第10話 いざ、新居へ!

車に乗って数十分、私達は新しい家に着いた。


「「お、おぉ〜!」」


車を降りて新しい家を見た私となつちゃんが驚きの声をあげた。だって目の前には家の周りが塀で囲まれて、そこそこ広い庭とそこそこ広めの2階建の家があるんだもん!


「ゆうお姉ちゃん、お庭凄いよ!」


「ほんとだ! バーベキューも出来そうだね」


なつちゃんがお庭(全面芝生)に向かって走っていく。

後ろを見るとお母さん達が私達を見て談笑してた。


「わぁ〜! 地面柔らかい!」


「ちょっ、なつちゃん!」


再びなつちゃんの方に視線を向けるとなつちゃんが地面(芝生)に寝転がってゴロゴロしていた。も〜、いくら塀のおかげで周りに見えないからってゴロゴロするのは……………なんて思ってると


「こ〜ら、奈月。お洋服汚れちゃうでしょ? やめなさい」


いつの間にか後ろから七海さんが立っていて微笑を浮かべながらなつちゃんの方を見ていた。


「えへへ……ごめんなさ〜い」


「まったくもう、少しは大人になりなさいな」


「む〜! 私は大人です〜!」


「じゃあ学校でも大人なんだからもう少し同じクラスの子にも優しくしてあげてよ……………」


七海さんが呆れながらいう。

ていうか、七海さんがそれ程言うってなつちゃん、前の学校ではどんな態度とってたんだろう…………………


「いやで〜す! 私はオ ト ナだからバカなあいつら一緒にいる必要ないし〜」


「〜〜〜〜〜〜っ! それだから担任の先生から『奈月さんはもう少し子供っぽくなりましょう』って言われるんでしょ!」


あはは……………これは、よっぽど凄いことしたんだろうなぁ〜、先生から『子供っぽくなりなさい』なんて、滅多に言われないだろうし…………。


「まったくもう…………優奈ちゃん、あの子ったら私たちの前だと子供っぽいけど、学校だとまぁ〜酷いのよ」


七海さんがため息を吐きながらそんな事を言ってきた。


「そ、そんなになんですか?」


「そうよ〜。去年の運動会なんて『運動会なんて勉強が出来ないバカが楽しむ事でしょ? 私は出ないから』なんて言って家でお勉強してたのよ!? いや親としては自主的に勉強してくれるのは嬉しいけどさ〜………………なんか違くない!? それに…………」


七海さんの口から出るわ出るわなつちゃんの偉業?の数々。

けど、この口ぶりからしていじめてたりいじめられてたりはしてなかったのかな?


「なつちゃん、いじめられてたりはしてなかったんですか?」


「ん〜? それに関しては大丈夫よ、先生からも『少し………いや、かなり言動が大人びているだけで仲良く生活出来ています』って言われてたし。それに奈月がいじめられてたらなにしでかすかわからないし…………」


私はこの時七海さんが何を言ってるかわからなかった。


「まぁ気にしなくても大丈夫よ、なんだかんだあの子は強いから。さっお部屋の準備をしましょう。今日中にそれぞれのお部屋は準備しなきゃ床で寝ることになっちゃうわ」


そう言うと七海さんは玄関のドアを開けて中に入って行った。


「なつちゃん、私達も行くよ〜」


「は〜い!」


家の中に入る。家の中の1階はリビングとキッチン、和室に浴室、トイレ。2階は部屋とベランダがあるくらいかな。


「2階は優奈達が使いな。お母さん達は和室使うから」


「はいよ〜。なつちゃん上行こ!」


お母さん達は1階を使うみたいらしい。

なつちゃんと手を繋いで2階に上がる。


2階には部屋が4部屋あってそのうち2部屋が隣り合っててそこを私達が使うことになった(残りは多分物置になるかなぁ)


「じゃあ、ここからは各自荷解きという事で。何かあったら呼んでね」


「うん!」


なつちゃんと別れて私の部屋(1番端っこ)に入ってお母さん達が運んでくれた段ボールを開ける。クローゼットとかベッドは今日の午後に届く予定。だからそれまでに出来ることをしておく。



◇ ◇ ◇



「ゆうおねーちゃーん、来てー!」


「は〜い! 今行くよー!」


一通り荷解きを終わらせて本を読んでると隣から私を呼ぶ声が聞こえてきた。なつちゃんの部屋(ドアに可愛らしいドアプレートがあった♡)に入るとなつちゃんがいきなり飛びついてきた。


「どうしたの〜?」


「準備終わったから遊ぼ!」


か、可愛すぎでしょ〜!!!! 遊びたいから呼ぶ、あぁ……良い♡ 姉妹って感じがする。


「いいよ〜♡ 何して遊ぶ?」


「えっとねぇ〜…………」


この後、2時間ずっと遊び(お勉強)が続いた。

頭のいい子って………………怖い

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