黒い手で掴んだ日々とキラキラ星に似た希望
A4サイズ程のスケッチブックを用意する。
そして私は右手に4Bの鉛筆を握る。
まずは中央にキラキラと輝く大きな星を描く。それはとても魅力的で煌煌と光るキラキラの星だ。
そしてその星を掴んでいる、大きな手の絵を画面に綺麗に納まるように配置する。
そして大きな手が納得いくまで描けた後、今度は鉛筆で大きな手を真っ黒に塗りつぶす。
キラキラ星がより一層煌めくように。そして絵画上でキラキラ星が真っ黒な手に馴染んでいくように、という願いを込めて。
そして両端の余白に、これまた濃い筆圧で、言葉を紡いでいく。
いっぱい、いっぱい、泣いたけれど。
黒い手で、過ごした日々を、つかんだよ。
今ならばもう、己の道は見えそうだ。
叫んで狂いそうになってもふんばった。
負けなかった。今ならきっと信じられる。もう狂わない。
逃げても良いよ。だけどいつかはここに帰って来てね。
己の道はもしゴミだとしても捨てなければ大丈夫。
どんなものも全て。希望は私の手の中に。
2023.6.5.mon.
【完】
黒い大きな手とキラキラ星 生永祥 @4696540
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます