予定外のロマンチック

説明:恋人たちの会話劇。イチャついてるだけかも。ハッピーエンド。


---------------- 以下本文 ----------------


A「あの女は誰っ!?『この車の助手席は君専用』とか言ってたくせに!どういうこと?このイヤリング誰のよ!ここに誰を乗せたの!?」

B「あね…」

A「あなたにお姉さんがいない事は知ってるのよ?」

B「妹だったかなぁ」

A「(被せるように)妹さんもいないでしょ?勝手に妹だと思ってるネットアイドルはいるみたいけど…」

B「…はぁ(大きな溜息)わかった、これ誰にも言うなよ?弟のまもる。」

A「はぁ?!あんたねぇ、そんな嘘がつうよ…あ(スマホの写真を見せられる)」

B「あいつさぁ、『男の娘』ってやつに目覚めたんだよォ。この間買い物に付き合わされて…それだ!お前が見た『女』もあいつだよ。」

A「か、かわぃいい!え、ちょ?可愛すぎる!これが?まもるくん?!えぇー!メイク上手!えぇー!」

B「イヤリングもそれと同じだろ?はぁ(溜息)これで疑いは晴れたな。」

A「…違う。まもるくんじゃない。あの時見たのはあなたより背が小さくてちょっとぽっちゃりしてて…。まもるくん、あなたより背が高いじゃない!」

B「ぇええ…」

A「まだ申し開きする?…ちゃんと言わないならこっちだって考えがあるわよ。」

B「考え…」

A「わ、か、れ、ますっ!」

B「はぁ(大きな溜息)おまえさ、何かにつけてそれだよな。…あれだろ、もうさ、お前俺の事どうでも良くなってるんだろ。」

A「そんなこと…」

B「お前が別れるって言って、俺が嫌だって言う。パターン化してんじゃん。」

A「それは、あなたがっ!」

B「俺、が?…ま確かに、付き合って5年、マンネリ化してるのは否めないよ。」

A「…やっぱり、あなたもそう思ってるんじゃない。」

B「そりゃ、付き合い始めた頃と全く同じ気持ちっていうのは難しいだろ。あの頃に比べたら、お互いの事、沢山知ってしまったわけだし。新鮮味が薄れるのは当然だよ。」

A「…わたしに飽きたってことね」

B「違うよ。飽きた奴がこんな風に県を跨いで、毎週一時間かけて会いに来るか?」

A「…うぅ」

B「お前に会いたいから、こうしてわざわざ時間作って来てる。休日出勤しなくていいように、金曜は飲みに行かず残業してる。少しでもそばにいたいと思うから。」

A「(泣く)」

B「何度でも言うよ、好きだ。お前の事が好きなんだよ。だから絶対に別れたくない。」

A「ばか!ばかばかばか!!」

B「なんでだよっ!」

A「わたしがばかぁあ…!」

B「はぁ(やわらかく溜息)あーあ、もういっか。計画が台無しだ。」

A「…え」

B「週に一度じゃ足りないんだよ。」

A「…え、え、えぇええ(泣く)」

B「食事の後、夜景の綺麗な所に連れてって…それから…わ!(抱きつかれる)」

A「…愛してる。」

B「俺も…結婚しよ。」


(間 いい感じに終わる)


A「で?あなたが親しそうにしてたあの人は結局誰なの?」

B「彼女は高校の同級生なんだ。あの時たまたま会って、懐かしくて立ち話をしてただけだよ。」

A「へぇー同級生、ねぇ。もしかして初恋の相手とか?随分デレデレしてたから。」

B「デレデレ…あぁ、別人みたいに綺麗になってたからなぁ。」

A「…ふーん。」

B「結婚して子どもがもう3人いるんだって。色々話を聞いたらさ、結婚もいいもんだなぁって。」

A「その人のおかげなのかな?これは。」

B「それだけじゃないけどな。」




✼✼✼おわり✼✼✼

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