第1話 第4節 国王陛下
魔法学院に到着した悠真とリリアは、学長室に案内された。そこで待っていたのは、リリアの父親であり国王であり魔法学院の創設者でもあるレオン王だった。
「よく来たな、悠真よ。私はレオン・アルカディアだ。この国の王であり、この学院の創設者でもある」
レオン王は威厳ある声で言った。
「初めまして、悠真と申します。どうぞよろしくお願いします」
悠真は礼儀正しく挨拶した。
「君は異世界から来たと聞いているが、それは本当か?」
レオン王は悠真を見つめた。
「はい、本当です。私は元々地球という世界に住んでいましたが、ある日突然この世界に転生しました」
悠真は正直に答えた。
「ふむ……それならば、君にはこの世界の常識が分からないだろう。私が教えてやろう」
レオン王は言った。
「この世界では、エーテルという力がすべてを支配している。エーテルとは自然界に存在するエネルギーであり、それを操ることができる者が魔法使いだ。魔法使いはエーテルを自分の意志に従わせて様々な現象を起こすことができる」
「エーテル……」
悠真は興味深く聞いた。自分もエーテルを操ることができると言われていたが、それがどういうものなのか分からなかった。
「しかし、エーテルは無限ではない。エーテルは自然界から吸収することができるが、それには限度がある。魔法使いは自分の体内にエーテルを蓄えることができるが、それにも限度がある。魔法使いは自分の力に見合った魔法を使わなければならない。力を使いすぎれば、エーテルの枯渇や反動によって命を落とすこともある」
「そうなんですか……」
悠真は驚いた。魔法は危険なものだったのだ。
「だからこそ、魔法使いは自分の力を知り、制御することが必要だ。それがこの学院の目的だ。この学院では、魔法使いの才能を見出し、育成し、教育する。そして、魔法使いの責任と義務を教える。魔法使いはこの国の守護者であり、平和の維持者である」
「この国の守護者……」
悠真は感心した。リリアもそういう立場だったのだろうか?
「君もこの学院に入学することになった。君には特別な才能があると聞いている。君はどんな魔法を使えるのか?」
レオン王は悠真に問いかけた。
「私は……」
悠真は困った。自分はまだ一つも魔法を使ったことがなかった。
「私はまだ魔法を使ったことがありません」
悠真は正直に答えた。
「まだか……それは残念だ。だがそれも仕方ない。君はまだこの世界にきて間もないんだから。では、君にはリリアについて行ってもらおう。彼女が君の魔法の師匠だと聞いている。」
レオン王は言った。
「はい。」
悠真はうなずいた。
「そうです。私があなたの魔法の師匠です」
リリアは笑顔で言った。
「私はこの国で最高の魔法使いですから、あなたにも最高の魔法を教えてあげます」
リリアは自信満々に言った。
「最高の魔法を?」
悠真は期待した。実は自分も魔法を使ってみたかったのだ。
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