第14話 初めての牡蠣

12月になって私達の学校は冬休みに入った。

冬休みに入ってからはず〜っと家に引きこもってる。だって寒いもん。


「優奈〜、奈月ちゃ〜ん、夜ご飯できたわよ〜」


夜ご飯が出来たらしくなつちゃんと一緒にリビングに行くと、お母さんと七海さんが目を輝かせながら食材をテーブルの上に並べていた。


「お母さん今日の夜ご飯なに?」


「ふっふっふっ………聞いて驚きなさい! 今日は牡蠣よ!!」


お母さんがそう言いながら机の上を指差す。

そこには生牡蠣、牡蠣のバターソテー、牡蠣ご飯、カキフライという牡蠣を使った料理が並んでいた。


「奈月はちっちゃい頃食べたけど、覚えてる?」


「ん〜…………覚えてない」


「優奈は初めてね」


「お母さん魚介類嫌いじゃなかった?」


「ん〜? 高いものは別よ♪」


都合のいい母である。


「なつちゃんはどんな感じだったか覚えてる?」


「全然覚えてないなぁ」


まあちっちゃい頃らしいからね。


「ほらほら、はやく座りなさい。冷めちゃうわ」


「「いただきまーす」」


なつちゃんと向かい合わせで座って牡蠣料理に箸を伸ばす。

最初に箸を伸ばすのは牡蠣のバターソテーにした。これが1番美味しそうな匂いしてたしね。


「おー、美味しい、のか?」


「苦い………」


私は美味しかった、ような気もする。よくわかんない。なつちゃんはあんまり好きな味じゃなかったっぽい。


「あっはっは! 大人の味だったか」


「奈月、苦いところは残してもいいからね。お母さんが食べるから」


「ん、わかった」


次は〜、カキフライにしようかな。

大皿にたくさん盛られたカキフライを数個自分のお皿に持ってきて最初はそのままで食べる。

カキフライはころもがサクサクですごく美味しい。タルタルソースをかけて食べるともっと美味しくなった。


「生牡蠣もあるから食べてね〜」


七海さんがそう言って持ってきた牡蠣を私はポン酢につけて食べた




◇ ◇ ◇




次の日私はお腹を壊した

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