第11話 後日談

文化祭も終わって1週間が経った。我が家ではアイス作りにハマったなつちゃんによっておやつ、夕食後のデザートが全てアイスになるという人によっては天国な状態が続いた。(最初は良かった……………最初は、ね?)


「ゆうお姉ちゃん! できたよ!」


「わ、わー、ウレシイナァ………」


今日も今日とてなつちゃんお手製のアイスクリームが部屋に届けられてきた。


「今日はねぇ〜ラムレーズンにしてみたの!」


「な、なつちゃん、アイス作りは楽しい?」


「うん!」


おおう、なんて眩しい笑顔……………こんな顔を見た後じゃ作るのやめてなんて言えないじゃん。


「お姉ちゃん、そろそろアイス以外も食べたいなぁ〜…………なんて」


「ふむ……………確かに最近お母さん達の反応も悪いんだよねぇ。新しいお菓子作ろうかな?」


おっ、もしかして新しいバリエーションが増えるかも? なんて、思ってたら…………現実はそこまで甘くなかった。



【明後日】


「ゆうお姉ちゃん、おやつできたよー!」


「はーい、今行くよ〜」


いつもは持ってきてくれるのに、今日は下なんだなぁ。


「今日のおやつはぁ〜…………………へ????」


リビングのドアを開け、中に入ると、そこには私の身長並みにはあるんじゃないかと思うくらいに積み上げられたシュークリームがあった。


「な、なつちゃん……………これなに???」


「クロカンブッシュだよ! シュークリームも生地から作って上手にできたの! ちゃんと飴で固めたから安心してね」


「そ、そう………」


これもう将来は世界的パティシエかな、うん。ていうか、製菓技術1週間で上がりすぎでしょ。才能があったのか。


※クロカンブッシュは非常に美味しかった。



【さらに1週間後の日曜日】



今日は朝からなつちゃんが下でずっとお菓子を作ってる。前日から大量の材料を買い込んでたのを知ってたから私は朝ごはんを食べていない。さぁ、今日はいったいどんなものが私の前に現れるのやら……………


「ゆうお姉ーちゃん、出来たよー」


「は、はーい、今行くよ」


意を決して階段を下り、リビングのドアを開け中を見る。そこにあったのは…………………


「今日はアフタヌーンティーにしてみたんだ♪」


「……………」


机の上にはテレビでしか見たことのない、大量のお菓子、サンドイッチ、ケーキがスタンドに乗せられたセットが置かれていた。


「なつちゃん、将来はパティシエになった方がいいよ、うん、絶対」


「え〜? ゆうお姉ちゃんがそう言うならなろうかな〜♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る