第19話 レクリエーション・クイズ編
教室に戻ると両手でお菓子を抱えたなつちゃんが嬉しそうな顔をしていた。そして他の子もなつちゃん程の量じゃなかったけどお菓子を貰っていた。
「みんな〜お菓子食べるのは家帰ってからね〜」
「じゃあ次のレク始めるよ〜! 次のレクは………………団体戦クイズで〜す!!」
進行係の骨くんが鬼ごっこの時以上のハイテンションで進行を進めていく。(骨くんは高校ではクイズ同好会の会長を務めるほどのクイズ大好き人間)
「じゃあ高校生と小学生の4人1組になって〜。そしたら代表者はホワイトボード取りに来てね〜」
私はもちろんなつちゃんと明里ちゃんと組む気でいる。だってそれ以外に選択肢なんて無いでしょ?
「明里ちゃんは〜………私とね。なつちゃん、もう1人同じクラスの子選んできてくれる?」
「わかった!」
私がそういう時なつちゃんはとことこと歩いて行って女の子の集団の中心にいた明るそうな女の子のところに歩いていった。
「陽菜ちゃん、一緒に組もう?」
「………! うん、いいよ!」
そして手を繋いで私たちのところに戻ってきた。
「あっお姉さんが奈月ちゃんのお姉ちゃん?」
私を見るなりそう言ってくる陽菜ちゃん。
「そうだよ〜、私もなつちゃんから陽菜ちゃんの話よく聞くよ〜。よろしくね」
「あはは、恥ずかしいなぁ。優奈お姉さんよろしくお願いしますっ!」
陽菜ちゃんと握手をして骨くんからホワイトボードを受け取って席に座る。
「じゃあクイズ始めるね〜。問題数は10問で最初の7問までは1点、後の3問は5点だから、よっぽど差がつかなかったら逆転できるから頑張ってね〜」
「じゃ、始めるよ〜」
(みんなも考えてみよう)
◇ ◇ ◇
『第1問』
【次の血液型を世界人口で多い順に並べなさい】
①A ②AB ③B ④O
「なつちゃん、どれかわかる?」
「う〜ん、多分1番多いのはA型なんだけど、その後がわかんない。日本だとAB型が1番少ないけどどこかの地域はAB型が多いところもあったし」
「明里ちゃんはわかる?」
「私はそういう雑学系は専門外だからなぁ〜」
「そっかぁ、優奈ちゃんは?」
「す、すみません、私勉強はからっきしで…………」
「あぁ〜大丈夫! 私も全然だから!」
「ですよねっ! 勉強なんてつまんないですよね!」
「「………………」」
「ゆうお姉ちゃん、私出しちゃうね」
「んあ? いいよー♪」
『みんな出揃いましたねー? 正解は…………………①・④・③・②です! 当たったチームはこっちまで来て“星”を受け取ってくださーい!』
「なつちゃん…………………天才?」
「えへへ〜偶然だよ〜」
「まじか、私選ばなくて良かったわぁ」
「さすが奈月ちゃん!」
「はぁ、姉のあんたもこれくらい出来たらね〜」
「うるさいなぁ〜私が勉強できないの知ってるでしょー」
「ははっ奈月ちゃんはこうならないようにしっかり勉強しような」
「むぅ………ゆうお姉ちゃんを悪く言わないでください!!」
「うぉ、悪い悪い。次から気をつけるわ」
「まったく、ゆうお姉ちゃんを悪く言っていいのは奈月だけなんですからね!」
「なつちゃんに罵られる………………それも良いかも♡」
「おい、変な癖に目覚めようとするな」
「ふへへ…………♡」
「ダメだ、元々戦力にはなって無かったけど、完全なゴミになった。なつちゃん、陽菜ちゃん、頑張るよ」
「「はいっ!」」
『第2問』
【次の名字を全国で多い順に並べなさい】
①鈴木②高橋③佐藤④根本
「あっこれはわかります! 任せてください!」
「マジで? なんでそんなのわかんの?」
「この前暇だったので調べてました」
「マジか……………最近の小学生ってこんなんなの?」
「いや…………奈月ちゃんだけですよ」
「だよね」
『正解は………………③・①・②・④です! 当たったチームは星を受け取ってくださ〜い!』
「うわ、マジか。やっぱり奈月ちゃん天才でしょ。ねぇ今からでもうちの妹にならない?」
「あはは…………私はゆうお姉ちゃんが気に入ってるので…………」
◇ ◇ ◇
「はっ! 私は何を……………」
「おっやっと起きたか。クイズもう最後だぞ。最後くらいは役に立ってくれ」
「えへへ〜ゆうお姉ちゃんの為に奈月頑張ったよ!」
「どれどれ……………すご、星6個って。逆に何間違えたの?」
「えっと……………学校の創設者の名前を知らなくて」
「いや、それはなつちゃんは悪くないよ。ここに10年も通ってるのに答えられない明里ちゃんが悪いから」
「んなっ……………! ずっと寝てたお前だけには言われたくないんだが!?」
「私も何も出来なかったけど意見は出したから………セーフ?」
「陽菜ちゃんは私のこと手伝ってくれたし、ゆうお姉ちゃんの寝顔は可愛かったし、明里さんはかっこよかったから大丈夫だよ!」
「はぁ♡ なつちゃんは優しいなぁ〜…………それに比べて明里は………」
「は? これ私悪いの? 殴るよ?」
「ね〜最後のクイズ始まるよ〜」
『さあ遂に最後の問題になりました。第9問!』
【世界で1番最初に開催されたスポーツの祭典は何年のどこで行われたでしょうか】
「…………! これ私わかる!」
「………ほんとか優奈」
「うん! 最後は大船に乗ったつもりで任せて!」
「泥舟じゃなければいいんだけどね」
「うっうるさいなぁ………」
回答:紀元前776年 古代ギリシアのオリンピア
『正解は……………紀元前776年前の古代ギリシアのエリス地方のオリンピアです。年とオリンピアが当たってたら星がもらえます!』
◇ ◇ ◇
「じゃあ正解数の多い順にトップ3にはケーキが配られるのでこっちに来てください。もちろんそれ以外のチームにもお菓子はあるので安心してくださいね」
◇ ◇ ◇
「なつちゃん、好きなの選んで良いよ〜♡」
教卓の前でケーキを眺める。いやぁ〜甘いものが好きな私にとってはさいっこうなご褒美だよね!(なにもしてないけど)
「もちろんお前は最後だからな」
「うっ……………反論出来ないのが辛い」
まあ、ずっとニヤニヤしながら倒れてただけだからなぁ。なんも言えないわ。
「じゃあ私は…………モンブランにする!」
モンブラン良いよねぇ〜。私モンブランのてっぺんに栗が乗ってて、中にジャムが入ってるやつ好きなんだよねぇ。
「陽菜ちゃん、選んで良いよ」
「えっ…………明里さんの方が活躍してた…………」
「いいの! こういうのは歳下が優先でしょ? 好きなの選びな」
「あ、ありがとうございます!」
陽菜ちゃんはムースかぁ、なかなかに渋いなぁ。ムースって大人の人がよく食べてるイメージあるよね(この前叔父さんに会った時も叔父さんムース食べてたし)
「はいよ、優奈っちはコレでしょ?」
「ほわぁああああ!!!!」
明里ちゃんはそう言うと私の前に大 大 大好物であるプリンを置いてきた。私は目にも止まらぬ速さでプリンカップを優しく握りしめて
「ありがとう明里ちゃん! 愛してる!」
「まったくもう、
「うん? 何か言った?」
「何も言ってないよ。私も食べよ〜っと」
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