君を思って
ようこそ!待ってたよ。さ、あがって。
君が好きだって言ってくれた、お砂糖入の麦茶だよ。
ふふ。沢山作ったから、沢山飲んでね。
麦茶が甘いから、お菓子は甘くない方がいいよねぇ…
そうだ!いいものがあった~!これこれ、妖精の干し肉だよ!
今日闇市で買ったんだ。…え、いらないの?そう?
美味しいよ、これ(食う)本当にいらないの?
…じゃあ、じゃあさ、これは?
昨日から仕込んでおいたんだよねぇ。…え、怖い?
こんなに美味しそうなのに?
好きだと思ったんだけどなぁ、耳軟骨の出汁醤油漬け。
最近オカチメンコって人の料理動画にハマっててさぁ。
どれも簡単で美味しそうなんだよねぇ。
見たことない?
君も動画見るの好きだったよね。
えぇっと、動物の癒し系動画だっけ?
お尻がいっぱい出てくるやつ。
君もさ、マニアックだよねぇ。
自分と違う種族のお尻でないと萌えないなんてさ~。
僕よりずっと変だと思うよー。
変だってば。だってさ、いつもアレする時…ぐぶはっ…
ごめん、ごめんって!
そうだよね、人の恥ずかしい部分は口にしちゃダメだよねぇ。
ははは、僕ってば配慮が足りなかった~。
ところで、話変わるけどさ、君、あの子とはその後どうなったの?今日はそれが聞きたかったんだよ~だから呼んだの!
この間来てくれた時は、
告白に成功したってところで話が終わったじゃない?
どうなったの?それから。
…ぁあ、勿体ぶらずに教えてよ!
気になって気になってあの日からずうっと眠れなかったんだ!
本当だよ。だって君は違う種族のお尻しか…っと!失礼。
まぁ、その、君変わってるじゃない?
そういう部分をあの子は理解してくれてるのかなぁって、
心配なんだよねぇ。
僕としては、君が傷つくところなんて見たくないからさぁ。
…え、うっそ、本当に?あの子も同じ趣味だったの??
そっかー!良かったね!それは良かったよ!!
じゃあ二人で一緒に楽しめるわけだ!おめでとう!
君にもとうとう春が来たってわけだね!
よし、なら今日はお祝いだ!君の好きなものをご馳走しよう!
丁度いい素材が手に入ったんだよ。
…よっこらしょっ、と。
捕まえる時暴れられてさ、いやぁ、参ったよほんと。
でも君の為だからさ、僕、頑張っちゃった!!
…何?どうしたの?顔が真っ青だよ?
あぁ、この痣珍しいもんね。
気付いた?
そうだよ。これは…痛っ!急に何するのさっ…!
僕は君の為を思ってこれを用意したんだよ!
君が今一番好きなお尻の肉だ!
喜んでくれないの?僕は君の為に…君の為に!
--- 終幕 ---
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