第5話 お買い物 in100円ショップ
本屋さんを出てそのまま東側に真っ直ぐ進むこと20メートル。100円ショップに着いた。100円ショップにはテープとかノートを買う時にたまに来るけど、なつちゃんも何か買いに来たのかな?
お店の中に入るとなつちゃんは一切の迷いのない足取りでヘアゴムやヘアピンだったりが置いてあるコーナーまで歩いていった。
「ほぇ〜〜100円ショップにはこういうのも売ってるんだぁ〜知らなかったなぁ」
そのコーナーには沢山の種類のアクセサリーや化粧品が並べられていた。
てっきりこういうのは雑貨屋さんだったり、化粧品を売ってるちゃんとしたお店にしかないと思ってたからびっくりだよね。
あ〜そういえばオシャレの好きな友達も『コスパ良いからオススメ!』とか言ってたような気がしなくもなくもない。確かにちゃんとしたお店で買おうとしたら高そうだもんねぇ、高校生くらいにはこれくらいのお値段だったらお手頃だし、手も出しやすいよね。
私が化粧品とかを眺めているといつの間にかいなくなってたなつちゃんが隣に戻ってきてて、手を後ろに回してて何かを握ってるみたいだった。
「ゆうお姉ちゃん、お揃いのヘアゴム、買お?」
そう言うなつちゃんの手には水色のヘアゴムが握られていた。
なつちゃんって水色とか青系の色好きなのかな? さっきも私が勧めたワンピースも嫌な顔しないで着てくれたし。
「うん、いいよ。じゃあお姉ちゃんが買ってあげるから、他にも欲しいのあったら持って来て」
「えっいいよ、さっきもゆうお姉ちゃんに出してもらったし………」
むっ……………………確かにさっきも私がお金出したけどさ、それは姉としては妹のためにお金を出すのは当然の事だし、多少は姉としての体裁を保つ為だからね。
「い〜の! お姉ちゃんに任せなさいっ! それともなに、お姉ちゃんの面目を潰したいの?」
「いっいやそんな訳じゃないよ! ただ…………ゆうお姉ちゃんだけに払ってもらうのは申し訳ないというか、なんというか……………」
なつちゃんの声が少し弱くなっていくのを感じる、少し強く言い過ぎちゃったかな。けど、まだまだ子供なんだし子供にとってお小遣いは命にも等しいから、こんな事に使っちゃうのは勿体無い。
「い〜のい〜の、私のはお小遣いいっぱいあるから気にしないで! それに子供のうちから貯金しておくと将来良いことあるから、貯金しておきなよ!」
なつちゃんを言いくるめてカゴにヘアゴムを入れる。
せっかくだし、私も何か化粧品買ってみよっかな!
〜〜〜10分後〜〜〜
しばらく100円ショップの中をうろついて興味があったのを片っ端からカゴに放り込んでいく。隣で一緒に見てたなつちゃんもカゴにテープとかちっちゃい手帳とかを入れていく。
「よしっもういい?」
「うん、満足」
「じゃあお会計するから、どんどん袋に詰めていってくれる?」
「できる!」
「おっ良い返事だね〜、じゃあお願いね」
セルフレジでどんどんバーコードを読み取ってなつちゃんに渡していく。そしてなつちゃんは渡された商品をマイバッグの中に入れていく。ふふっこれって夫婦の共同作業みたいで、ちょっとドキドキするね。
◇ ◇ ◇
お母さん達との待ち合わせ場所に着いて、車に買った荷物を乗せていく。にしても、結構買ったなぁ。お洋服に、本に、その他消耗品などなどいっぱい。普段じゃ考えられないくらい買ったよ〜。
「ゆうお姉ちゃん、またね」
車に乗ろうとした時に、隣の車の窓がウィーンと開いてそこから笑顔のなつちゃんが顔を覗かせて来た。なつちゃんの顔は夕陽に照らされていて少し大人っぽさが出てて、可愛いなぁ♡
「うん、またね………………まぁ、すぐに会うんだけどね」
今日は私達のお家にお泊まりだからまたすぐに会えるんだけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます