第21話 お風呂♡

「なつちゃんお風呂沸いたよ。入りに行こっ!」


一緒にお風呂に入ることが決まってすぐに湯船を入れた。そして湯船が沸いて念願のお風呂タイムになった。


「ゆうお姉ちゃん、張り切りすぎだよ…………」


「えへへ〜これもやりたい事の1つ、だからね!」


ふふっ、あんまり乗り気そうじゃなさそうにしてるけど、口角が上がってるのバレバレだし、水を飲みに行った時に陰で嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねてたのお姉ちゃん知ってるんだから。


「ほら、早く着替えないと………………! もしかしてお姉ちゃんに脱がsゔっ!」


「ゆうお姉ちゃん、怒るよ」


「は、はい…………すみません」


は、速かった。気づいたら鳩尾に拳が………………。めっちゃ痛かったけど、なつちゃんのパンチも……………良いなぁ♡


服をさっさと脱いで浴室の中に入る。

シャワーで体をサッと流して湯船に浸かる。しばらくするとなつちゃんも浴室の中に入ってきた。なつちゃんは湯船には入らずにそのまま体を洗い始めた。


「へ〜なつちゃんは最初に体を洗う派なんだぁ〜」


「ゆうお姉ちゃんは最初に入るんだね」


「私は最初のうちにポカポカしたいからねぇ〜。気持ちいいのよ〜」


「ふ〜ん…………」


なつちゃんの適当な返しが心に刺さる。

もうちょっと興味持ってくれても良いのよ?


「ねぇなつちゃん、お姉ちゃんが洗ってあげようか?」


髪を洗うなつちゃんをずっと見てるのも良いけど、自分が抑えられない。今すぐにでも後ろからぎゅーって抱きしめたい。そして私が体の隅々まで垢を一欠片も残さずに綺麗に洗いたい(そしてそれを食べ……………ふへへ♡)


「だいじょう……………ぶ。1人で………………出来る」


「……………しょーがない、お姉ちゃんがやってあげよう」


湯船から出てなつちゃんの後ろに立つ。

シャンプーを泡立ててなつちゃんの髪の毛を優しく綿飴を潰さないような繊細な力で綺麗にしていく。


「なつちゃん気持ち良い?」


「うん〜」


なつちゃんが気持ちよさそうなふにゃふにゃな顔になっているのを見ると嬉しくなる。


「良かったぁ。お姉ちゃんもちっちゃい頃はよくお母さんにやって貰ってたからね、上手い自覚はあるんだよね〜」


「ねぇなつちゃん」


「なぁに、ゆうお姉ちゃん」


髪の毛を洗いながらなつちゃんに話しかける。なつちゃんはすっかり気持ち良くなちゃったのか、私の体にもたれ掛かっている。


「学校にはもう慣れた?」


「………うん、みんな優しいよ」


「そっかそっか、それは良かった。今度さ、一緒にお昼食べない?」


「ふえっ? お昼って給食じゃないの?」


んあー? そっか、なつちゃんはこっち来てすぐだからわかんないのか。


「私たちの学校は選択制なんだよ。給食でも良いし、お弁当でも良いの。クラスにもお弁当持ってきてる人いるでしょ?」


「そうだったんだぁ、てっきりアレルギーとかだと思ってた」


「おぉ〜アレルギーなんて難しい言葉良く知ってるねぇ」


「ゆうお姉ちゃん………バカにしてるでしょ」


「してないしてないよ! 私なんてアレルギーがあるの中学に入ってから知ったから!」


「……………」


あっはぁー! なつちゃんのその呆れた顔、呆れた顔も可愛いー!


「で、どうする? 一緒に食べる? それともクラスの子と食べる?」


「う〜ん、お姉ちゃんはお昼いつも何にしてるの?」


「私はいつも食堂で食べてるよ。なつちゃんも見学で来たときあるでしょ?」


私の学校には生徒全員が使える食堂がある。そこの食堂がまぁ〜〜〜〜美味しいのよ! 種類は豊富、値段も安い、それに早いという完璧な食堂なのよ。私が通い始めたのは中学生の頃なんだけど、もっと早くから来てれば良かったって思ってる。


「う〜ん、いいや。お昼はみんなといたいから」


「………そっか、それもまた良し。もし友達と喧嘩しちゃったらお姉ちゃんの所までおいで」


「…………そんなこと、未来永劫無いよ」


「そ、そんなぁ…………ま、それもお姉ちゃんとしては妹が良くやってるって事だから良い事なのかな」


「…………無敵」


「うん? 何か言った?」


「言ってない。今度は私はがゆうお姉ちゃんの髪洗ってあげる。交代して」


そう言うとなつちゃんは私を椅子に座らせてきた。

そして後ろに立って、私の髪の毛を洗い始めた。


「お姉ちゃんの髪、サラサラだね。そうめんみたい」


「そうめんて! 髪の毛はちゃ〜んとケアしてるからね」


前まではそうでもなかったんだけど、友達から『髪と肌は女の子の命、どれだけ疲れてても、眠くても、髪と肌のケアは死んでもやれ!』って軽く脅されたからね。いやぁー怖かった。


髪を洗い終わるとなつちゃんは湯船に入って行った。


「お姉ちゃん、お胸、おっきい。着痩せ?」


体を洗っているとなつちゃんが私の胸を凝視していた。

んふふ、妹に見られると…………………興奮しちゃう♡


「うん〜? 揉んでみる?」


「……………いい」


「そっかぁ、ざんね〜ん。…………揉みたくなったらいつでも言っておいで♡」


「言わないから!」


何故か怒ってしまったなつちゃんはお風呂を出て行ってしまった。

何か悪いこと………したかなぁ?



◇ ◇ ◇



お風呂から出るとなつちゃんは自分の部屋に戻っていた。

リビングを覗いていないことを確認した私は全力ダッシュで階段を駆け上がってなつちゃんの部屋に前に立った。そして


「な〜つちゃん、お部屋入ってもいい?」


ドアを3回ノックする。数秒待って「いいよ」という声が聞こえてきた。私は勢いよくドアを開けて部屋の中に入った。


「………………ゆうお姉ちゃん、どうしたの?」


「えへへ、一緒に髪乾かそうかなぁ〜って、いいかな?」


私の手にはドライヤー、アイス(クー◯ッシュ×2)、タオル、下着、パジャマ、スマホ、枕が握られている。


「髪乾かすのは良いけど………………流石に下着は着ようよ。家族の前だからってこれはダメだと思うよ」


全裸の私を見てなつちゃんが若干引いてるような気もするけど………………まあ嫌われてなければOKだよね!


「じゃ、乾かすからお姉ちゃんのお膝の上おいで♡」

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