「糸目はすぐ裏切る」
※『裏切り者は細めた目尻に泪をためて。』の原作
――ふふふふふふふ。僕はこの時を待っていたのです!
ついに、かの力が我が物になりました。
ああ、力が溢れている!! 素晴らしい、素晴らしいです!!
いやぁ皆さん今まで大変ご苦労様でした! 本当に、心よりお礼申し上げます。皆さんとの長い長い旅、僕の一生の思い出ですよ。
なんですか? どうして裏切ったのか?
ふふふ。人聞きが悪いですね、僕は裏切ってなどいませんよ?
それに……心当たりありませんか?
どうして? 僕がそんなことする筈無い? ふふふ。
胸に手を当ててよく考えてみてくださいよ。
僕と出会ったときにあなたたち何て言いました?
「こいつ糸目だから裏切りそう」
ですよ? いや、分かるけど見かけで判断するなよ! 生まれつきなんだよ! しゃべり方もずっと敬語だから怪しいとか、微妙にモテるのがムカつくとか。完全にヒガミじゃないですか。
あと皆さんが、没落貴族の三男っていう僕の生い立ち散々ネタにして「あいつ絶対裏切るぜ」とか、陰で言ってたの知ってますからね? しかも賭けてたでしょ。何章で裏切るかとかやってたでしょ。5章で牢獄にぶち込まれたとき、僕が密告したって最後まで疑ってましたよね? 知ってますよ? あの時めっちゃチップ積みましたよね? 皆さん。
僕、めっちゃ傷つきましたから。
でも良いんです、過ぎたことですから。それは良いんです。
とはいえ、一つだけ許せないことがあるんですよ。
おや?まだ分かりませんか?
そうですよ。アクセサリー系のアイテムを僕に預けてくれなかったんですよ、皆さんは!!
本来ならみんなでお守りつけて歩くべき毒の沼を体力1で徘徊させられたあの屈辱と痛みを僕は一生忘れません……!!
だからこれは正当な復讐なんです。
糸目が裏切るんじゃない。お前らが僕を裏切らせたんだ!!
僕の真の力を刮目して見よ!
……おいこらぁ! 今目開いたぜこいつとか思ったやつ手を挙げろ! 全員じゃねぇか!
……許さんぞ! 許さんぞぉ!! この世の全ての糸目キャラの怒りを教えてやる……!クフフフフフハハハハハハハッ!
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