第9話 ブラックジャックと喫茶店
教室を出てなつちゃんと教室をいろいろ回ってとりあえず3年の教室の喫茶店に入った。こっちはザ・和風っていう感じでメニューもおしることか小倉トースト、いちご大福とかだった。
「なつちゃん、なんでも買ってあげるからね♡」
「いいの?」
「うん! 今日のためにお小遣い全額おろしてきたからね!!」
「そ、そこまでしなくてもいいよぉ………」
ふっふっふ、私には親戚がいっぱいいたからね、毎年沢山のお年玉が貰えたのだよ! そして私にはそれの使い道が無くてずっと貯めてきた。今日! それを解放するのだ!!
「じゃあ、抹茶プリンと抹茶大福がいい」
「おぉ、抹茶がブームなの?」
「うん! この前友達から貰った抹茶のクッキーが美味しかったんだ」
「へぇ〜。すみませーん」
私は店員さんになつちゃんが頼んだ物といちご大福とほうじ茶を頼んだ。
「午前中はどこに行ったの?」
「お化け屋敷と〜科学部の教室に行ってきたよ。空気砲とかやってて面白かった! ゆうお姉ちゃんもあとで一緒に行こ!」
「うん、いいよ♡」
「お待たせしました〜」
「おっ、来た来た! 食べよっか」
【抹茶プリン】
静岡のブランド品を使った原価高すぎプリン。担任のポケットマネーから買ったらしく担任は生気が抜けたらしい。本格的な抹茶を使ったせいか若い人からは不評らしい(老人達からは大好評)
【抹茶大福】
こっちの抹茶は市販の安いやつ。担任の財布が干からびていたらしい。大福の方は甘めにしたため人気は高い。中にあんこが入っている。
「抹茶プリンにはお好みで黒蜜をかけてくださいね。では、ごゆっくり」
届いたプリン、大福類はとても美味しそうだった。
「なつちゃんちょっと待って、お姉ちゃん写真撮りたいな」
「え〜、早くしてよぉ?」
「うん! はい、ポーズ……………ありがと〜もういいよ」
はぁ〜♡ もうめっちゃ可愛い!!! なつちゃんが成人するまで私の理性は持つかな?
「ゆうお姉ちゃん? 固まってどうしたの?」
「はっ! ななな、なんでもないよ! なつちゃん、美味しい?」
危ない危ない、姉の異常性に気づかれるところだった。なんとかあと8年は我慢しなければ………………長いなぁ。
「うん! ありがとうゆうお姉ちゃん!」
「(ぐぁっ!!)」
「ゆうお姉ちゃん、はい、あ〜ん」
「いいの!? じゃあいただきます………………」
「どう? 美味しいよね♪ この苦味の奥深さがすっごく…………あれ、お姉ちゃん?」
に、苦い!! 子供舌の私には無理!! ていうか、なつちゃんこれが美味しいって………………ずいぶんと大人だなぁ。
「ゆうお姉ちゃん! お水!」
「あ、ありがとう。……………なつちゃん、苦くなかったの?」
「う〜ん、苦かったけど、これが抹茶じゃない?」
「お、大人だねぇ。お姉ちゃん子供舌だからちょっと無理だったよぉ」
「じゃあ黒蜜をかけて食べてみたら? 今度は美味しいかも!」
そう言いながらスプーンで掬ったプリンに黒蜜をかけてこっちに差し出してくるなつちゃん。お姉ちゃん、実は黒蜜があんまり好きじゃないんですよ。蜂蜜はいけるんだけどねぇ。
「ううん、大丈夫だよ。なつちゃんの分無くなっちゃうから」
◇ ◇ ◇
「ゆうお姉ちゃん、これやってみたい!」
「あー…………いいよ、やってみよっか」
喫茶店を出てすぐのところに第2職員室があって、そこには【☆カジノ☆キョーイン】があった。子供の教育に良くない気がする。
「ようこそ! カジノ・キョーインへ! ここでしっかりギャンブルの危険性について学びましょう!!」
第2職員室は教室全体が煌びやかに飾り付けをされていてスロット、ダイス、トランプ、定番?の遊びが用意されていた。
