第15話 ある日の昼by奈月
朝目が覚めたらなんでかわかんないけどゆうお姉ちゃんが私のベッドで寝てたのを見た時はびっくりした。
「ゆうお姉ちゃん、可愛かったなぁ〜」
部屋で宿題をしながら今朝のゆうお姉ちゃんの寝顔を思い出す。ゆうお姉ちゃんのあのとろけそうな寝顔を見ただけでこっちまで幸せな気持ちになってくる。
「……………今度、また一緒に寝てもらおうかな」
前はすごく眠かったからすぐに寝ちゃったけど、寝たふりをしてこっそり起きてたらゆうお姉ちゃんの可愛い寝顔見れるよね?
「思い立ったが吉日って言うもんね、今日の夜お姉ちゃんのお部屋行こ♪」
◇ ◇ ◇
「おかーさーん、お腹すいた〜」
リビングのソファーで勉強してるお母さんの隣に座る。(ゆうお姉ちゃんはお部屋で勉強中。
「あら、もうこんな時間! すぐに作るね。今日は焼きそばだからちょっとお手伝いして貰おうかな?」
「うん!」
そうしてお昼ご飯の準備を手伝うことになった。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
………その頃の優奈はというと
「ぐぅ〜……………」
熟睡中
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「お母さん、まず何やればいい?」
手を洗ってピーマン、豚肉、人参、キャベツそれと卵を冷蔵庫から出す。私の家だと焼きそばに目玉焼きを乗っけるのが定番になってるの。ゆうお姉ちゃんの家ではどうだったかわかんないけどね。
「じゃあまずは人参を切ってくれる?」
「わかった!」
人参を半分に切って短冊切りをする。その間にお母さんが目にも止まらぬ速さで他の食材を切り刻んでいく。
「お母さん早いね」
「ふふっ当たり前でしょ? 奈月が生まれる前から包丁握ってるんだから!」
お母さんは喋りながらでも全然包丁にスピードが落ちていなかった。そういえばお母さんカフェで働いてるんだっけ? たまにお母さんがポテチサラダとかフレンチトーストを持って帰ってきてたような気がする。
「お母さん、奈月も料理してたらお母さんみたく上手にできるようになる?」
「そうね〜毎日料理してればきっと上手になるわよ。どうしたの、急に」
「ううん、なんでもない」
「……………ふ〜ん、奈月も女の子なんだねぇ♪」
「ななな、なにっ!?」
「なんでもないわよ〜」
◇ ◇ ◇
「ゆうお姉ちゃん、お昼ご飯だよぉ〜」
「…………」
焼きそばができたからゆうお姉ちゃん起こしに来たんだけど…………反応が無い。これって勝手に入っちゃダメ………だよね? けど早くしないとせっかくの焼きそばが冷めちゃう…………
「うぅ〜ごめんなさい!」
意を決してゆうお姉ちゃんのお部屋の中に入る。
中はベッドと本棚、勉強机にクッションが2つとちっちゃい丸テーブルが1つあって、ゆうお姉ちゃんは勉強机に頭をくっつけてすやすや夢の中にいた。
「ゆうお姉ちゃん、ご飯できたよ」
「……………」
「ゆうお姉ちゃん?」
いくら呼びかけてもゆうお姉ちゃんは目を覚まさなかった。
「む〜………………お ね え ちゃん!!!!」
「うわぁぁああ!? なになに!?」
お姉ちゃんの耳元で大声を出すとゆうお姉ちゃんはガバッと顔を上げてあたりを見まわし始めて私と目が合った。
「な、なつちゃん………どしたの?」
「お昼ご飯! ゆうお姉ちゃん全然起きないんだもん」
「……………? あーーーーっ! もうこんな時間!?」
お姉ちゃんはスマホを画面を見て驚きの声を上げていた。
「先行ってるから、早く来てね?」
「う、うん。すぐ行くね」
私はお姉ちゃんの部屋を出てリビングに戻った。
「(ゆうお姉ちゃんの寝顔……………可愛かったなぁ♡)」
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