第20話 帰宅

「「ただいま〜」」


レクリエーションも終わって家に帰ってきた。

お母さん達はお仕事に行ってるからもちろん『おかえり』は帰ってこない。だから家に帰ってからはいつも1人だった。けど、もう違う、だって今の私には天使のようななつちゃんがいるから。


「なつちゃん、おやつあるから食べよっ!」


テーブルにはお母さんが用意したであろうお煎餅とチョコパイが置かれていた。


「え〜? ゆうお姉ちゃんケーキも食べたし太っちゃうよ」


「大丈夫だって! だって今日はいっぱい運動したしね」


「う〜ん……………そっか!」


私の謎理論に納得したのかぱあっと笑顔になった。


「なつちゃん、お〜いで♡」


私は2人分のおやつを持ってソファーに座っる。そして『ここにおいで』と示すように自分の膝をポンポンと叩く。


「え〜恥ずかしいよぉ」


「お姉ちゃんね、夢だったんだ〜。自分の妹をお膝の上に乗せて一緒におやつ食べたり、テレビ見たりするの」


「うぅ…………そんな事言われたら断れないじゃん………」


「ほ〜ら、おいで♡ お姉ちゃんにい〜っぱい甘えていいんだよ?」


私がそう言った瞬間、なつちゃんの瞳の奥が揺らいだ気がした。

そして次の瞬間


「わっ!」


「えへへ〜」


なつちゃんが私の胸に向かってダイブしてきた。かと思いきや私の胸に顔を埋めてきた。


「ゆうお姉ちゃん、あったか〜い」


「ふふっ本当は甘えん坊さんなのかな?」


なつちゃんの頭を撫でながら耳たぶをふにふにと触る。

柔らかくてお餅みたいでちょっとクセになりそう…………


「ち、ちがうもん…………ゆうお姉ちゃんがおいでって言うからだし!」


なつちゃんが顔をガバッと顔をあげると私の手に握られてたお煎餅を取って食べ始めた。パリン、ポリンと美味しそうなお煎餅の軽い音が聞こえてくる。


「私も食べよ〜っと。やっぱりお煎餅は醤油がいいよね〜」


「私は海苔がついてるやつが好きだなぁ〜」


「あ〜海苔も良いよねぇ」



◇ ◇ ◇



「……………ゆうお姉ちゃん、今日はお母さん達遅いの?」


なつちゃんが私の膝の上で首をカクンカクンとさせながら聞いてくる。今日はいっぱい動いたから疲れてるのかな?


「そうだねぇ、今日は遅くなるから先に寝てて良いって」


スマホの届いたメッセージを見る。

メッセージを伝えるとしゅんとあからさまに落ち込んでしまった。


「……………」


「寂しい?」


「………………ちょっとだけ」


なつちゃんが私の手をぎゅっと握ってくる。

なつちゃんの手を握り返して残った左手をなつちゃんのお腹に回してポンポンとリズム良く叩く。


「ゆうお姉ちゃん…………あかちゃんみたいだから……………やめて」


恥ずかしいのかなつちゃんのほっぺたが赤くなる。


「ん〜? お膝の上で眠っちゃうのは赤ちゃんじゃないの?」


「…………いじわる」


「ごめんごめん、拗ねないで〜。そうだ、お風呂入りに行こうよ。さっぱりして目もシャキッとするよ」


なつちゃんは目を覚ますことができる。私はなつちゃんの純白の可愛らしいちっちゃい体を見ることが出来る。Win-Winの関係ではないですか!


「……………ゆうお姉ちゃんのエッチ」


「んなっ! 姉妹でお風呂入るのは普通でしょ!?」


「…………この歳になったら普通入らないよ」


「え〜入ろ〜よ〜。これで嫌だったら今度からは入らなくて良いからさ〜。今日だけっ! お願い!」


「む〜……………今日だけだからね! 嫌だったら明日からは1人で入るから!」


「やったぁ〜! じゃ行こっか」


なつちゃんとお風呂………………ふへへ♡


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


次回:お風呂回 全力でイチャイチャさせます

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