「ここでは実際のお金ではなくおはじきがお金の代わりになります! 最初に5枚渡します。無くなったら強制退場&出禁になりますのでよ〜く考えてbetしてくださいね〜!」
政治経済担当の肥満ハゲ教師…………あいつ、パチンコで大負けして借金してそうやな。
「なつちゃん、どれやってみたい?」
「う〜ん、あれ!」
あー………ブラックジャックか。ま、ルールは簡単だし小学生でも理解できるか。それに完全に運任せだしね。
【ブラックジャックの簡単ルール説明】
①ディーラーがプレイヤーに2枚ずつカードを配ります
②プレイヤーは何度もカードを引く事ができます(21を超えたら負け)
③最後にディーラーが17を超えるまで引きます
④ディーラーよりも数字が大きかったら勝ち
※超簡単に説明しました。もっと詳しいルールはありますが話の中ではこれだけ分かっていればで十分です。
「は〜い、参加者は5人ね。じゃあまず最初に掛け金を出してちょうだい。カジノキョーインでは買ったら掛け金を2倍にしてお返しします」
参加者は私、なつちゃん、生徒(たぶん1年)、おじいさん、おばあさんの5人になった。おじいさんにはすでに大量のおはじきが容器に入れられていた。
「あ、ここでキョーインだけの特別ルールの説明ね。ちゃんとしたところだったら掛け金の変更はできないんだけど、ここでは特別にディーラーがカードを引き始める前に変更が出来るからね。掛け金は1枚から5枚までかけれるからね。じゃあ始めるわね」
1回目
最初に私に配られたカードは4と9、う〜ん…………微妙。なつちゃんは…………Aと9!? 強すぎでしょ。
「ゆうお姉ちゃん、これ引いた方がいいの?」
「いや、引かなくていいよ。うん。負けたらほんとに運が悪いだけだから」
さてさて、私はどうするか……………はっきり言って引かないのは論外。かといって引いたら引いたで21を超えそうなんだよなぁ。
「一枚引きます!」
「はい、どうぞ」
配られたカードを捲る! そこに書かれていたのは…………クイーン! バースト!!!
「は〜い! まずは1人負けね。掛け金2枚頂くわね」
クソが!!!! いやいや、あと3枚ある。次勝てば、次勝てばいいんだよ!!
結果 勝ち なつちゃん&おじいさん
負け 私 おばあさん 生徒
2回目
さぁ! 次の私の手札は!! 2、4!! うん、弱い!(弱いのかわかんないけどたぶん弱いでしょ) 6だから2回は引けるはず。
「う〜ん、あんまりよくない」
なつちゃんの手札はAと2だから3or13か。確かにさっきよりは微妙だけど、さっきが強すぎたんだよねぇ。
「引きます!」
「私も」
私の1枚目は7。また13かよぉ!! ひ、引くか? いやけどまたさっきみたいになったら今度こそヤバい。最後の1枚になっちゃう。
「あっ! やった!」
なつちゃんの喜ぶ声が聞こえてきた。なつちゃんの引いたカードを見ると9が出ていた。
「(いやいやいや!!! おかしいって!! なんで!? え、先生イカサマしてる!?)」
「もう一回引きます!」
私はもう一枚引いた。さあ! 注目の数は……………5! 18かぁ、微妙だなぁ。けどもう引けないし。
「じゃあ開けますよ」
ディーラーの1枚目は8、2枚目は8、3枚目は9。
「いよっしゃぁ!!!!! 勝ったぁ!!」
「やった! ゆうお姉ちゃん、また勝った!」
結果 勝ち 私、なつちゃん、おじいさん
負け 生徒 おばあさん
〜〜〜最終結果〜〜〜
30分
私 5枚→19枚
なつちゃん 5枚→50枚(全勝)
なつちゃんは強かった。
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