第18話 レクリエーション・鬼ごっこ編②

校庭を走り回ること20分、なぜか一向になつちゃんの姿が見当たらない。ちょくちょく留置所を見てもなつちゃんの姿は無かった。


「うぅ〜…………なつちゃんどこ行ったのぉ……………」


涙を流しながら学校の敷地内を隅々まで探すも見当たらないない。それを捕まってる明里ちゃんとかに言うと「あんたに捕まんないように必死に逃げてるんだよw」とか笑いながら言うしさ、酷い人だよまったく。


「おっ優奈さんいい所に、あと5人だってさ!」


血眼になりながら探してると前から瞬くんが1人の男の子をおんぶしながらこっちに走ってきていた。


「あと5人か〜、急がないと!」


5人、だったら尚更急いで探さないと! ぜぇっったいに他の人に捕まえさせたりしないんだから。なつちゃんは私だけのなつちゃんなんだから!


瞬くんと別れて急いでなつちゃんを探す、けどやっぱり見つからない。


「……………どこ行っちゃったんだろう。もしかして入れ違いとかになってるのかな? いや、それはないか…………」


入れ違いになってたら他の人に捕まってるだろうし。

だとするとどこかに隠れてる? いや、ここにそんな隠れられる場所なんて無いし……………


もう一回探してみよう。そう思って振り返ると


「「…………………」」


可愛らしい天使と目が合った。


「…………いたぁ!」


私がそう叫んだ瞬間、なつちゃんがすごいスピードで走って逃げていってしまった。おかしいなぁ、運動は苦手って聞いたんだけど………


「ってそんな事考えてないで、追いかけないと!」


急いでなつちゃんを追いかける。


「つっかま〜えたっ!」


すぐに捕まえられた。

初速がバカ速かっただけですぐに追いついた。


「いや〜なつちゃんどこ逃げてたの?」


なつちゃんと手を繋いでみんながいる場所に戻る間に気になったことを聞いてみる。


「後ろ」


「………へ?」


「ゆうお姉ちゃんの後ろずっと追いかけてた」


「ま、マジかぁ〜」


全然気づかなかった。いやけどそしたらさっきすれ違った瞬くんとかの時はどうしたんだろう? 私の後ろにいたという事は絶対すれ違ったりするはずなんだけどなぁ。


「と、とりあえず戻ろっか。たぶんなつちゃんで最後だよ」


そして校庭に戻るとやっぱりなつちゃんが最後に1人だった。


「しゅーりょー!!! 交流会鬼ごっこは高校生の〜〜勝ちっ! ていう事で小学生のみんなにはお菓子が…………」


「「「…………」」」


「ちゃんとありますので、教室に戻ってゆっくり楽しんでくださいね。ただし、お菓子を選ぶ順番は残った人順ですからね」


こつくんがそう言うとみんな元気いっぱいに返事をして全速力教室に戻っていった。子供って元気だなぁ。


「………ところで明里さんや」


「うん? なにかな優奈さんや」


「君、やけにニヤニヤしてたと思ったら、なつちゃん後ろにいたの知ってたでしょ」


やけに私を見るとニヤニヤするな〜って思ってたらそういう事だったのか。まったく先に教えて欲しかったものだよ。


「ふふふ、どうだったかな〜?」

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