は携帯で口元を隠している。



「じゃあ、クラスここでしょ。私上の階だから」とちょっと口元が緩んでいるところが見えた。これは、す、すごい破壊力だ。と目を逸らさないように。


「じゃあ、また帰りの時」と伝えてクラスに戻った。




「皐月、お前顔にやけているぞ」



「えっ…まじ」と無自覚でにやけていた



「まじまじ、お前彼女といいことあった」と茶化してきたが。



「うんそうだな」と否定しなかった。



「おう。そうか、じゃあ。何があったか教えてもらおうか」と警察の尋問みたいな雰囲気で僕に問いかけてきた。


 もし葵が人見知りしなければクラスに馴染めただろうに。こんなにもノリがいいんだ、クラスのムードメイカーにはなれただろう。


 そう考察していると。


『キーンコーンカーンコーン』とチャイムが鳴った。このチャイム毎回いいタイミングでなるよな。そう感じつつ黒板に目を向ける。


 だが、全くもって集中できなかった。ずっと琴美先輩と話す内容を考えたり、彼女の顔が頭に張り付いて離れない。


 そんな中、僕が授業に集中できる訳の無く。ずっと彼女のことを考えていた。


『キーンコーンカーンコーン』


「おう、もうこんな時間か。こことここの範囲をやってくるように。以上」そう言われるや否やクラスがざわつき始めてみんな立ち始めた。


いつもだったら、びくびく見つからないように早足で学校を出ていた。でももうそんな事を気にせず堂々と歩けるける事に、雄星さんに感謝しか無い。すると、クラスの陽キャが。



「赤羽君、これからカラオケ行くんだけど行く?あと、福村君も」そう陽キャ君が聞いてきた。俺はこれから予定があったので。


「俺はいいかな。葵はどうする?」そう問いかけ耳元でこう言う。



「お前も出会い求めるために、行ってみれば。人見知りしなければ、お前めっちゃ面白いぞ。あと、ちょっと髪の毛を濡らして後ろにやってみ。これが、俺ができる最大のアドバイスだ」そう言うと、葵は。



「確かに、じゃあ僕が行かせて貰っていいですか」俺は葵への勇気を讃えた。陽キャ君はウェルカムムードだったし、多分大丈夫だろう。


僕は葵の事に安心しつつ早足で学校から出た。琴美先輩に外で待たせるわけにも行かないから校門でまった。


すると、琴美先輩が学校から出てきた。彼女の周りに男子達が群がっていた。そんな中、彼女が僕を見つけると手を振り走ってきた。


周りに群がっていたハエみたいな奴らは舌打ちして、蜘蛛の子のように散った。ざまぁ無いなと思っていると。



「ごめんね、待たせちゃった?」



「いや、全然、俺も今来たところ」



「じゃあ行こう」そういい、僕達は歩き出した。



「今日さ、いろんな人達から声かけれたんだけど髪整えたからかなー」



「うん、だって今の皐月君とってもかっこいいもん」不意打ちはずるく無いかなー。



「あ、ありがとう」



「あとね、いろんな人たちが私を囲んだ時。助けてくれたでしょ。本当に嬉かったんだよ。だからね、だからちょっと前向いて」そう言われたので前を向くと後ろからハグされた。



「先輩何を」と言いかけると人差し指で口を塞がれた。



「これが私の感謝の気持ち」そう甘い声で呟かれた僕は彼女に見惚れる以外の選択肢など存在しなかった。

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